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召喚の影響?
第141話 対ヴァンパイア
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「言ってることは中二病で痛いけど。危険です。たぶん」
「たぶん?」
「えと、一応ハンターギルドの資料にアンデッドについての記載もあったんですね。で、ヴァンパイアは、アンデッドの頂点的な位置づけらしいんですけど、色々階級があって、爵位持ちのヴァンパイアはかなり強いってことになってたんです」
「なら強くて危険な相手だよね」
そう、そのはずなんだけど、爵位持ちとは言っても最下級の男爵ってのいうところが微妙に弱いのよね。それにあたし達ってアンデッド特攻だし今ひとつ判断しきれない。
「一応、強いと思って対応しましょう。マルティナさんはいつもより距離を取って牽制メインで、あたしと瑶さんがメインで対応します」
ヴァンパイアが空に飛びあがって、余裕を見せている間に、あたしはマルティナさんの武器防具にエンチャントを掛けなおす。馬車のホーリーはまだもつはず。下手に動いて意識が馬車に向く方がよくない。
「ふはは、飛ぶことも出来ない人間では、我に手を出すこともできまい。自らの選択を死して悔いるがいい」
そう言うと、ハンス・フォン・ゼーガースはあたし達にむけて手をつきだした。
「避けて」
あたしの叫びに瑶さんとマルティナさんが左右に跳んだ。あたしもとっさに後ろに転がり逃げ直撃は避ける。
「バグン」
ちょっとシャレにならない重い音を聞いて、それまであたし達がいた場所を見ると直径3メートル近いクレーターができてた。
「ほう、よくぞ避けた。だが、いつまで避けられるかな。空より一方的に嬲られ屍をさらす事になるきぶんはどうだ」
なんかこのヴァンパイアが調子に乗ってきたので、常に持っているマジックバッグから弓矢を取り出した。
「くくく、なるほど、矢ならば我に届くと考えたか。撃ってみるがいい、そのような下賤なものの武器が我に傷をつけることなど出来ぬと思い知るためにな」
良い感じに油断してくれているわね。さてどこを狙おうかしら。いくらあたしが矢にエンチャントをしても1矢で止めを刺すのは多分無理よね。となれば、地面に降りてもらうのが初手かしら。でも、あのいかにもって羽は、あれで飛んでいるようには思えないのよね。とは言ってもわざわざ出して飛んでいるってのも気になるところ。あれって多分魔力で何かして飛んでるわよね。魔法を使った感じは無かったから種族スキルみたいなものかもしれないけど。
そんな事を考えていると、ハンス・フォン・ゼーガースがって長いわね、もうハンスで良いわね。そのハンスが、また手を伸ばして魔力を込め始めた。迷っている暇は無いって事ね。
あたしは矢を3本持って構える。
当然矢にまとめてエンチャントをする。そして1本目。身体は狙わない。蝙蝠のような羽に向かって放つ。
「くわはは、どこに向けて撃っている。我は、ここに……ぐあああ」
嘲笑うように余裕を見せていたハンスの羽を矢が貫き通したとたん、バランスを崩して落ちかけている。
あたしは、2の矢を放つ。今度は胸を人なら心臓のある位置を狙った。残念、羽に当たった矢の痛みにのたうち不規則に動く的は狙いをわずかに外す事になった。結果右肩に矢が刺さる。そしてハンス・フォン・ゼーガース男爵と自称するヴァンパイアは地に膝をついた。
「ぐぅううう、何故だ、人が放つ矢ごときが我が完全な体に傷をつけるなどありえん」
あたしが3の矢を番えると、瑶さんが手であたしを抑えた。
「瑶さん?」
「朝未ちょっと待っててくれるか?」
「でも、その人?ヴァンパイア?って助けても間違いなく恩に着たりするタイプじゃないと思いますよ」
