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第87話 ついでに別依頼
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3日目より後は、特に言うべきイベントもなく予定通り5日目の昼過ぎに最初の村フレイに到着できた。
「では、明日の朝出発しますので、それまでは自由にしていただいて構いません。
ただ、その……。アサミ様にお願いがあるのですが」
「あたしにマルタさんから、お願いですか?」
「ええ。この5日間、アサミ様にサンドイッチを提供していただいていますが、町や村に泊まった時を除いてグライナーに到着するまでの間、正式に提供をお願いできませんでしょうか?もちろん、材料はこちら持ちで、それとは別に報酬をお支払いします」
どうしようかしら。パンだけなら多分どうにかなると思うんだけど。たしか事前の打ち合わせだと村と村の間の移動は4日から6日だって聞いてる。そうすると、生鮮食品はあたしのクリーンがあるとは言っても移動初日以外はさすがに使いにくい。毎回干し肉のサンドイッチっていうのは仕事として請けるには抵抗があるわね。
「うーん、提供すること自体はいいんですが、使える食材って何があります?お仕事として請けるとなれば今までみたいなパンに干し肉を挟んだだけのサンドイッチばかりというのは抵抗があるんで、使わせてもらえる食材と調理道具をみせてもらえると嬉しいんですが。あ、提供するのは全員分ということでいいんですよね」
見せてもらったものは結構色々あって、鍋釜と簡単な調理用の刃物、日持ちのする食材がいくらか。特に大きめの鍋釜は大人数に提供するなら助かるわね。足の短い食材も高価なものでなければ村で少しくらいなら仕入れてくれるということなので少しは変化も付けられそうね。
「わかりました。途中の村や町に宿泊するとき以外でグライナーに到着するまでの食事を作ることお請けいたします。瑶さん、マルティナさん、いいわよね」
「朝未が良いのなら構わないよ。それに私が手伝えることがあれば言ってくれれば手伝うよ」
「わたしも、アサミ様のご意思に従います」
「助かります。正直アサミ様の作ってくださる食事は非常に美味しいので単調な移動時のモチベーションにとても良い影響をいただいています。正直言いますとずっと一緒に来ていただきたいくらいです」
「あはは、美味しいと言っていただけて嬉しいです。ただ、あたし達にも色々事情がありますので同行は護衛時のみにさせてください」
「そうなのですね。ハンターの事情に口を出すのはタブーだというのは分かっているので詮索はしませんが、機会があった時にはまたお願いします」
「はい、ありがとうございます」
あたし達は、とりあえず、宿の部屋を確認すると、村の散策に出た。
「お米ほしいなあ」
「そうですね。でもまだこちらでは見たことないです。お野菜も穀物も向こうのものと似たようなものがありますから、お米もある可能性はあるとおもうのですけど、このベルカツベ王国では麦が主食みたいですから、ひょっとすると発見されていないか、気候の関係でこの近くでは栽培されていないのかもしれませんね」
こちらの世界に来て半年余り、エルリックは王都では無かったけれど辺境伯領の領都だったのだからこの世界の中ではきっと豊かな街だったと思うのだけど、お米は1度も見かけなかったのよね。最近、瑶さんは食料を買いに行くたびにお米がないか気にしていたものね。余程お米を食べたいんでしょうね。この世界に転移してもう半年だもの、わからないではないわね。あたしはまだそこまでではないけれど、やっぱりあれば嬉しいかな。
「食料を扱っている店は、ここだけみたいだね」
「品揃えは、あまり良いとは言えないわね?塩は少しはあるみたいだけど砂糖はおろか香辛料もない感じかしら。でもハーブは少しはあるみたいね。でも、この程度のハーブなら移動中に採取できそうね」
「アサミ様、ヨウ様。この規模の村なら、この程度が当たり前です。値段の張る香辛料など仕入れても売れる前にダメになってしまいますから」
「それでも、ちょっと気になる食材はあるわね。あの根菜とか、あのあたりのキノコとか……。拠点を構えていれば買いたいところだけど、持ち運びや鮮度のことを考えるとちょっと沢山は買えないかなあ」
結局見た目カブのような根菜と干しキノコを少し、それとイノシシ(たぶん)の肉を少しずつ買って帰った。ハーブも買おうか迷ったけど、野営地で大体採取できるのを思い出したので初日の昼ご飯用に少しだけにしたし塩はマルタさんの手持ちを使わせてもらえるから買わなかったのよね。肉はこの世界で一般的に使われている多少の防腐効果のあるらしい葉っぱにくるまれているのであとでクリーンを掛けてしまっておけば1日2日は大丈夫ね。買ったといってもマルタさんから預かったプレートを見せるだけでマルタさん支払いなので買ったって感じしないのだけど。あとは乳製品とかもあったら嬉しかったんだけど、このくらいの村だと難しいのかしらね。エルリックには少しは売っていたんだけど。感じとしては酪農はまだ始まったばかりなんでしょうね。それとも地域限定的な産業なのかしら。
「今日の夕食と明日の朝食は、宿の食事ですよね?」
「そうなるだろうね」
