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第1章
Ⅰ―Ⅹ
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耳鳴りがさっきから止まない。ずっとキンキンしてる。
理由は魔王に耳元で叫ばれたからです。
「相棒!!元気になったら外に出ると良い!」
まだ耳鳴りが続いている中、魔王が話しかけてきた。
「外…?」
そういえば、ここがどこだか分からないままだ。元気は良いとは言えないけど。とりあえず外に出てみよう。
「じゃあ出てみるよ」
「お?元気になったのか?」
耳鳴りも収まってきたし、コクリと頷く。魔王はニッと笑って部屋から出て行った。僕はその後についていく。
部屋を出た先は廊下で、真正面には別の部屋の扉がある。見回してみると、他にも同じ模様の扉が備え付けられていた。
魔王の後ろを歩きながら廊下を行くと少しばかり広い空間に出た。その空間のほとんどを占めているカウンターには若い女の人が立っている。
「あら?もうお供の方は大丈夫なのですか?」
女の人は、僕を見るなり魔王にそう話しかけてきた。
「あぁ、こう見えて丈夫なのだ」
魔王は何故か誇らしげに答えている。僕としては丈夫ではない方だと思ってるんだけど…。
「今夜はお泊りになられるんですか?」
「あぁ。宜しく頼む」
そういった内容の会話をする二人。ここは宿なのかな?この前の村よりも、随分と生活的な所だ。
「少し、街を見てくる」
そう言って魔王はカウンターを通り過ぎ、外に繋がっているらしい出口に向かって行った。
僕もその後についていく。
「お気を付けて、行ってらっしゃいませ」
女の人は僕達にそう言いながら、軽くお辞儀をした。僕もそれに応える様におずおずとお辞儀をした。
建物から出ると、眩しい光が目に入ってくる。目は見えないけど、沢山人の声が聞こえた。
「ここが我が城から山を超えた先にある国だ」
ここが今朝、言っていた人間の統治する国…。
めちゃくちゃ活気あるんですけど!
道行く人は誰もが笑顔で談笑しあっているし果物や海産を売っている店の人の声も混ざり合って、まるでお祭りみたいだ。
「凄い…」
思わず呆気にとられる。あの厳しい岩山を超えた先には、こんなにも繁栄している国があるんだ。
僕は子供の様に目を輝かせている。
「やはり、人間の国は美しい」
魔王も藍色の目を輝かせていた。魔王は人間の国が好きなようだ。確かにモンスターばかりじゃ、人間独特の活気は出せないと思う。
「ここでも情報収集するんだよね?」
こんなに人が多い所で情報を集めるのは苦労しそう。
「いや、今日はゆっくりするとしよう。たまにはノンビリとやった方が良いであろう?」
おぉ…。じゃあ今日はこの街でゆっくりとするのか。そういや、あまり休める時間という時間が無かったなぁ。
「うん、そうだよね…!」
僕達は世界を冒険する旅から、少しの休息として街でゆっくりすることにした。
理由は魔王に耳元で叫ばれたからです。
「相棒!!元気になったら外に出ると良い!」
まだ耳鳴りが続いている中、魔王が話しかけてきた。
「外…?」
そういえば、ここがどこだか分からないままだ。元気は良いとは言えないけど。とりあえず外に出てみよう。
「じゃあ出てみるよ」
「お?元気になったのか?」
耳鳴りも収まってきたし、コクリと頷く。魔王はニッと笑って部屋から出て行った。僕はその後についていく。
部屋を出た先は廊下で、真正面には別の部屋の扉がある。見回してみると、他にも同じ模様の扉が備え付けられていた。
魔王の後ろを歩きながら廊下を行くと少しばかり広い空間に出た。その空間のほとんどを占めているカウンターには若い女の人が立っている。
「あら?もうお供の方は大丈夫なのですか?」
女の人は、僕を見るなり魔王にそう話しかけてきた。
「あぁ、こう見えて丈夫なのだ」
魔王は何故か誇らしげに答えている。僕としては丈夫ではない方だと思ってるんだけど…。
「今夜はお泊りになられるんですか?」
「あぁ。宜しく頼む」
そういった内容の会話をする二人。ここは宿なのかな?この前の村よりも、随分と生活的な所だ。
「少し、街を見てくる」
そう言って魔王はカウンターを通り過ぎ、外に繋がっているらしい出口に向かって行った。
僕もその後についていく。
「お気を付けて、行ってらっしゃいませ」
女の人は僕達にそう言いながら、軽くお辞儀をした。僕もそれに応える様におずおずとお辞儀をした。
建物から出ると、眩しい光が目に入ってくる。目は見えないけど、沢山人の声が聞こえた。
「ここが我が城から山を超えた先にある国だ」
ここが今朝、言っていた人間の統治する国…。
めちゃくちゃ活気あるんですけど!
道行く人は誰もが笑顔で談笑しあっているし果物や海産を売っている店の人の声も混ざり合って、まるでお祭りみたいだ。
「凄い…」
思わず呆気にとられる。あの厳しい岩山を超えた先には、こんなにも繁栄している国があるんだ。
僕は子供の様に目を輝かせている。
「やはり、人間の国は美しい」
魔王も藍色の目を輝かせていた。魔王は人間の国が好きなようだ。確かにモンスターばかりじゃ、人間独特の活気は出せないと思う。
「ここでも情報収集するんだよね?」
こんなに人が多い所で情報を集めるのは苦労しそう。
「いや、今日はゆっくりするとしよう。たまにはノンビリとやった方が良いであろう?」
おぉ…。じゃあ今日はこの街でゆっくりとするのか。そういや、あまり休める時間という時間が無かったなぁ。
「うん、そうだよね…!」
僕達は世界を冒険する旅から、少しの休息として街でゆっくりすることにした。
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