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第6章『第二次攻略作戦』

第4話 圧倒的破壊力《ジャガーノート》

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 「チッ、チッ、チッ」…

 …刻々こくこくと時間だけが過ぎて行く。 心臓の高鳴りは、いくら力を込めても抑えきれない…。

 今日は長瀬が、鷹音ようおんさんを夏祭りに誘うべく、アティロムに行っている。



 …この前の『第二次鷹音ようおん野華ひろか攻略作戦会議』の際、鷹音ようおんさんを誘う役目を誰がになうか、人選をおこなった。 俺は、真っ先に志願したのだが、3対1の多数決で惜敗してしまった…。

 長瀬が「たいらさんは絶対に浮足立パニクって、さそえる物もさそえなくなりますよ~」と、スルメをかじりながら言いやがった。

 …おい! 先輩に向かって、随分はっきり言うなあ。…まあ、否定はできんが。


 俺は、今一度チャンスが欲しくて、事前オーディションを提案した。 これは満場一致で可決した。

 仮想作戦の舞台は俺の部屋、鷹音ようおんさん役は青木さん、ユイは、その他大勢だ。

 ずは俺からだ。

 …部屋に入ると、早速さっそくユイが俺を迎撃インターセプトして来た。

 「やあ! 兄! 今日は何用なにようで参った!」

 「あ、あの、え~っと…」うわあ~、頭が真っ白に~ 

 …はい、不合格。 

 おいおい、早すぎだろ~(泣)


 次、長瀬

 長瀬が侵攻インベードすると同時に、自動警戒管制J A D G Eシステムよろしく、ユイが

 「やあ! 長瀬 上等兵! 何用なにようか!」

…との高速迎撃インターセプトを仕掛けるも…

 「はっ、これはユイ大将閣下! 実は次の連休に『守屋神社参道』にいて、我が『オジカ事務用品関東軍』が交流会を催す予定でありましたが、人数が足りず、増援をう為、貴軍にうかがった次第です!」

 …え? 正直に言っちゃうんだ…!

 「左様さよか。 …青木…では無く、鷹音ようおん!」

 …青木さんが、「は~い! 聴こえてましたで~す! 同僚に声をかけて、参加させて頂きますね~」

 …はい、カット~! みんな、役者よの~。

 迎撃や対空砲火を難なくすり抜け、鷹音青木さんのハートに弾着だんちゃく

 …あ、圧倒的だ…。

 まさしく伝説の圧倒的破壊力ジャガーノートが、ここにも存在していたんだ! ここまで差がつくと、いっそ清々しい。

 こうして、長瀬がアティロムに行く運びになったのだ。



 「戻りましたあ~」

 長瀬の声だ! 戦果、まずは戦果から!

 …長瀬は横目で俺を見ながら、指で○を作って見せた!!

 や、やったあああ~~!

 長瀬ぇ~! お前は、もう曹長に昇格だ!!

 ありがとう、そして…
 おめでとう、長瀬!

 おめでとう、俺!!

 
 しかし、その数日後には、俺の喜びが絶望に変わってしまう事を、この時の俺は知らなかった。
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