まだしばらく天気は良さそうだし、朝にパン生地の仕込みだけして、あとはその時々で準備すればいいわね。なんか楽しくなってきちゃったな。
「では、明日の朝出発しますので、それまでは自由にしていただいて構いません。
ただ、その……。アサミ様にお願いがあるのですが」
「あたしにマルタさんから、お願いですか?」
「ええ。この5日間、アサミ様にサンドイッチを提供していただいていますが、町や村に泊まった時を除いてグライナーに到着するまでの間、正式に提供をお願いできませんでしょうか?もちろん、材料はこちら持ちで、それとは別に報酬をお支払いします」
どうしようかしら。パンだけなら多分どうにかなると思うんだけど。たしか事前の打ち合わせだと村と村の間の移動は4日から6日だって聞いてる。そうすると、生鮮食品はあたしのクリーンがあるとは言っても移動初日以外はさすがに使いにくい。毎回干し肉のサンドイッチっていうのは仕事として請けるには抵抗があるわね。
「うーん、提供すること自体はいいんですが、使える食材って何があります?お仕事として請けるとなれば今までみたいなパンに干し肉を挟んだだけのサンドイッチばかりというのは抵抗があるんで、使わせてもらえる食材と調理道具をみせてもらえると嬉しいんですが。あ、提供するのは全員分ということでいいんですよね」
見せてもらったものは結構色々あって、鍋釜と簡単な調理用の刃物、日持ちのする食材がいくらか。特に大きめの鍋釜は大人数に提供するなら助かるわね。足の短い食材も高価なものでなければ村で少しくらいなら仕入れてくれるということなので少しは変化も付けられそうね。
「わかりました。途中の村や町に宿泊するとき以外でグライナーに到着するまでの食事を作ることお請けいたします。瑶さん、マルティナさん、いいわよね」
「朝未が良いのなら構わないよ。それに私が手伝えることがあれば言ってくれれば手伝うよ」
「わたしも、アサミ様のご意思に従います」
「助かります。正直アサミ様の作ってくださる食事は非常に美味しいので単調な移動時のモチベーションにとても良い影響をいただいています。正直言いますとずっと一緒に来ていただきたいくらいです」
「あはは、美味しいと言っていただけて嬉しいです。ただ、あたし達にも色々事情がありますので同行は護衛時のみにさせてください」
「そうなのですね。ハンターの事情に口を出すのはタブーだというのは分かっているので詮索はしませんが、機会があった時にはまたお願いします」
「はい、ありがとうございます」
あたし達は、とりあえず、宿の部屋を確認すると、村の散策に出た。
「お米ほしいなあ」
「そうですね。でもまだこちらでは見たことないです。お野菜も穀物も向こうのものと似たようなものがありますから、お米もある可能性はあるとおもうのですけど、このベルカツベ王国では麦が主食みたいですから、ひょっとすると発見されていないか、気候の関係でこの近くでは栽培されていないのかもしれませんね」
こちらの世界に来て半年余り、エルリックは王都では無かったけれど辺境伯領の領都だったのだからこの世界の中ではきっと豊かな街だったと思うのだけど、お米は1度も見かけなかったのよね。最近、瑶さんは食料を買いに行くたびにお米がないか気にしていたものね。余程お米を食べたいんでしょうね。この世界に転移してもう半年だもの、わからないではないわね。あたしはまだそこまでではないけれど、やっぱりあれば嬉しいかな。
「食料を扱っている店は、ここだけみたいだね」
「品揃えは、あまり良いとは言えないわね?塩は少しはあるみたいだけど砂糖はおろか香辛料もない感じかしら。でもハーブは少しはあるみたいね。でも、この程度のハーブなら移動中に採取できそうね」
「アサミ様、ヨウ様。この規模の村なら、この程度が当たり前です。値段の張る香辛料など仕入れても売れる前にダメになってしまいますから」
「それでも、ちょっと気になる食材はあるわね。あの根菜とか、あのあたりのキノコとか……。拠点を構えていれば買いたいところだけど、持ち運びや鮮度のことを考えるとちょっと沢山は買えないかなあ」
結局見た目カブのような根菜と干しキノコを少し、それとイノシシ(たぶん)の肉を少しずつ買って帰った。ハーブも買おうか迷ったけど、野営地で大体採取できるのを思い出したので初日の昼ご飯用に少しだけにしたし塩はマルタさんの手持ちを使わせてもらえるから買わなかったのよね。肉はこの世界で一般的に使われている多少の防腐効果のあるらしい葉っぱにくるまれているのであとでクリーンを掛けてしまっておけば1日2日は大丈夫ね。買ったといってもマルタさんから預かったプレートを見せるだけでマルタさん支払いなので買ったって感じしないのだけど。あとは乳製品とかもあったら嬉しかったんだけど、このくらいの村だと難しいのかしらね。エルリックには少しは売っていたんだけど。感じとしては酪農はまだ始まったばかりなんでしょうね。それとも地域限定的な産業なのかしら。
「今日の夕食と明日の朝食は、宿の食事ですよね?」
「そうなるだろうね」
まだしばらく天気は良さそうだし、朝にパン生地の仕込みだけして、あとはその時々で準備すればいいわね。なんか楽しくなってきちゃったな。
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