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半獣半人座星系
人質救出
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洋館の2階、一番奥まった部屋に、
人質が囚われている。王族風の衣装、長い髪。
今は午前5時。惑星セトは、直径15000
キロメートル、自転25時間、重力加速度は、
1.1G。
日の出は約一時間後。もう洋館の門の前だ。
アントン・カントールが、日中に確認して
いた落とし穴のありそうな位置に、大き目の
石を転がす。
ドサっと音がして、穴が姿を現す。その周囲
を迂回して、玄関に到達する。開錠用の
デバイスもいくつかあるのだが、扉に鍵は
かかっていないようだ。
内部に入ると。2階へ上がる階段がふたつ。
玄関ロビーは吹き抜け。左右に、大き目の
部屋がありそうだ。
手筈どおり、向かって左側の部屋からいく。
まずは、人間族のベルンハード・ハネル、
おれから飛び込む。
いた。剣と盾を持つスケルトン兵士。
ジャイアント族のアントン・カントール、
そしてドワーフ族のスヴェン・スペイデル
も続く。
大型の盾で身を守りつつ、それぞれの武器で
戦闘を開始する。最後に入ってきたエルフ
族のシャマーラ・トルベツコイは、
入ってくるなり詠唱に入る。
部屋の外には、アンデット族のイスハーク・
サレハと、人間族のセイジェン・ガンホンが
周囲を警戒する。
イスハークは、長銃を背中に担ぎ、両腰に
2丁の短銃を下げている。狭い場所に
適した武器だ。持ってきたデバイスで、
地上階の解析を始める。
セイジェンも、今回は槍を持っていない。
身長に対して少し短めの打刀だ。まだ抜いて
いない。
「ゼウス神よ、われの声に目覚めよ、稲妻!」
一瞬反応が遅れたアントンの頭上を、
稲光が通り過ぎていく。そして、スケルトン
兵士二体を破壊した。
すでに3人で四体を破壊していたため、この
部屋に障害となりそうなものはなくなった。
玄関入って右手の部屋を確認する。
解析によって三体の存在が確認できている。
同様に4人で突入する。
今回は攻撃を仕掛けずに、シャマーラの
詠唱を待つ。眠りから覚めようとしている
のは、3人のリザードマンだ。
「モルペウスよ、汝の夢を見たき者の元へ」
起きざまに周囲を確認しようとしている
リザードマン3名の方へ、小さな呪文トークン
が飛来し、顔の周囲に力場を作り、中へ
催眠ガスを流す。
もう一度眠りに入る3名。持ってきた拘束
ベルトで完全に固定する。
そして玄関広間に戻り。二階をめざす。
一通り二階部分も解析する。上がった左手に、
書斎らしき部屋。そして、右手が書庫。中央
にも通路があり、奥まったところにもうひとつ
扉がある。
全員で二階にあがり、まず書斎の方を確認
する。扉を開けて入ると、まず豪華な机、
そして本棚、豪華な革製の椅子。
入口扉の左右に絵画、この洋館を描いたもの
と、この洋館の所有者らしき人物像。
着ているのは、ずいぶん古めかしい衣装だ。
本棚には、不動産関係の本、税務の本、会計
に関する本、法律全般の本、そして、麻雀
入門の本が十数冊。
その一冊を手に取り、革椅子に座り、本を
開く。入ってきたシャマーラの咳払いに、
立ち上がり、本を戻す。
特にこれといったものもないので、隣の
書庫を確認する。入ると、部屋の周囲に
本棚が並んでいる。
ここも、特に変わったところはなさそうだ。
適当に本を取って眺めようとするが、
この本、タイトルがない。本は、紙の
ページがない。イミテーションだ。
これはいったい、何を意味するのか。
通路の奥の部屋を目ざす。部屋の前に、
石像があるのに気付いた。悪魔の姿を
した石像、これは、ガーゴイルだ。
我々の接近に目覚めて動きだす。同時に、
背後が騒がしくなった。何人かの、
階段を登ってくる足音が聞こえる。
ガーゴイル二体をアントンとスヴェンに任せ、
おれは背後にまわり、セイジェンとイス
ハークを守る位置取りをする。
3人の歩兵らしき男性、そして、もう一人
は、さきほどの絵画の男性だ。
魔法デバイスらしきものを掲げ、詠唱を
開始しようとする瞬間だった。
シャマーラが、カウンターの呪文を即座に
使用する。音を遮る呪文だ。
カウンター呪文の発動をその所有者の
男性は感じ取れたようであるが、慌てた
ため、呪文の詠唱を継続してしまう。
マジックミサイルが、中央にいた歩兵の
背中に命中した。詠唱が聞こえなかったのだ。
そのままおれの前に倒れる。
次の瞬間、タン! と音がして、おれから
向かって左側の兵士が腕を抑える。
イスハークの早撃ちだろう。
それを見て一瞬ひるんだ右側の兵士の、武器
を持つ腕が飛んだ。セイジェンが踏み込んだ
のだ。
それを見て、所有者らしき男が降参の態度
を見せる。背後では、ガーゴイルが再び
石像に戻っていた。
兵士三名と所有者の男性、そしてガーゴイル
二体の治療と拘束を済ませ、最後の部屋の
扉の前に立つ。
事前の調査で、人質が一名この館にいることが
わかっている。扉をノックする。
「開いています」
との返事が返ってきたので、失礼します、
と言って扉を開ける。
中は広く、素人が見てもわかるような豪華な
家具。バスルームから小型のキッチンまで
揃えてある。
天蓋の付いたベッドに座る、白い王族風の
衣装を着た女性。その前に跪き、
玄想旅団、ベルンハード・ハネルと
