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11 奴隷売買組織殲滅
しおりを挟む不快な描写があります。ご注意ください。
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みなさんおはようございます。ヒナタです。
私は今、手足を縄で縛られ、服も脱がされ薄暗い牢屋みたいな場所にいます。
乱暴なことはされていないみたいです。私の貞操は守られています。今のところは。
さて、なぜ私がこんな場所にいるのかって?
宿で寝ていたら、マントを羽織った男が入ってきて、抵抗したけど、眠らされたんだよ。薬とかで眠らせてくれれば毒耐性スキルで効かなかったかもしれないのに。あれは、魔法だったのかな。
私の見張りは2人の男がいます。あんまジロジロみないで。妊娠するかもしれないし。
「あの、私はどうなってしまうんでしょうか……」
か弱い乙女っぽく見張りの男に聞いてみる。奴隷にするためなのは知っているけど。
「あ?お前は、うちの仲間を散々痛ぶってくれたからな。ボスがお前を楽しんだ後に、ここにいる全員の相手をしてもらってから死んでもらう」
気持ち悪い目つきで言われた。
奴隷じゃなくて、強姦してから処分ですか。ちょっとまずいかも。こんな奴らに抱かれたくない。でも、少なくともそのボスが帰ってこない限り、私の貞操は守られるわけだ。
「なぁ、ボスはいつ帰ってくるんだ。俺もう待ちきれねぇよ」
「やめとけダズ、後でボスに何されるか分からねぇぞ」
「でもケイトも待ちきれねぇだろ?」
「まぁな」
本当に気持ち悪い。私の身体をそんな目で見るな。
あまりに不快だったため、相手を睨み返した。
「なんだその反抗的な目は!」
牢屋に入ってきて、私の腹部に蹴りを入れてくる。
「かはっ……」
結構な勢いで蹴られたため、倒れ込んだ。ちょっとやばいな。今ので意識が朦朧としてきた。
「なぁ、こいつ犯さなきゃ何をやってもいいよな」
「そうだな、ちょっと自分の立場を分からせやる必要があるな」
やばい、まさかここまで短気だとは。
1回蹴り飛ばしたんだから満足してくれよ。
魔法でぶっ飛ばしたくなるだろ。
このままだと───。
「おい、ダズ、ケイト何をしているんだ」
「「ボ、ボス!?」」
ボスが帰ってきたみたいだ。あいつがこの組織のボスか。
前世のマフィアのボスみたいなやつだな。
いや、本物はみたことないよ。漫画の話ね。
「すいません!この女、自分の立場を理解せずに反抗的だったもんでつい……」
「そうか、俺が相手するまで手を出すなと言っていたはずだが?」
「いや、あの、それは……」
「まぁいい。お前らの罰は後でじっくりやってやる。俺はこの女で遊んでるから見張っとけ」
「「はい……」」
ダズとケイトはあからさまに悲壮な顔をしていた。
そしてボスが私に近づいてきた。
どうしよう、こわいこわいこわいこわい。
身体が震える。助けて。助けて。助けて。
このままじゃまずい。誰でもいいから助けて。
「そう、怯えるな。興奮してくるだろう」
ボスが舌舐めずりをしながら近づいてくる。
「い、いや……。こないで……」
ボスが一歩、また一歩と近づいてきた。
そして私の顎に右手の親指と人差し指を添えて、クイっと顎をもちあげてきて、私の顔を確認する。
「あははは! めっちゃ怯えてるぜ!」
ボスはズボン脱ぎ、私の前に立った。
そして私を足で乱暴に蹴り、仰向けになった私に覆い被さってきた。
後ろにいるダズとケイトもいやらしい目で私を見ていた。
「いや、やめて……助けて……」
「んなこと言ったって、誰も助けに来ねぇから安心しろ。せいぜい泣き叫んで楽しませてくれや、そっちの方が興奮するからよ」
ボスが、私の唇目掛けて、舌を出しながら口を近づけてきた。
「やだ……やめて……」
こんなことを言っても止まるわけがない。口が近づいてくる。
私が諦めようとしていると───。
バァァァァンン!!!
「何だ?!」
外から大きな音がした。
「何が起きた!」
ボスが慌てふためいている。ダズとケイトも焦っている。
すると上の階から男が階段を下ってやってきた。
「ボス!騎士団です!騎士団が攻めてきました!」
「なんで騎士団にここがバレるんだ?!」
「わ、わかりません……」
「ボサッとしてないでお前らさっさと裏口から逃げるぞ!」
手下の3人はすぐに階段を登って行った。
ボスもそれに続いて逃げる準備に取り掛かるため、牢屋から出ようとする。
そこで私は。
「エアショット!」
ボスの頭めがけて空気弾を放つ。気絶させるためだよ。殺してないよ。
え?縄で繋がれてたじゃんって?それくらい火魔法で焼き切れますよ。
こいつらの前では火魔法は使ってないから縄を解けないって思われたみたいだね。バカでよかったよ。
そして、牢は内側からは鍵が開けられない構造のため、いつでも逃げられるよう少し挑発して牢の鍵を開けてもらったけど、蹴られただけで済んでよかったね。タイミングよくボスが来てくれなかったら、かなり暴力を振るわれたかもしれなかったからね。
私はすぐに階段を登り、戦闘に参加した。
すでに何人かの犯罪連中は拘束されており、これはすぐに制圧できるなと判断した。
私はフィリップを見つけたため、駆け寄り声をかけた。
「フィリップ様!」
するとフィリップは顔を紅潮させ私から視線を外した。
「え、どうしましたか?」
「いや、服を着てくれ……」
私は、自分の格好のことを忘れていた。やばい、見られた。でも下着はつけてるからセーフか……?うん、アウトだよね。ごめんなさい。
「あ、ごめんなさい。服を脱がされていたのを忘れていました。今見たことは忘れてくださると助かります」
慌てて身体を両手で隠し、赤面しながら答えた。
「善処しよう。とりあえずこの衣服を羽織れ」
そこは、嘘でも忘れるって言ってよ……。でも、服を貸してくれるのは助かります。
「ヒナタさん、奴隷売買組織の殲滅に協力いただき感謝する」
周囲を見渡すと、私が羞恥を晒している間に殲滅が終了していた。
「いえ、こちらこそ。地下に組織のボスを気絶させていますのでご案内します」
「そうか、ありがとう。それにしてもその格好でいたところを見ると……その、ひどい目にあったりしなかったか」
フィリップが心配するように訪ねてきた。
「ご想像されているようなことはされていません。かなり危ないところでしたが、私が先に暴れて作戦が失敗しても困りますしね」
そう、全ては作戦なのだ。
私が囮となりわざと捕まり、組織を殲滅させるための。
最初は演技もしていたが、かなり怖い思いはした。
最後に口を近づけてきた時はさすがに魔法で殺そうかと思ったけど、騎士団が来てくれてなんとかうまくいってよかった。
その後、ボスを捕らえ、後処理のためフィリップ様は現場に残り、私は1人の騎士によって宿まで送ってもらい、今度こそゆっくり眠るのであった。
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