Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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斧は人気。

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「まぁ、他のダンジョンアタッカーに比べたら優子はマシだろう。覚醒者はインベントリを自由に使えるんだから、持ち運びが楽だ。普通は持ち歩くのに厳重なケースにいれて鍵を掛けないとダメなんだからな」

 そう言う法律らしい。銃の取り扱いと似たような感じだってさ。

 DMアカウント所有者は誰もがインベントリを使えるけど、その機能を全て使いこなせるのは覚醒者だけだしね。

 覚醒したスキルを使ってインベントリ内部のアイテムを出し入れ出来るのは覚醒者だけで、非覚醒者は端末からDMにアクセスしてインベントリを操作、アイ・・テム・・の吐・・き出・・のみ行えて、何かをインベントリにしまうことが出来ないそうだ。

「うぅ、早く、早く斧ちゃんに代わる新しい斧ちゃんを……」

「斧ちゃんっ!?」

 斧ちゃん。今までありがとうね斧ちゃん。

 八回層で拾ったから、期間としては一ヶ月しか一緒に居なかったけど、それでも斧ちゃんと過ごした一ヶ月は私の大事な宝物だよ。

「か、母さん! ちょっと何でも良いから斧を買ってきてくれ! 優子が壊れる!」

「あらダメよ。優ちゃんの命を守ってくれてた斧ちゃんの代わりを探すのよ? 優ちゃんが自分で探さないと満足出来ないに決まってるわ」

 お母さんの言う通りである。

 斧ちゃんに代わる新しい斧ちゃんが、何でも良いわけない。

 幸い、何故か・・・ダンジョンアタッカー向けの武器には斧が豊富にラインナップされてるので、気に入る斧ちゃんが見つからない可能性は低そうだ。

 今更だけど、あの斧ちゃんって大戦斧ってカテゴリーなんだね。私は覚えたよ。

「おねーちゃん、だいじょーぶ?」

「うん、大丈夫だよ。おねーちゃんは我慢出来ます。……お金はあるし、どうせだから特注のすんごい奴買おう」

 しっかし、本当に斧が豊富だね。こういうのって剣とか槍の方が人気出そうだけど、アイズギアで見る武器のラインナップは五割増で斧の方が多い。

「本当に多いなぁ……」

「そりゃ、優子が原因だぞ?」

「…………へ?」

 なんで?

「世界一有名な最年少ダンジョンアタッカーが使った武器だぞ? 人気出るに決まってるだろ」

 …………おぉう、そうなのか。つまり私か。

「実際、素人が剣を使うくらいなら斧の方が使い易いって声もあるし、覚醒してないダンジョンアタッカーはレベルアップした身体能力だけで戦う訳だから、重量を威力に変えられる斧は今、かなり実績があるんだ」

「今どきニュースを見れば、半分はダンジョンの事だものね。お母さん達も詳しくなるのよ」

「ほへぇ。そっか、斧って強いんだ」

「まぁ、それでも剣の方がカッコイイって層も一定数いるみたいだがな。使いこなせれば剣も強いし」

 むしろ、ダンジョンを進めば大型のモンスターも増えていく。人を相手に戦う前提の剣よりも、大きくて重い武器をレベルアップした身体能力でブン回すほうが有効そうだ。

 多分それがお父さんの言う実績なんだろうね。

 日本人なんてアニメや漫画が大好きで、迷宮事変からこっち、ダンジョン事情にはすぐ適応出来たんだろうけどさ。それでも平和な国で暮らしていた日本人がそんなに簡単に戦いに適応出来るとは思えない。

 だったらせめて、効率的で効果的な武器を使うのは当然のことなのかもしれない。

 私の場合はもう、あの時は心を殺して機械化してたもんね。そこまで自分をすり減らして、なおかつレベルアップなんて子供の非力さを補える要素があったから生き残れたんだ。

 帰還システムが使えて安心感のあるダンジョンアタックを繰り返す人達が、あの境地に至ってダンジョン攻略を成し遂げられるかは、正直ちょっと疑問だ。

 私だってナイトが支えてくれなかったら、初めて遭遇した擬態系モンスターにさっくり殺されていた。あの動画ではそうなってた。

 そう考えると、私が銅級ダンジョンを攻略出来たのは奇跡だったんだなって思う。

「…………改めてさ、ありがとうね。ナーくん」

「わんっ」

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