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流星祭 編

第32話 流星祭2回目

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その夜..........。

「ギャァァアァァアァァァァアオン!!!!!」

龍が現れた事によって街は恐怖で静まりかえっていた。

「街の人達はすぐに避難してください!!」

「なんだよあのモンスター!LV測定不可ってなんだよ!」

もちろん冒険者も恐怖で顔を青ざめていた。

ついに龍が現れた、でも俺はなんの対策もできていなかった。
何をすればいいのか分からなかった.........。

「リオ!」

「ヴァルキル君..........。」

「あのモンスター.....街を襲うつもりだ!止めるぞ!」

さらにそこにマサムネ君もやってくる。ソードオブベルサイユの人達もいた。
みんなが集まってあのモンスターを倒そうとしている。
また同じ事を繰り返す。でも..............

「そうだね.......みんなを守ろう。」

「それでこそリオ君だよ!」

「さぁ、行きましょう!あのモンスターは東の草原に向かいました!」


絶対成功させてみせる。









そして気づけばあの何も空間に.......俺はいた。
そこにあの少女が歩いてやってくる。そんな顔をしないでくれ........。

「2回目も失敗したみたいですね。」

「時間はあったのに......何も出来なかった。何をすればみんなを助けられるのか分からなかった!!」

ドンッ!!




俺は床を叩いた。悔しくて仕方ない。

「君は何かを........知っているんだろ?どうすればみんなを助けられるの?」

俺の質問を答えるように彼女は目線を逸らした。

「貴方自身がその方法を見つけださなきゃ意味が無いの...........。」

「...........そう...........分かった.......。もう一度やってみるよ。」





3回目

全員があのクリスタルに串刺しにされていた。



4回目

一人一人喰われていった。


5回目

攻撃が全て自分に返ってきて少しずつ死んでいった。

6回目

破壊光線でみんな塵になって俺の前から姿を消した。

7回目

もう............言いたくない。






「.......................。」

「リオ........。」

「もう嫌だ、これ以上みんなが死んでいく姿は見たくない。」

俺はただぼーっと床を眺めていた。涙さえも流れてこない。俺の横に少女は座る。

「私に.....ギャラクシーファブニスの細胞を渡してくれれば......みんなを助けられます。」

その言葉を聞いて俺の気持ちが少し晴れた。

「本当に?」

少女は首を縦に振る。 

「でも......君とはこの空間でしか会えない。」

「いいえ、会えるわ。貴方が見つけてくれれば.......きっと。」

俺は再び眠ってしまった。









7月7日  午前7時54分

ピピピ!ピピピ!

目覚まし時計の音が部屋に鳴り響く。またか.........。

「でも分かった.......俺がするべき事。龍が来る前に彼女を見つける!!」





4時間後
俺は街中を走り回っていた...........きっとこの街にいるはずなんだ!
手当たり次第に街の人達に尋ねていった。

「あのすみません!青い髪の少女を見かけませんでした?」

「さぁー?見てないわねー」

「そう.......ですか。」

一体どこにいるんだ?  



「見てないのー」

「そんな色の髪の子はこの街では珍しいわ。」

ダメだ..........どこにもいない。隠れているのか?なんで?
あぁ、もうすぐ祭が始まる。





数時間後

「お兄ちゃん?」

「どうしたのレオくん?」

「なんか........元気ないよ?」

「え?」

迷子のレオ君が俺の事を心配そうな目で見つめる。
俺は笑顔で接していたつもりだったが俺は笑えていなかったのか。



「あははは、なんでもないよ。大丈夫........元気だよ。」

もうすぐあの龍がやってくる........彼女を見つけられなかった今.....俺がしなきゃいけない事はあの龍の細胞を手に入れる事だ。




そしてあの龍との戦闘が始まった。冒険者が武器を構えている。

「ギャァァアァァアァァァァアオン!!!!!」

今までとは違う、瞳を閉じていない。最初から警戒している。

「どうするリオ?」

ヴァルキル君が俺に尋ねてくる。

「俺に任せてくれないか?」

「あぁ、でも無茶はするな。」


俺はみんなのいる場所から龍のいる場所に向かって歩き出す。今の俺の目標はあの龍の細胞を手に入れる事........。

腰につけられているホルダーから一枚のカードを取り出す。あの破壊光線を防ぐなんて無理に決まっている。だったらあの破壊光線を避けるしかない。

あの速さを避けれるほどのスピードはコイツしか持っていない!