それ以上何も言わずに瑶さんはハンスに近寄って行く。瑶さんにはヴァンパイアの攻撃は効かないと思うけどハラハラしながら見ていると、剣を突きつけながら口をひらいた。
「それだけの知性があるのに、なぜ私達を人を襲ったんだ?」
「たかが、我を地に下ろした程度で強者気取りか。貴様らごとき下賤なものを高貴なる我らが眷属にしてやろうというのだ、感謝こそすべきだろう」
「眷属化か。殺して眷属にするのか?それとも何らかの能力で生きたままか?」
「知りたいか、ならば教えてやろう。お前の身体を使ってな」
ハンスはそう言うと、瑶さんを睨みつけた。目の色が赤く変わって、あれって魔眼みたいなものかしらね。でも、多分瑶さんやあたしには効かないと思うのよね。
「そこの女を殺せ」
「はい」
ハンスが気持ちの悪いニヤニヤ笑いをしながら瑶さんに命令をした。とたんに、瑶さんが剣を振り上げ……
振り切った瑶さんの剣が切り離したのはハンスの左腕。
「ギャー。な、なんで我に剣を向ける。切りつける相手はそっちの女だ」
「わかりました」
また瑶さんの持つ剣が閃き、今度はハンスの右腕の肘から先が切り離された。
「うぶぅ。く、ならば、そこの女、この男を殺せ」
あら、今度はあたしに向けて言ってきたわ。目が赤く光っただけで特に変な感じは無いわね。
「ホーリー」
ハンスは声を上げる事も出来ず蹲った。でも死んで無いわ。聖属性魔法にも少しは耐えることが出来るなんて、さすがは高位アンデッドだけあるわね。
「瑶さん、どうします?」
「うーん、もう少し情報を引き出したかったんだけど、ちょっと人の言葉を聞かないし、これ以上は無理かな。でも、問題は切り刻んだだけで斃せるかどうか……」
「地球の伝説では心臓を杭で打ち抜くとかしないと死なないんですよね。こちらのヴァンパイアはどうなんでしょう?一応ハンターギルドの資料によると聖属性魔法でなら斃せるらしいことは書いてありましたけど」
あたしの言葉に瑶さんが再度剣を振りかざした。
「たぶん?」
「えと、一応ハンターギルドの資料にアンデッドについての記載もあったんですね。で、ヴァンパイアは、アンデッドの頂点的な位置づけらしいんですけど、色々階級があって、爵位持ちのヴァンパイアはかなり強いってことになってたんです」
「なら強くて危険な相手だよね」
そう、そのはずなんだけど、爵位持ちとは言っても最下級の男爵ってのいうところが微妙に弱いのよね。それにあたし達ってアンデッド特攻だし今ひとつ判断しきれない。
「一応、強いと思って対応しましょう。マルティナさんはいつもより距離を取って牽制メインで、あたしと瑶さんがメインで対応します」
ヴァンパイアが空に飛びあがって、余裕を見せている間に、あたしはマルティナさんの武器防具にエンチャントを掛けなおす。馬車のホーリーはまだもつはず。下手に動いて意識が馬車に向く方がよくない。
「ふはは、飛ぶことも出来ない人間では、我に手を出すこともできまい。自らの選択を死して悔いるがいい」
そう言うと、ハンス・フォン・ゼーガースはあたし達にむけて手をつきだした。
「避けて」
あたしの叫びに瑶さんとマルティナさんが左右に跳んだ。あたしもとっさに後ろに転がり逃げ直撃は避ける。
「バグン」
ちょっとシャレにならない重い音を聞いて、それまであたし達がいた場所を見ると直径3メートル近いクレーターができてた。
「ほう、よくぞ避けた。だが、いつまで避けられるかな。空より一方的に嬲られ屍をさらす事になるきぶんはどうだ」
なんかこのヴァンパイアが調子に乗ってきたので、常に持っているマジックバッグから弓矢を取り出した。
「くくく、なるほど、矢ならば我に届くと考えたか。撃ってみるがいい、そのような下賤なものの武器が我に傷をつけることなど出来ぬと思い知るためにな」
