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女装と復讐 -完結編-
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まだ少し暗い、午前6時に目覚めた僕は…上体を起こして部屋を見渡した。
『結局…あんまり片付けられなかった…』
僕がダンボール箱に詰めて荷造りできたのは…本当に元から少なかった衣類と3足のスニーカー…だけ。
お母さんが用意してくれた、一度も使わなかったたくさんの食器類とか、鍋とか…パソコンとかPS4とか照明器具類とか…あの手作りポスターとか本棚の単行本とか…洗面器周りのタオルとか歯磨きセットとか…。
アパート用の化粧道具は、元々小さな空きダンボール箱をメイクボックス代わりにしてたから、そのままでも持ち運べるけど…。
僕は窓のカーテンを開けた…あ、このカーテンもあった…。
あと、朝ごはん…どうしよう…。午前7時には、啓介さん達が来るって聞い…。
《コン、コン、コン…》
玄関のドアをノックする音…?
えっ、もう来たの!?啓介さん達?
だってまだ、6時18分だよ!?
僕は慌てて玄関へ小走りし、解錠してゆっくりとドアを開けた。
『啓介さん、おは…えっ?』
『おはようございます』
『な、なんで!?』
《おばタク》の岡ちゃん!なんでここに居るの!?
『詩織ちゃんから服を預かってきました。それと伝言も…』
…伝言?
…僕は《詩織が準備した思い出ある服》に着替え終え、慌ててメイクを始めた…。
ちょっとちょっと…ちょっと!
何で引っ越しするこんな日に、いきなり《金魚に変身して?》って…詩織!?
『おはよーっ。信吾くんッ♪』
『信吾くん、おはよう』
『おっ、早速始めてるな。金魚への変身』
鍵は掛けず、ドアを閉めてメイクしていた。そのドアを開けて、春華さんと歩美さんと啓介さんが部屋に入ってきた。
岡ちゃんは今《おばタク》に乗って待ってくれている。
『信吾くん、サンドイッチ作ってきたよん。どーぞ♪紅茶もあるからねッ♪』
『どこから荷造り始めます?啓介さん』
『じゃ…歩美ちゃんは食器類を新聞紙で包んでダンボール箱に入れて』
僕は春華さんに『あーん、してッ♪』って、時折サンドイッチを貰い頬張りながら、メイクを進めていく。
…できた!完成…はぁ、はぁ…。
『メイク終わったの?じゃあ早く行ってあげて!』
『現地で詩織ちゃんが待ってるって!』
『荷造りは俺たちが全部やるから…ほら』
『あ…あの、じゃあ…行ってきます…』
僕は玄関のドアを開けて、外へ出ようとした。
『うわっ!』
『きゃっ』
危なっ!…えっ?
そこに居たのは…このアパート《寿美安壮》の大家のおばちゃん…!!
『すっ、済みません!ちょっと急用で僕…ちょっと出掛けてきますんで!』
大家のおばちゃんは、キョトンとした目で僕を見てる…。
『あっ、あぁ…。こんな女の子みたいな格好してますけど…僕です。岩塚です…』
『えっ…??』
引っ越しの日に女装して?荷造りをひとに任せて?出掛けるって…そんなバカな奴いるかーっ!…って…ここに居ました…。
『啓介さん!荷造りお願いしまーす!行ってきまーす!』
『あぁ。安心して行ってきな!』
『はいっ!』
僕はカンカンと慌ただしく、《早朝のシンデレラ》みたく錆びた階段を駆け下りて…ガラスの靴は落とさなかったけど…《おばタク》に駆け寄り乗り込んだ。
車から出てきてた岡ちゃん。僕が乗り込むと後部座席のドアを閉めてくれて、岡ちゃんも運転席に『よいしょ』と座った。
『お待たせ!ごめん!岡ちゃん!』
『はい。じゃあ向かいますね。天郷大通りに』
『結局…あんまり片付けられなかった…』
僕がダンボール箱に詰めて荷造りできたのは…本当に元から少なかった衣類と3足のスニーカー…だけ。
お母さんが用意してくれた、一度も使わなかったたくさんの食器類とか、鍋とか…パソコンとかPS4とか照明器具類とか…あの手作りポスターとか本棚の単行本とか…洗面器周りのタオルとか歯磨きセットとか…。
アパート用の化粧道具は、元々小さな空きダンボール箱をメイクボックス代わりにしてたから、そのままでも持ち運べるけど…。
僕は窓のカーテンを開けた…あ、このカーテンもあった…。
あと、朝ごはん…どうしよう…。午前7時には、啓介さん達が来るって聞い…。
《コン、コン、コン…》
玄関のドアをノックする音…?
えっ、もう来たの!?啓介さん達?
だってまだ、6時18分だよ!?
僕は慌てて玄関へ小走りし、解錠してゆっくりとドアを開けた。
『啓介さん、おは…えっ?』
『おはようございます』
『な、なんで!?』
《おばタク》の岡ちゃん!なんでここに居るの!?
『詩織ちゃんから服を預かってきました。それと伝言も…』
…伝言?
…僕は《詩織が準備した思い出ある服》に着替え終え、慌ててメイクを始めた…。
ちょっとちょっと…ちょっと!
何で引っ越しするこんな日に、いきなり《金魚に変身して?》って…詩織!?
『おはよーっ。信吾くんッ♪』
『信吾くん、おはよう』
『おっ、早速始めてるな。金魚への変身』
鍵は掛けず、ドアを閉めてメイクしていた。そのドアを開けて、春華さんと歩美さんと啓介さんが部屋に入ってきた。
岡ちゃんは今《おばタク》に乗って待ってくれている。
『信吾くん、サンドイッチ作ってきたよん。どーぞ♪紅茶もあるからねッ♪』
『どこから荷造り始めます?啓介さん』
『じゃ…歩美ちゃんは食器類を新聞紙で包んでダンボール箱に入れて』
僕は春華さんに『あーん、してッ♪』って、時折サンドイッチを貰い頬張りながら、メイクを進めていく。
…できた!完成…はぁ、はぁ…。
『メイク終わったの?じゃあ早く行ってあげて!』
『現地で詩織ちゃんが待ってるって!』
『荷造りは俺たちが全部やるから…ほら』
『あ…あの、じゃあ…行ってきます…』
僕は玄関のドアを開けて、外へ出ようとした。
『うわっ!』
『きゃっ』
危なっ!…えっ?
そこに居たのは…このアパート《寿美安壮》の大家のおばちゃん…!!
『すっ、済みません!ちょっと急用で僕…ちょっと出掛けてきますんで!』
大家のおばちゃんは、キョトンとした目で僕を見てる…。
『あっ、あぁ…。こんな女の子みたいな格好してますけど…僕です。岩塚です…』
『えっ…??』
引っ越しの日に女装して?荷造りをひとに任せて?出掛けるって…そんなバカな奴いるかーっ!…って…ここに居ました…。
『啓介さん!荷造りお願いしまーす!行ってきまーす!』
『あぁ。安心して行ってきな!』
『はいっ!』
僕はカンカンと慌ただしく、《早朝のシンデレラ》みたく錆びた階段を駆け下りて…ガラスの靴は落とさなかったけど…《おばタク》に駆け寄り乗り込んだ。
車から出てきてた岡ちゃん。僕が乗り込むと後部座席のドアを閉めてくれて、岡ちゃんも運転席に『よいしょ』と座った。
『お待たせ!ごめん!岡ちゃん!』
『はい。じゃあ向かいますね。天郷大通りに』
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