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第一話 新たな出会い

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「皆のもの、準備はできたか?これは旅行はじゃないから油断するんじゃないぞ?」

『分かってますとも~人間界ってどんな世界なんでしょね!! オレ、結構楽しみなんですよ~宝石とか金塊とか!!!』


ほんと金の事ばかりだな、自分の欲全開なところは今回は抑えてくれ…


「おいおい、マモン。貴金属類の物が好きなのは分かるがその欲は今は抑えろよ」

『あはは、ごめんなさ~い オレってつい欲望が爆発しちゃうんですよね~お金には目がないんですよ!!』


お前の事はよく知ってるからこそ、俺は受け入れているが他の者にそれを言うと完全に引かれるぞ?


「えっと、マモンはいるが他の者はいないのか?」

『魔王様、私を忘れてたのですかー?』


しまった、こいつもいたんだよな。ベルゼブブ


「すまん、お前がいた事を忘れていた。しかしこんな時にも何かを食べているのか?しかも量が…」

「私の存在を忘れてしまっていたとは…」

「こんなに音を立てて食べていても気づかないのですかー?仕方がないじゃないですか常にお腹が空いてしまうのですから」


さすが七つの大罪の一つである『暴食の罪』だな。


どこからそんな食欲が湧くのか、ほんと分からないな…。


「ベルゼブブもいたな。 後は、お前もか」

『フフッ 魔王様、私の存在は忘れてなかったみたいですね?そう私の名前は、メフィ…』


さすがにお前の存在は忘れるはずがない。何せ 個性強いもんな?


「メフェストフィレスだったよな?」

「ちょ…ちょっとぉぉぉぉ!? 魔王様酷いですよ!!名前を言ってる途中で先に名前を言うなんてしかも名前地味に間違えてますけどぉ!!」


あっ…また間違えてしまった、存在は忘れてはいないのだがつい名前が‥


「で、メフィーも行くのか?」

「魔王様、毎回私の名前を間違えてるからもうその呼び名でいいですよ… はい、人間界を色々と見てみたいので!」


メフィーさすがにツッコミの毎日だから諦めてしまってるな…

そうか、お前も人間界に興味があるのか


「あとは、このデカブツだけか今のところは」

『魔王サマ、オレも行くヨ…楽しミダナ‥』


コヤツは不器用なヤツだからな、ただデカいし優しいところはあるんだけどな。


「さあ、もういないか?じゃあ行くぞ‥」


人間界に一斉に飛んだすると‥


─ 人間界 日本 冬 ─


「ここが、人間界でいう日本なのか‥?」


めちゃくちゃ人が群れを成してるな。


「いや、しかし肌寒いな‥」

「あ~、そこのお兄さんこれ興味ないかな?」


魔王にあるチラシが渡される
それは期間限定のバイトの募集チラシだった。


「サタン募集??何、丁度いいではないか」


サンタ募集を、サタン募集と勘違いする。


「おい、人間。これ募集してるところ教えろ 教えないと分かるよな??」


バイトを募集する青年の胸ぐらを掴み脅す。


「ひぇぇ!?教えるから暴力だけは勘弁してぇ!?」

「ふむ、理解が早い奴だ」


魔王は、その教えてもらった場所へと向かう。


「人間界は入り組んでて、よくわからんな」


すると、一匹の犬が駆け寄ってきた。


「ワン!へへへへッ」

「え?〈なんだこのケモノ〉」

「ワン!ワン!」

「ん??〈何かいってんの?〉」

「ワン!ワン??」

「あのさ、何言ってるかさっぱり分からんのだがお前誰だ??」

「ワン!!!」


犬がお金を咥えて、目を輝かせこちらを見る。


「ちょ‥お前、マモンか!!?」
「なんだその姿はなぜ犬になってんだ?」

「ワン へへへッ 〈やっと、気づいてくれたんですね!!ほら、お金ちゃん見っけス〉」


あまりの衝撃に口を開けたまま、呆然とする魔王。


「ワンワン〈気づいたら、オレっち犬の姿になってたんス〉」

「ふむ姿は選べないのか、その紙切れがなかったら気づかず去ってたわ」


どうやらこの人間界に行く時は、姿は選べないらしいな。


「他の仲間も、こんな迷宮の様に入り組んだこの地でこのよく分からん姿になってんのか?」

「ワン?〈たぶん、そうじゃないんスかね?〉」


てか、コイツは普通に喋る事ができないのか?


「再会できたのは、いいがやたら寒くないか?」

「ワン〈オレっちは、全然大丈夫っス〉」


なんでそんな紙切れ咥えて、元気に走り回ってんだよ。


「とりあえず他の仲間を探しに行くとするか」

「ワン?〈まだ見つけてなかったんスか?〉」


ここがどこなのか、さっぱり分からない状況で探すのはなかなか難しいな。


「マモンは俺の側に居てくれ、お前とまた逸れると探すのに一苦労するから」

「ワン!〈ウッス!一生お供するっス!〉」


魔王は再会する事ができた仲間の1人である、金好きのここ掘れワンワンの犬と共に他の仲間の捜索をする事になった。


「この紙に書かれた、俺を招待してるこの場へと向かってるのだがどこにあるんだ?」

「ワン?〈何だかその紙と同じ臭いがするもの見つけたかもっス?〉」


金好きのここ掘れワンワンのマモンが何かしら手掛かりを見つけたようだ。


「ワン!〈魔王様、見つけたっス!〉」

「おいおい、そんなに走ってどこへ行くのだ!!」


魔王を置き去りにし、突っ走る金好きのここ掘れワンワン号。

魔王は、これからどうなっていくのか?次回へ続く。
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