Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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ドレス。

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 一つ、私が銅竜素材を笹木さんに、政府にぶん投げた事によって起きた変化がある。

 いや正確には銅竜素材の問題で起きた変化なんて一つに収まらないんだけど、その辺は丸っとその辺に置いてから蹴飛ばして彼方かなたへサヨナラばいばい。

 そして私に直接関係してる「一つ」に戻って、私は今それを受け・・取り・・に来てる。

 場所は新宿のとあるビル。そこにお母さんと真緒を連れて来た私は、まず一本の武器を貰った。

「これが私の新装備ですか」

 銅竜素材を効果的に、そして効率的に使い、尚且つ数多あまたの情報を得て正確に銅竜素材の性質をつまびらかにしたい。

 そんな思惑によって、私が新装備の開発を依頼してた企業達は国の名のもとに招集され、国主導の国家プロジェクトになってしまった。

 じゃないと、私が提供する限りある素材を別の企業が別々に調査するなんて、ただ素材を浪費する無駄の極みだと政府が立ち上がったのだ。

「BBC-GD。ブルー・ブラック・カーボン-ゴシック・ドラゴンって名前だね」

「名前なっが。でもカッコイイ……」

 ああ名前の事じゃない。いま受け取った武器デザインが好みなのだ。

 華美じゃないシンプルな装飾が施された真っ黒い大戦斧は、刃が青く染まってた。

 模様としても青いラインが所々に走っててお洒落な、曲線と直線を綺麗に纏めあげた秀逸なデザインだ。

 大戦斧のデザインとしては、シャフトにピック付きのヘッドがついてる形になってる。つまり片刃で、左右対称なデザインでは無い。

 よく見るとシャフトもヘッドも、カーボンシートのような模様が浮いてて、見れば見るほどオシャレでカッコイイ。ちゃんと銅竜素材も注ぎ込まれてて、武器としての強さだって折り紙付きだ。

「そして、防具だね。これはBBC-GL……、ブルー・ブラック・カーボン-ゴシック・ロリータだ」

「ふりっふりですやん」

「わぁ、かぁいいっ」

 次に受け取ったのは、黒地に青いアクセントが入ったゴシックロリータのワンピースだ。九割方黒いドレスに、青いフリルや刺繍が全体の印象を引き締めて麗しく見える秀逸で可愛いワンピース。

 どうやら、私がべしゃりステージに出演した時の衣装からインスピレーションを受けたそうで、この見た目に反して防御力は特級の逸品らしい。

 この服着てたら対物ライフル食らっても耐えられるスペックらしいよ。

「そして妹様、お母様にも…………」

「えっ!? わ、私にも……?」

「まおも!? まおもふりふりきていいのっ!?」

 お母さんに用意されていたのは、青と白の中にパステルパープルが踊る、可愛らしいクラシカルロリータ衣装で、真緒には白ベースにパステルピンクの甘ロリワンピースだった。

「めちゃくちゃ可愛い…………! ああお母さんも真緒も可愛いいいいい!!!」

「お、お母さんっ、この歳でこんなにふりふりしたのはちょっと……」

「お母さんッッ! 世の中見た目が全てなんだよッッ!」

「なんて事を言うのこの子はっ」

 お母さんはですね、私のお母さんはですね、元々見た目が若々しいのに、レベルアップを経て更に若々しくなって…………、ぶっちゃけ今は高校生くらいにしか見えない幼妻となっております。

 そう、お母さんが重めのレベリングをした事で発覚したんだけど、レベルアップにはアンチエイジング効果もあるらしい。

 この、若返りって言うしか無い効果を「アンチエイジング」って言って良いのかは議論の余地があるけども。

 要するに、高校生くらいにしか見えないお母さんがふりふりワンピース着たって誰も気にしない。と言うか着るべきだと声を大にして言いたい。

「マーちゃんもかわいいよっ」

「おねーちゃんのほうがかわいいもんっ!」

 一応、いざ使う時に不備があると問題なので、皆で一度装備に袖を通す。

 広くてふりっふりの真緒が可愛くて可愛くて……、お姉ちゃんは頭がクラクラします。ああ可愛い。

「他にも様々な装備が有りますので」

 スタッフの人に説明されて、一つ一つ装備を受け取って行く。

 お母さんと真緒の武器もあったし、全員分の新型アイズギアと小型ヘッドセットもあった。

「お母さんはそれ、方天戟ほうてんげき?」

「あら、そう言う名前なの? お母さんには、ただ槍って事しか分からないわ」

「ブロードソードも有るんだね」

 お母さんの武器は方天戟ほうてんげきって言う槍の仲間だった。それと銅竜素材を使ったブロードソード。

 分類で言うとハルバードの親戚みたいな武器で、槍の側面に刃が付いてる物だ。ポールウェポンって奴だね。

 物によって色々と形が違うけど、お母さんのは三叉槍トライデントの様な……、実際に三叉槍トライデントとしても使えるだろうデザインだ。

「真緒のは、私と同じ武器の色違い?」

「おねーちゃんとおそろい! まおうれしいっ!」

 わはぁっとはしゃぐ真緒をひしっと抱き締める。私の妹可愛いんじゃぁ~

 真央の武器は私の大戦斧を白くして、青いラインはパステルピンクに変わった同型だった。

 武器選びの時は除外したけど、レベル4の今なら使えるだろうし、問題無いだろう。と言うかおそろいだーって喜ぶ真緒可愛いし、私もお揃いは嬉しい。

 その後、スタッフの人が今回の武器は素材の特性をどうとか、どうやって加工してどんな反応を起こして作ったとか、まぁ色々教えてくれるんだけど全然分からない。

 えーと、なに? 銅竜の鱗を触媒に酸化反応を……? 塩基? 還元? 炭素材を添加? 分からん分からん。

 簡単に言うと、銅竜の鱗を他の素材と色々やったら超強力な炭素繊維になって、それを色々と加工して服にしましたよってのが私達の着てるドレスらしい。

 それで、炭素繊維の他にも色々と銅竜の鱗を合金化したりして、骨や髄液も使ってなんやかんやしたのが武器シリーズだそうです。

 うん、全然分からない。

 要は頑張って強い武器と防具を作ったって事だよね? それで良いじゃん。

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