良い感じに油断してくれているわね。さてどこを狙おうかしら。いくらあたしが矢にエンチャントをしても1矢で止めを刺すのは多分無理よね。となれば、地面に降りてもらうのが初手かしら。でも、あのいかにもって羽は、あれで飛んでいるようには思えないのよね。とは言ってもわざわざ出して飛んでいるってのも気になるところ。あれって多分魔力で何かして飛んでるわよね。魔法を使った感じは無かったから種族スキルみたいなものかもしれないけど。
そんな事を考えていると、ハンス・フォン・ゼーガースがって長いわね、もうハンスで良いわね。そのハンスが、また手を伸ばして魔力を込め始めた。迷っている暇は無いって事ね。
あたしは矢を3本持って構える。
当然矢にまとめてエンチャントをする。そして1本目。身体は狙わない。蝙蝠のような羽に向かって放つ。
「くわはは、どこに向けて撃っている。我は、ここに……ぐあああ」
嘲笑うように余裕を見せていたハンスの羽を矢が貫き通したとたん、バランスを崩して落ちかけている。
あたしは、2の矢を放つ。今度は胸を人なら心臓のある位置を狙った。残念、羽に当たった矢の痛みにのたうち不規則に動く的は狙いをわずかに外す事になった。結果右肩に矢が刺さる。そしてハンス・フォン・ゼーガース男爵と自称するヴァンパイアは地に膝をついた。
「ぐぅううう、何故だ、人が放つ矢ごときが我が完全な体に傷をつけるなどありえん」
あたしが3の矢を番えると、瑶さんが手であたしを抑えた。
「瑶さん?」
「朝未ちょっと待っててくれるか?」
「でも、その人?ヴァンパイア?って助けても間違いなく恩に着たりするタイプじゃないと思いますよ」
それ以上何も言わずに瑶さんはハンスに近寄って行く。瑶さんにはヴァンパイアの攻撃は効かないと思うけどハラハラしながら見ていると、剣を突きつけながら口をひらいた。
「それだけの知性があるのに、なぜ私達を人を襲ったんだ?」
「たかが、我を地に下ろした程度で強者気取りか。貴様らごとき下賤なものを高貴なる我らが眷属にしてやろうというのだ、感謝こそすべきだろう」
「眷属化か。殺して眷属にするのか?それとも何らかの能力で生きたままか?」
「知りたいか、ならば教えてやろう。お前の身体を使ってな」
ハンスはそう言うと、瑶さんを睨みつけた。目の色が赤く変わって、あれって魔眼みたいなものかしらね。でも、多分瑶さんやあたしには効かないと思うのよね。
「そこの女を殺せ」
「はい」
ハンスが気持ちの悪いニヤニヤ笑いをしながら瑶さんに命令をした。とたんに、瑶さんが剣を振り上げ……
振り切った瑶さんの剣が切り離したのはハンスの左腕。
「ギャー。な、なんで我に剣を向ける。切りつける相手はそっちの女だ」
「わかりました」
また瑶さんの持つ剣が閃き、今度はハンスの右腕の肘から先が切り離された。
「うぶぅ。く、ならば、そこの女、この男を殺せ」
あら、今度はあたしに向けて言ってきたわ。目が赤く光っただけで特に変な感じは無いわね。
「ホーリー」
ハンスは声を上げる事も出来ず蹲った。でも死んで無いわ。聖属性魔法にも少しは耐えることが出来るなんて、さすがは高位アンデッドだけあるわね。
「瑶さん、どうします?」
「うーん、もう少し情報を引き出したかったんだけど、ちょっと人の言葉を聞かないし、これ以上は無理かな。でも、問題は切り刻んだだけで斃せるかどうか……」
「地球の伝説では心臓を杭で打ち抜くとかしないと死なないんですよね。こちらのヴァンパイアはどうなんでしょう?一応ハンターギルドの資料によると聖属性魔法でなら斃せるらしいことは書いてありましたけど」
あたしの言葉に瑶さんが再度剣を振りかざした。
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