「力を貸してくれ......ディルバマッハー!」

カードをデバイスに読み込ませる。すると赤い魔法陣が出現した。
俺はその魔法陣に向かって走り出す。

シュン!


「リオ君が消えた!」

「サナさん!上です上!」




Heart is burning!  The sword is dyed red!  Acceleration is non-stop!
デュリオニックマッハー!!!ブルン!ブルン!


「やっぱりデュリオニックマッハーが一番いいや。」

上空にいる俺を龍は見つめ続ける。「いい獲物を見つけた」そう言うかのように口角を上げる。そして..............。


「ギャァァアァァアァァァァアオン!!!!」

破壊光線を俺に向かって放つ。

シュン!

ドガーーーーーーーン  !!!

「すごいリオ君避けた!」



「はぁ......はぁ......ゲホゲホ!」

まだ避けれるほど加速できていなかった.......危ないギリギリで避けれた。
このまま近づいていけれれば!!


「いくぞ!!」

龍に向かって急降下を始める。それと同時に龍もクリスタルでできた羽を羽ばたかせ空へ舞い上がる。

「ギャァァアァァアァァァァアオン!」


ボッ!ボッ!ボッ!

青い炎の球を何発も吐き出す。確か青い炎は赤い炎より熱いんだっけ?
当たらないようにしなきゃ...........。

「ディルバ......もっと加速できるか?」

(俺様を舐めんなよ!まだ加速できるぜ!)

心の中でディルバの声が聞こえた、スピードがどんどん上がっていく。青い炎の球なら簡単に避けれるようになった。あともう少しで近づける!


「来い!」

横に赤い魔法陣が出現、俺はその中に手を突っ込み剣を取り出す。
そのままデバイスで技を選択した。

「ギャァァアァァアァァァァアオン!」

剣の刀身が炎を纏う。

「いっけー!リオ君!」



「切り裂け!!!」

スラッシュ!ディルバマッハー!

「豪炎斬!激!大文字!!」

バ!バ!バ!バーニングスラッシュ!!エンド!!!


ズバァァァァァァァァァァアァァァァア!!!!!


龍の膝を剣で斬ろうとする。剣と龍のウロコが擦れ合い火花が起きた。

「きっ斬れない!!!」


硬すぎる!なんて硬さなんだ!!!剣が折れそうになる......耐えてくれ!頼む!

「力で足りないなら!速さでカバーする!!」

ブルン!ブルン!


「ギャァァアァァアァァァァアオン」

「うぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉ!!!!」

剣を無理やり押し込み続けた。よし!あともう少しだ!!


ズバァァァァァァ!!!

龍の硬い鱗の傷が入り、赤い血がドバドバと流れ落ちてくる!

「よし!これで龍の細胞を取るのには成功した!」




龍が斬られた事により泣くように鳴き叫ぶ。

「ギャァァアァァアァァァァアオン!ギャァァアァァア!!!」

鳴き叫ぶのが終わる頃には膝につけたはずの傷は全て消えていた。
なんて再生能力なんだ!その時だ!!

俺の目の前に龍の口が向けられていた。しまった!完全に油断していた!
龍の口は大きく開き、口の中で粒子が集まる.......あの攻撃が来る!

「ギャァァアァァアァァァァアオン!」

「リオ君!!!!」

「リオ!!!」

避けれない!!

俺はあの破壊光線をモロに受けてしまった。





おまけコーナー

デュリオニックマッハーの姿になるとリオは心の中でディルバと会話する事が可能になります。普通の戦闘の時にディルバは関係ない事を話すのが多いのでリオは集中できない時が多いそうです。

青い髪の少女は一体どこにいるのでしょう?
街にいる事は確定されています。
















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