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親友編
プロローグ
――その神様は、弱っていた。
神様が消滅しかけていたところへ、たまたま一人の農民が通りがかった。
農民は持っていた握り飯をお供えし、手を合わせて拝んだ。
そのささやかな信仰のおかげで、神様はなんとか現世にその存在を留めることができた。
朽ちかけた祠を見かねた農民が他の村人にも声をかけると、やがて皆で祠の手入れをするようになった。
そのおかげか、お供え物は日に日に増え、人々はよく祠の前で手を合わせるようになった。
みるみるうちに力を取り戻した神様は、ある晩、最初にお供えをした農民の枕元に降り立つ。
そして、礼を述べた。
『お前のおかげで私は消えずに済んだ。そのお礼に、お前に幸運を授けよう。この鈴を持っていれば、おのずとお前は良縁に恵まれるだろう。ただし、お前が死ぬとき、鈴も一緒に壊しておくれ。幸運の加護は消えるが、お前が築いた財は消えることはない。子孫たちは自らの力で繁栄していくから心配はいらない。お前が死ぬときに、我が魂も解放してくれ――』
農民は深く頭を下げ、神様に感謝した。
以来、彼は神様にいただいた鈴を片時も手放さず大事にし続けた。
すると様々な良縁に恵まれ、いつしか名の知れた大商人にまでなっていた。
ところが死の間際、彼の胸にひとつの欲がよぎる。
――この鈴を我が一族が代々受け継いでいけば、きっと繁栄し続けるに違いない。
彼は神様との約束を破った。
鈴を壊さぬまま、子孫代々に受け継がせたのである。
神様の魂は閉じ込められたまま、解放されることはなかった。
以後、何百年もの間、神様の魂は解放されず、とある一族に搾取され続けることとなる――。
神様が消滅しかけていたところへ、たまたま一人の農民が通りがかった。
農民は持っていた握り飯をお供えし、手を合わせて拝んだ。
そのささやかな信仰のおかげで、神様はなんとか現世にその存在を留めることができた。
朽ちかけた祠を見かねた農民が他の村人にも声をかけると、やがて皆で祠の手入れをするようになった。
そのおかげか、お供え物は日に日に増え、人々はよく祠の前で手を合わせるようになった。
みるみるうちに力を取り戻した神様は、ある晩、最初にお供えをした農民の枕元に降り立つ。
そして、礼を述べた。
『お前のおかげで私は消えずに済んだ。そのお礼に、お前に幸運を授けよう。この鈴を持っていれば、おのずとお前は良縁に恵まれるだろう。ただし、お前が死ぬとき、鈴も一緒に壊しておくれ。幸運の加護は消えるが、お前が築いた財は消えることはない。子孫たちは自らの力で繁栄していくから心配はいらない。お前が死ぬときに、我が魂も解放してくれ――』
農民は深く頭を下げ、神様に感謝した。
以来、彼は神様にいただいた鈴を片時も手放さず大事にし続けた。
すると様々な良縁に恵まれ、いつしか名の知れた大商人にまでなっていた。
ところが死の間際、彼の胸にひとつの欲がよぎる。
――この鈴を我が一族が代々受け継いでいけば、きっと繁栄し続けるに違いない。
彼は神様との約束を破った。
鈴を壊さぬまま、子孫代々に受け継がせたのである。
神様の魂は閉じ込められたまま、解放されることはなかった。
以後、何百年もの間、神様の魂は解放されず、とある一族に搾取され続けることとなる――。
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