不思議な少女と姉妹の話

文麗

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不思議な少女と姉妹の話

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昔々あるところに、両親を亡くした姉妹がいました。
二人が幼い頃にいなくなり、
人里離れた所で暮らしておりましたので、
死因は不明、遺体もなく、本当に死んだのかも確かでないのでした。
それでも二人は身を寄せ合って暮らしていました。
二人は子供で、当然生きていられるわけがないのですが、
空腹も眠気も感じず、
また、困ったときは不思議な少女が助けてくれるのです。
いつも突然現れて、どこから来るのかもわかりません。
家の側には枯れた湖があるだけでした。

そんな二人も両親を亡くして十数年、独立の時がやって来ました。
少女ともお別れです。
「もうお別れかぁ、寂しくなるね。」
とお姉ちゃん。
「そうだね。外の世界はどんなところ何だろう。」
と妹。二人は家を離れたことがありませんでした。
それでも、大人になったら独り立ちをすることや常識は、
本から学んでいました。
「どうして二人とも外の世界に行こうとするの。
 ずっとここに居ればいいじゃない。」
少女は姉妹を引き留める。
「確かにずっとここに居たいと思うこともあるよ。
 でも外の世界へ行けば、
 この湖を甦らせる方法が見つかるかもしれない。」
少女は驚いて目を見開いている。
「私もお姉ちゃんと同じ考えよ。ねぇ、一緒にいきましょう?
 私達知ってるのよ、あなたがこの湖を大切に思ってること。」
少女は俯いていて表情は見えない。
「無駄よ。」
蚊の鳴くような声でポツリと呟いた。
「「え?」」
思わず聞き返す姉妹。
「この近くには川も池も無い。地下水だってほとんどなくて、
 水を引けないの。」
「どういうこと?」
言葉を失う。
「だ、だって、川ならそこに…」
震えながら確認すると、川は消えていた。それだけじゃない。
木も、草も、自然がどんどん消えていく。
これ以上ないくらい目を見開き固まる姉妹。
「この辺りは開発で川も山も失われた。
 かつては美しく水が豊富にあったこの湖も
 枯れるのを待つばかりだった。
 代々湖を守ってきたあなたたちの一族もバラバラになっていて、
 あなたたちの両親は激しく抵抗して、暗殺されてしまった。
 水を失ったこの地は使えなくなって、結局開発も中止になり、
 放置された。
 ねぇ、ずっと一緒にいましょう。」

荒廃した地に不釣り合いな美しい豊かな湖が静かに佇んでいた。
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