JC聖女とおっさん勇者(?)

景空

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召喚の影響?

第148話 情報整理

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ショッピング、いえ情報収集を終えて、近くで待っているはずの瑶さんを探す。
あ、ベンチにすわって、あれは串焼きね、を食べている。

「瑶さん。お待たせしました」
「うん、思ったより早か……」

返事をしながらこちらを見た瑶さんの言葉が途切れたわね。くふふ、今まで布で巻いてむしろ潰すようにしていたあたしとマルティナの胸がバーンで驚いたようね。視線がね、うろうろしてて動揺しているのがまるわかりなんだもの。

「瑶さん、どうかしました?」
「い、いや、その様子だと気に入ったものを買えたみたいだね」

ふふ、これ以上の突っ込みはしないであげますよ。でも、あたしよりマルティナさんに視線が行く時間が長かったのは後で弄ろうかしら。

「ええ、日本に近いものが買えました」
「それは、何よりだけど、ちょっと時代的にバランスがずれてる?」
「ええ、勇者由来の店でした」
「ランジェリーショップが勇者由来?」
「先代勇者は、女性だったそうです。で、魔王討伐に成功したあとで、この店を始めたとかで……」
「ちょっと待って。こんなところで話す内容じゃない気がするから、宿に戻ろうか」

宿に戻って腰を落ち着けたところで、あたしは、店員さんから聞いた話を一通り瑶さんにつたえた。瑶さんはちょっと考え込んだわね。

「この世界に残ることを選んだ?自分で選んだのか、選ばざるを得なかったのかが気になるところだね」
「選ばざるを得なかった?ってどういう?」
「あー、まあ言いにくいけど、実は帰る方法は無かったとか、あっても現実的な方法じゃなかったとか……」

言いにくそうに瑶さんが口にした言葉にあたしは息をのんだ。

「帰れない?そんな、パパ、ママ……」
「あ、朝未、まだ可能性の話だから。帰る方法が無いって決まったわけじゃないから」

そう言いながら瑶さんは、ショックで固まっているあたしをそっと抱き寄せて背中を撫でてくれた。

「ありがと、瑶さん。瑶さんだってショックだったはずなのに……」
「うん、でも過去の人たちは帰ることができていなくても、見つかっていないだけで帰る方法があるかもしれないしね。希望を捨てるには早いよ」
「うん、うん、瑶さんありがとう」

しばらくそうしていてもらって、あたしが落ち付いたところでポケットから出したハンカチ替わりの布であたしの頬を拭きながら瑶さんがまだ希望はあるって言ってくれた。そうよね、先代勇者がこの世界に残るのを自分で選んだ可能性だってあるんだもの。でも、いつの間にかあたし泣いてたのね。ちょっと恥ずかしいかも。

「朝未が落ち付いたところで、次は先代ではなく今世の勇者について情報を整理してみようか」
「ええ、確か人数が3人。そして3人とも黒髪に黒い瞳。2人は女性で1人は腰までのロングヘアの細身の長身でもう1人はやや小柄で肩までのミディアムヘア。もう1人はがっしりとした男性。年齢は見た目から18歳前後だろうと言われてますね」
「召喚されたのが約1年前。およそ半年の間は聖堂騎士を相手に戦闘訓練をしたようですね。その後、いくつかの町や村で聖堂騎士団と共に魔物討伐を成功させているという話でしたね」
「その討伐した魔物の種類や数は分からないんでしたよね」
「討伐した魔物とその数、そして討伐方法が分からないと実力は何とも言えないところだね」
「あ、そういえば、男性が聖剣を使っていて勇者とよばれているって話もありましたね」
「そして小柄な方の女性が聖属性魔法を使って聖女と呼ばれているんでしたね」
「で、長身の女性は身の丈ほどもある長剣を振り回して剣聖だったか」
「なんか、あまりに嵌りすぎてて、逆に胡散臭いですよね」

あたし達は顔を見合わせた。
そして最初に口を開いたのは瑶さん。

「これは多分プロパガンダだね」
「プロパガンダ、ですか?」
「そ、宣伝工作とでも訳したらいいのかな。この場合だと、こうなることを予見して勇者を召喚した聖国トップは偉大だとでもしたいんじゃないかな」
「え?でも、勇者召喚が原因じゃないかって言われてませんでしたっけ?」
「あくまでも噂だからね。国がそう言ってしまえば、例え多少の証拠があったところでそうなるよ」
「え、でも、証拠が?」
「財力と権力があれば不都合な事実を捻じ曲げることも出来るよ。日本でも普通にやられていたことだね。もっとも日本でだとバレて逆に叩かれてることもあったけど、ここではそうはならないだろうね」
「じゃあ、勇者と言われている3人は実は弱い?」
「そこはどうかな?曲がりなりにも戦いに出ているから弱いってことはないだろうけど、聖堂騎士団といつも一緒に戦うらしいからね」
「聖堂騎士団の戦果も勇者の戦果にして誇大広告ですか?」
「その可能性はある。でも、これ以上は実際の戦いを見ないとわからないかな」

そんな事をあたしと瑶さんが話し合っていると、横からマルティナさんが不思議そうな顔で口を挟んできた。

「あ、あの、なぜ勇者にそこまでこだわるのですか?お2人には基本的に関係ないように思えるんですけど」

あたしと瑶さんはハッとして目を合わせた。
返事は瑶さんにお任せね。

「聖国とはひょっとすると敵対することもあるかもしれないって思いがあったからちょっと気になってね」
「え、聖国と事を構えられるのですか?」
「いや、こちらからは何かをするつもりは今のところはないよ。でも、私や朝未の力を知られたら聖国は特にどう動くかわからない気がしてね」
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