Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

文字の大きさ
85 / 153

お食事会と顔合わせ。

しおりを挟む


「…………え、このクソガキ達が私の共演者?」

「あッ!? 誰がクソガキだ!?」

「お前らだよクソガキ」

 お父さんに日頃の感謝と溢れる愛情を伝えてから見送って、自分達もお食事会へと出掛けた私達。

 案内の通りに辿り着いた場所は、もう見るからに高級そうなお店で…………、

 そしてソコでクソガキを紹介される。

「大正さん、チェンジで」

「ごめんねフラムちゃん。ジョニーズってホストクラブじゃ無いんだよ」

「似たようなもんでしょッ!?」

「こらこら、なんて事を言うんだ」

 塀があって、庭があって、その中にある高そうな洋館を丸々店舗としてる会員制のレストランの二階。

 そのフロアを丸っと貸し切って開かれてるジョニーズ事務所主催のお食事会。

 まず会場に入ると、私を誘った本人である大正さんと、ジョニーズ事務所の社長である月島つきしまジェリー京子きょうこさんが対応してくれた。

 この時初めて知ったんだけど、ジョニーズの社長ってトゥンクさんで、最近ターキー&フェザーのターキーこと滝川さんに変わったんだと思ってたんだけど、これ交代してるのって副社長の座だったんだね。

 代表取締役社長はずっと変わらずこの人、月島さんだったらしい。

 月島さんはジョニーズ事務所以外にも何個も会社を持ってる資本家で、要するにめっちゃ偉い人だ。

 その後、私って言う起爆剤を使ってジョニーズをもっと盛り立てる気満々の月島さんが私を接待しつつ、今回私が出演する番組「ダン×ダン ファイヤー!」の共演者と顔合わせとなった。

 ああ、お母さんと真緒の紹介と挨拶も勿論してる。自己紹介は本名では無くダンジョンネームで。つまり藤乃プティルと白乃ニクスだ。

 挨拶のあと、月島さんが真緒を見て「…………行けるわね」って言ってたのは印象的だったな。どこに行く気だろうか。

 さて、そう、共演者の紹介をされた訳だ。

 ジョニーズジュニア所属、新進気鋭の三人組アイドルユニット『Tryトライ Popポップ』。

 欠片も礼儀を知らない勝気な俺様系クソガキ、滝谷 蓮たきや れん

 他人に興味無さ過ぎてほぼオール無視が基本のクソガキ、寿屋 丸戸ことぶきや まると

 自分に自信が無さ過ぎて逆に失礼な態度になってるクソガキ、天野 光あまの ひかる

 コイツらと私の初対面はこんな感じだった。

「初めまして、蒼乃フラムです」

「はんっ、お前が蒼乃か。ちょっと有名だからって調子に乗んなよゴキブリ食ったブス女」

「なんだこのクソガキ」

 これである。

 ちなみに、無気力系クソガキは私に興味が無いのでそもそも挨拶のしない。そしてネガティブ系クソガキは自分に自信が無いから変な事を言わないように挨拶をしない。

 つまり、失礼オブ失礼三人組の中で、恐ろしい事に私をゴキブリ食いのブスと言ったクソガキが口を聞いてる分だけ一番マシっていう、地獄みたいな三人組だった。

「月島さん、チェンジでお願いします」

「ごめんなさいね。空いてるのその子達だけなの」

「番組止めません?」

「予定が決まっちゃってるのよねぇ~」

ohお~Jesusジーザス…………」

 つまり、私の復活で賑わってるダンジョン業界に切り込みたいけど、色々と予定が重なってて空いてるのがコレだけって事?

 うわ、ゴミ押し付けられた…………。

「はんっ、なんだよ。自信が無いのか?」

「え? いや、チェンジしないと君達が死ぬから言ってるんだけど?」

 私をバカにする様な顔と声で…………、いや顔は最初からバカ丸出しだったわ。とにかく煽ってる来るクソガキに分かりやすく教えてあげる。

「私の蒼炎は私の燃やしたいものだけ燃やしてくれるスキルだよ。…………なんで君達、自分は燃やされないと思ってるの?」

 私、こんなクソガキ守らんよ? むしろ攻撃する側だが?

「は? …………いや、は?」

「あ、分かってないんだね。頭悪っ」

「ンだとテメェッ!?」

 私が豪徳寺お偉いさんと約束したのは、複数回の番組出演だけだ。テレビに出る所までしか約束して無い。

 そう、つまり私はどん・・な振・・る舞・・いを・・する・・かま・・では・・指定・・され・・て無・・いよ・・

 そして、ダン・・ジョ・・ンは・・国公・・認の・・治外・・法権・・だ。

 あとはもう、分かるよね?

 別に直接殺さなくても、「あ、私の蒼炎じゃあの子たちまで焼いてしまう♡ これじゃぁ助けられないわんっ♪︎」て見捨てれば殺せる。それだけで良い。

「分からない? 君達、私に命握られてるんだよ? その自覚があってその態度なの?」

 私、普通に殺るよ? なんなら今殺ろうか? こんな秘匿性が高そうな会員制のレストランの中なら、一人くらい殺したって余裕で笹木さんが揉み消してくれるでしょ。

「ねぇ、死んでみる?」

 まぁ、本当に殺すつもりまでは無いけど、それはそれとしてムカついたら怒るくらいはする。

 私は蒼炎をチリチリと吹き出しながら、ハッキリとクソガキを威圧した。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

勘当された少年と不思議な少女

レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。 理由は外れスキルを持ってるから… 眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。 そんな2人が出会って…

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

処理中です...