申します、と一礼。
そこにいたのは、意外な人物だった。
人質が囚われている。王族風の衣装、長い髪。
今は午前5時。惑星セトは、直径15000
キロメートル、自転25時間、重力加速度は、
1.1G。
日の出は約一時間後。もう洋館の門の前だ。
アントン・カントールが、日中に確認して
いた落とし穴のありそうな位置に、大き目の
石を転がす。
ドサっと音がして、穴が姿を現す。その周囲
を迂回して、玄関に到達する。開錠用の
デバイスもいくつかあるのだが、扉に鍵は
かかっていないようだ。
内部に入ると。2階へ上がる階段がふたつ。
玄関ロビーは吹き抜け。左右に、大き目の
部屋がありそうだ。
手筈どおり、向かって左側の部屋からいく。
まずは、人間族のベルンハード・ハネル、
おれから飛び込む。
いた。剣と盾を持つスケルトン兵士。
ジャイアント族のアントン・カントール、
そしてドワーフ族のスヴェン・スペイデル
も続く。
大型の盾で身を守りつつ、それぞれの武器で
戦闘を開始する。最後に入ってきたエルフ
族のシャマーラ・トルベツコイは、
入ってくるなり詠唱に入る。
部屋の外には、アンデット族のイスハーク・
サレハと、人間族のセイジェン・ガンホンが
周囲を警戒する。
イスハークは、長銃を背中に担ぎ、両腰に
2丁の短銃を下げている。狭い場所に
適した武器だ。持ってきたデバイスで、
地上階の解析を始める。
セイジェンも、今回は槍を持っていない。
身長に対して少し短めの打刀だ。まだ抜いて
いない。
「ゼウス神よ、われの声に目覚めよ、稲妻!」
一瞬反応が遅れたアントンの頭上を、
稲光が通り過ぎていく。そして、スケルトン
兵士二体を破壊した。
すでに3人で四体を破壊していたため、この
部屋に障害となりそうなものはなくなった。
玄関入って右手の部屋を確認する。
解析によって三体の存在が確認できている。
同様に4人で突入する。
今回は攻撃を仕掛けずに、シャマーラの
詠唱を待つ。眠りから覚めようとしている
のは、3人のリザードマンだ。
「モルペウスよ、汝の夢を見たき者の元へ」
起きざまに周囲を確認しようとしている
リザードマン3名の方へ、小さな呪文トークン
が飛来し、顔の周囲に力場を作り、中へ
催眠ガスを流す。
もう一度眠りに入る3名。持ってきた拘束
ベルトで完全に固定する。
そして玄関広間に戻り。二階をめざす。
一通り二階部分も解析する。上がった左手に、
書斎らしき部屋。そして、右手が書庫。中央
にも通路があり、奥まったところにもうひとつ
扉がある。
全員で二階にあがり、まず書斎の方を確認
する。扉を開けて入ると、まず豪華な机、
そして本棚、豪華な革製の椅子。
入口扉の左右に絵画、この洋館を描いたもの
と、この洋館の所有者らしき人物像。
着ているのは、ずいぶん古めかしい衣装だ。
本棚には、不動産関係の本、税務の本、会計
に関する本、法律全般の本、そして、麻雀
入門の本が十数冊。
その一冊を手に取り、革椅子に座り、本を
開く。入ってきたシャマーラの咳払いに、
立ち上がり、本を戻す。
特にこれといったものもないので、隣の
書庫を確認する。入ると、部屋の周囲に
本棚が並んでいる。
ここも、特に変わったところはなさそうだ。
適当に本を取って眺めようとするが、
この本、タイトルがない。本は、紙の
ページがない。イミテーションだ。
これはいったい、何を意味するのか。
通路の奥の部屋を目ざす。部屋の前に、
石像があるのに気付いた。悪魔の姿を
した石像、これは、ガーゴイルだ。
我々の接近に目覚めて動きだす。同時に、
背後が騒がしくなった。何人かの、
階段を登ってくる足音が聞こえる。
ガーゴイル二体をアントンとスヴェンに任せ、
おれは背後にまわり、セイジェンとイス
ハークを守る位置取りをする。
3人の歩兵らしき男性、そして、もう一人
は、さきほどの絵画の男性だ。
魔法デバイスらしきものを掲げ、詠唱を
開始しようとする瞬間だった。
シャマーラが、カウンターの呪文を即座に
使用する。音を遮る呪文だ。
カウンター呪文の発動をその所有者の
男性は感じ取れたようであるが、慌てた
ため、呪文の詠唱を継続してしまう。
マジックミサイルが、中央にいた歩兵の
背中に命中した。詠唱が聞こえなかったのだ。
そのままおれの前に倒れる。
次の瞬間、タン! と音がして、おれから
向かって左側の兵士が腕を抑える。
イスハークの早撃ちだろう。
それを見て一瞬ひるんだ右側の兵士の、武器
を持つ腕が飛んだ。セイジェンが踏み込んだ
のだ。
それを見て、所有者らしき男が降参の態度
を見せる。背後では、ガーゴイルが再び
石像に戻っていた。
兵士三名と所有者の男性、そしてガーゴイル
二体の治療と拘束を済ませ、最後の部屋の
扉の前に立つ。
事前の調査で、人質が一名この館にいることが
わかっている。扉をノックする。
「開いています」
との返事が返ってきたので、失礼します、
と言って扉を開ける。
中は広く、素人が見てもわかるような豪華な
家具。バスルームから小型のキッチンまで
揃えてある。
天蓋の付いたベッドに座る、白い王族風の
衣装を着た女性。その前に跪き、
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申します、と一礼。
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