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女装と復讐 -完結編-
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僕はびっくりし過ぎて、目を大きく見開き真ん丸にして、詩織を見た!…んだけど、詩織だって僕に負けないくらい、大きく真ん丸な目をしてた…。
『篠崎さんは、雄二くんとお知り合いなの?』
『えぇ。まぁ…』
アンナさんは上品に微笑みながら…でも少し戸惑いをも含めたように、小さく頷いて冴嶋社長に返した。
えぇ…まぁ…って。
本当は今僕らが居る、この美容院を、雄二さんがアンナさんにプレゼントしたってほどの《親密な恋仲関係》なのに…。
『中澤…さんは現在、主にフランスで生活し…今までどおりプロのカメラマンとして、精力的に活動してると聞いています』
…なんですが、実は年に4回…3ヶ月ごとに、僕らに美味しい高級お寿司や、高級焼肉や、高級カニ鍋とかを食べさせてくれるために、フランスから日本に帰国してくれています…じゃなくて、詩織の《G.F.》モデルの撮影のために。
んまぁ…ってのは、内緒の情報なんですが。
『篠崎さんが雄二くんと、今後もし会ってお話しするような機会があったら…冴嶋美智子が《あの頃のことを会って謝りたい》と言っていたと、雄二くんにお伝えを…お願いできますか?』
『はい。承りました…』
…と、アンナさんは一旦返答をしたあと…。
『…ですが冴嶋社長、その件についてなんですが…』
『?』
冴嶋社長は、少し不安気な眼差しでアンナさんを見た。
『彼はもうあの頃のことを…という以前に、当時から冴嶋社長のことを、本当は全く悪くなんて思ってなかったと、中澤さんは言っていました』
そのアンナさんの言葉を聞いて、コクリと小さく息を呑んだ冴嶋社長。
『本当なの?でも、そのお言葉…私、本当に信じてもいいの…?』
『ご安心ください』
アンナさんは冴嶋社長に、また優し気に笑って見せた。
『ではお訊きしますが、彼が冴嶋社長の目の前から忽然と消え去ってしまったのと、丹波鈴ちゃんを社長にご紹介したのと…どちらが先で後だったのか…憶えていらっしゃいますか?』
『えっ?…えっと…たしか…』
冴嶋社長は黙り込み、少し考えはじめた…。
《コン、コン、コン♪》
玄関扉をノックする音…それが美容院の室内に響き渡った。
「お待たせ致しました。《おばタク》でございます…」
『あ、はーい』
詩織がアンナさんに代わって応じ、玄関扉を開けてあげる。
扉が開くとともに、さらさらと緩やかに降り続く雨音も、室内へと入ってきた。
『岡ちゃん、お疲れさまー。どうぞ入って』
『はい。失礼致します』
『…篠崎さん。なるほど…そうだったわね。ありがとう』
『では…』
鈴ちゃんは『…社長のお見送り、行ってきます』と、軽く会釈して冴嶋社長と岡ちゃんとともに、美容院を出ていった。
『篠崎さんは、雄二くんとお知り合いなの?』
『えぇ。まぁ…』
アンナさんは上品に微笑みながら…でも少し戸惑いをも含めたように、小さく頷いて冴嶋社長に返した。
えぇ…まぁ…って。
本当は今僕らが居る、この美容院を、雄二さんがアンナさんにプレゼントしたってほどの《親密な恋仲関係》なのに…。
『中澤…さんは現在、主にフランスで生活し…今までどおりプロのカメラマンとして、精力的に活動してると聞いています』
…なんですが、実は年に4回…3ヶ月ごとに、僕らに美味しい高級お寿司や、高級焼肉や、高級カニ鍋とかを食べさせてくれるために、フランスから日本に帰国してくれています…じゃなくて、詩織の《G.F.》モデルの撮影のために。
んまぁ…ってのは、内緒の情報なんですが。
『篠崎さんが雄二くんと、今後もし会ってお話しするような機会があったら…冴嶋美智子が《あの頃のことを会って謝りたい》と言っていたと、雄二くんにお伝えを…お願いできますか?』
『はい。承りました…』
…と、アンナさんは一旦返答をしたあと…。
『…ですが冴嶋社長、その件についてなんですが…』
『?』
冴嶋社長は、少し不安気な眼差しでアンナさんを見た。
『彼はもうあの頃のことを…という以前に、当時から冴嶋社長のことを、本当は全く悪くなんて思ってなかったと、中澤さんは言っていました』
そのアンナさんの言葉を聞いて、コクリと小さく息を呑んだ冴嶋社長。
『本当なの?でも、そのお言葉…私、本当に信じてもいいの…?』
『ご安心ください』
アンナさんは冴嶋社長に、また優し気に笑って見せた。
『ではお訊きしますが、彼が冴嶋社長の目の前から忽然と消え去ってしまったのと、丹波鈴ちゃんを社長にご紹介したのと…どちらが先で後だったのか…憶えていらっしゃいますか?』
『えっ?…えっと…たしか…』
冴嶋社長は黙り込み、少し考えはじめた…。
《コン、コン、コン♪》
玄関扉をノックする音…それが美容院の室内に響き渡った。
「お待たせ致しました。《おばタク》でございます…」
『あ、はーい』
詩織がアンナさんに代わって応じ、玄関扉を開けてあげる。
扉が開くとともに、さらさらと緩やかに降り続く雨音も、室内へと入ってきた。
『岡ちゃん、お疲れさまー。どうぞ入って』
『はい。失礼致します』
『…篠崎さん。なるほど…そうだったわね。ありがとう』
『では…』
鈴ちゃんは『…社長のお見送り、行ってきます』と、軽く会釈して冴嶋社長と岡ちゃんとともに、美容院を出ていった。
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