Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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お金かい?

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 一人、私と言う素人が参加しつつも走ってしまったバラエティ番組。べしゃりステージ。

 出演者は司会を除いて二十人と結構多く、ステージは司会が真ん中で立って進行し、両脇に五列二段の席が設けられた番組専用のセットがある。

 私はカメラから見て右側のセット、その二段目の右端に座って隣の人に挨拶した。

 たしかこの人、いま司会やってる人の相方だっけ?

 このコンビがブレイクしたのが半年前らしいので、ちょうど私は昏睡しててこの人達の芸を何も知らないのだ。

 うん、その手の話しを振られたら、正直に知らないって言おう。

 その方がギャグ感あって盛り上がりそうだし。て言うか目覚めたばかりで本当に知らないのだから、失礼はある程度許されるでしょ。

「はいでは今日のべしゃりステージ、いやもうマジでとんでもないゲストに来て頂いたんでね、やっぱりそっちにお話しを持っていこうかと思います。あ、吉田さんと岸本さんは思いっきり脇役になりそうだけどごめんなさいね! 僕も悪気はないのぉっ! 悪いのは局の上の人達なのぉっ!」

「いやもう、コレは仕方ないだろ。俺もやっぱり気になるしな」

「そうですね、ギャラは出ますから気にしないでください」

 バラエティ番組らしいコミカルな進行で司会が進めるべしゃりステージ。何がすごいってこの番組、十割がアドリブで構成されてるらしい。

 リハーサルもやらないで、時間通りにキャストが集まっては適当なお題をみんなで決めながら、ギリギリの会話をするって内容の番組だ。

 途中でちょいちょいバラエティらしい小道具を使った企画なんかも挟まるが、それさえもアドリブ。司会が「たしかこんな小道具あったよねー?」みたいな感じで思い付きの企画ゲームを番組にぶち込むそうだ。

 しかし今回、たった一つだけアドリブで進まないトークがある。

「はい、じゃぁまずはフラムさんにべしゃって貰いましょう! と言うか珍しく上から司令が来てましてねっ! フラムさんに喋らせろって言われてるんですよねっ! おかみにはさからえませんよ! あー世知辛い!」

「はい、喋れって言われましたー」

 ぶっちゃけた話しで会場が湧き、私はゴシックドレスに付けられたマイクを意識しながら喋るっていう、慣れない事をしながら愛想を振りまく。

 番組が終わった時点で私の好感度がプラスなら私の勝ちだ。世論を味方に付けてマスコミを遠ざける。

「では、何から喋りましょう?」

「ですよねぇ! いきなり『さぁ喋れ』って言われて、喋れるかっての! 上も無茶をいいなさるんだからもう!」

「ふふっ、じゃぁ何か、お題をくださいなっ」

「かしこまりましたぁ!」

 司会さんのテンションがずっとストップ高なんだけど、この人はこういう芸風なんだろうか。

 あと、ステージの中央を挟んで真反対の同じポジションに居るマナちゃんが未だにめっちゃ見てくるんだけど、どうしたんだろう? 視線が強すぎてちょっと怖いぞ? 大丈夫? ビームとか出ない?

「ではでは、皆さん興味津々なはずなので、手堅く質問タイムと行きましょう! 端から順に行きますかね? ではまず、僕から!」

「お前かいッ! 自分で端からって言っただろうがっ! お前ど真ん中っ!」

 司会さんがビシィッと手を挙げて、私の隣に居る相方さんが突っ込んだ。おぉ、これが生で見る芸人のボケと突っ込みか……。あ、圧がすごい。

「司会なんて端みたいなもんだろ!?」

「いやステージの真ん中に立ってんのに何言ってんだ! 良いからさっさと進行しろやっ! 端からって言ったら、いつもだと愛菜ちゃんの席からだろ」

「はいはーい! 私質問したいですっ!」

「くぅ、愛菜ちゃんにそう言われちゃぁ断れないっ! じゃぁ間を取って吉田さんどうぞっ」

「おい!」

「ひどーい!」

 なんか、凄いなテレビ番組って。平気な顔してここに居るけど、結構な圧がある。

 司会が一通りボケ倒したところで、結局マナちゃんに質問権が戻って番組が進行する。

「はい! フラムさんはこれから、ドラマとかに出ませんかっ!? 子役になりませんかっ!? なりますよねっ!?」

「えっ? いや、えーと、どうなんでしょう……? 局のお偉いさんにはいくつか番組の出演をお願いされてますけど、ドラマとかは予定に無いですね。私も今のところその気は無いです」

「えぇー、無いですかっ? そんな、一緒にドラマ出たかったです……」

 予想以上にマナちゃんがしょんぼりしてしまって、慌てる私。

 なんか、天才子役の座は渡さねぇぞって感じで睨まれてるのかと思ったけど、今は本気でしょんぼりしてるように見える。

 これこそが天才子役の演技だと言うなら、私はマナちゃんの嘘を見破るなんて無理だと思う。

「えと、あの、機会があれば是非」

「ほんとですかっ!?」

 社交辞令リップサービスで質問を締めくくろうとしたら、マナちゃんがしゃっきりして復活した。……これは、本気なの? 演技なの? もう私には何も分からない……!

 マナちゃんの次はお隣の男性。たしか毒舌が売りで、この番組でも特にギリギリのトークをする人だったはず。

「はいはい、初めまして正田と言います」

「はい初めまして、蒼乃フラムです」

 ニタァッて笑う悪い笑顔が特徴の正田さんは、これでも毒舌を除けば割りと良い人らしい。でも毒舌トークに手心は加えない芸風。

「いやね、迷宮事変から三ヶ月も頑張って、その後九ヶ月も昏睡して、目覚めて一発目にテレビ出演した理由なんかをね、是非知りたいなと」

 そうして、正田さんはニタっと笑ってもう一言付け足した。

「…………やっぱり、お金かい?」

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