鬼畜先輩と俺

猫山亭 灰色

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全裸で腹筋運動

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「鈴木君、今って、電話いい?」
「・・・はぁ・・・、大丈夫ですよ。」
「息が荒いみたいだけど、今、何してるの?」
 
 むむむ、これって普通のカップルの会話っぽくない?
 
「現在、全裸で腹筋運動中です。ちなみに、自分の部屋です。」
 
 何で、全裸? 

「全裸だと、鍛えてる部分が見やすいので。」
「そうなんだ・・・。まぁ、全裸だっていうなら、自分の部屋でやらないと大変だし。トレーニングジムとかで全裸になっちゃうと、いろんな人に狙われるしね。特に鈴木君は。」
「そうですね!」
「何で、全力で肯定したの!?」

「でも、ご存知ですか? 筋肉って、トレーニング中に見られると喜んで、引き締まるんですよ。」
「鈴木君って全身を鍛えてそうだよね?」
「そうですね。・・・だけど、括約筋はそんなに鍛えてないんで、勘違いしないでください。」
「深読みしすぎだって!」
 
 ちょっと、妄想してみる。
 鼻血が出そう・・・。
 だって、ピッタンピッタンしてるわけでしょ!? 
 アレがお腹にピッタンピッタンとぶつかって。
 
「ところで、この電話の目的とは?」
「目的がないと、電話したらダメ?」
「う~ん、タイミングによりますかね。」
 
 そうか、タイミング次第なんだ。。。
 
 まだ、二人の間の心の距離があるんだな。
 最近はその距離が一生、縮まらない気がしてきてるけど・・・。
 
 ワタシ達の関係はあくまでも鬼畜小説の作者と編集者、もしくは学生時代の先輩と後輩、
 それどころか、作品における加害者(ワタシ)と被害者(鈴木少年)だし。
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