15 / 139
15 魔法の勉強をしよう
しおりを挟むみなさんおはようございます。ヒナタです。
昨日は魔法について自分がかなり規格外なことを知り、少し現実逃避してしまった。
しかし、一晩寝たら昨日ほどの悲壮感はなくなった。
今日は昨日に続いて、世の中にある魔法について学んでいきたいと思います。
魔法書を持ち街を出て、森の奥で練習しようと思います。
ちなみに魔法にはレベルによって扱える魔法が異なるようです。
LV1~3:初級魔法
LV4~6:中級魔法
LV7~9:上級魔法
LV10:神級魔法
このようにレベルによって行使できる魔法も変わるみたいです。上級魔法まで使える魔法使いはごく僅かで、神級魔法はもはや迷信とまで言われているそうです。
ちなみにレベルによって魔力量が増えるわけでもないみたいなので、レベルが高くても魔力量が少なくて上位の魔法を使えない人も多いらしいです。
魔力量を増やす方法は諸説あるが、魔力枯渇をさせることや魔法だけで魔物を討伐するなどがあるみたい。論文がありましたが、あまり信憑性はないようでした。
ちなみに私の今のステータスを確認してみる。
名前:ヒナタ
種族:人族
年齢:15歳
職業:魔法使い
HP :136/136
MP :282/282
スキル:水魔法LV5
風魔法LV6
火魔法LV5
土魔法LV5
無限収納
威圧LV4
毒霧LV1
毒耐性LV3
麻痺耐性LV2
気配察知LV5
気配遮断LV2
隠密LV4
ユニークスキル:強奪
魔法レベルは風魔法がレベル6、火・水・土魔法がレベル5だから、中級魔法までは使えるんだろうな。魔力量は多いみたいだから、使えるはず。
魔法書を開き中級魔法を調べる。
火魔法だと火槍・炎槍・火壁というものがあるみたいだ。炎槍は火槍の上位魔法だな。炎槍を試してみたいけど、流石に森で火魔法は使えないな。
水魔法だと、水槍、水刃、水壁というものがある。
土魔法だと、土槍、土壁があり、風魔法なら、風刃、風壁があった。
うーん、中級は攻撃防御魔法になるみたいだな。私の空気弾とか岩石弾が便利すぎてこの2つを多用しそうだな。たくさん魔法が使えると知られたくもないしね。
魔法書をさらに読んでいくと、どうやら固有魔法というものがあるみたいだ。魔法書に書いているのはごく一般的な魔法で、詠唱さえすれば誰でも行使できるものらしい。
固有魔法になると、術者の魔法技術によって発現させることが可能になり、特に詠唱をすることなく発動させることができるらしい。
過去には、火魔法で爆発するような火球だったり、風魔法を使って空を飛行できたり、水魔法で氷を作れたり、土魔法で落とし穴を作ったりなどあるみたいだ。
ということは、私の空気弾や岩石弾は固有魔法になるみたいだ。固有魔法って便利だな。この中で一番気になるのは風魔法で空を飛ぶことかな。ぜひやってみたい!
早速、試してみよう。どういうイメージでやればいいんだろうか。
とりあえず風を足元から空へ向けて吹き上げるようなイメージでやってみよう。
「おおお……! いでっ!」
2mは飛べたけどバランスがかなり悪いから持続させるのは難しいな。もっとこう、自由に羽ばたける様な飛行をしたい。思ったより飛行は難しいのかな……。
その後も、何度も挑戦しては失敗を繰り返した。
どんなに練習しても途中でバランスを崩して落下してしまう。
そもそも風魔法を足元から吹き上げさせるのがダメなような気がしてきた。練習すれば慣れると思ったけど私の運動神経では無理だ。前世も運動は苦手で中学では美術部、高校では帰宅部だ。別のイメージを試した方がいいのかもしれない。
今度は風を空に吹き上げるのではなく、地面に向けて下方向へ試してみる。ロケットみたいなものだよ。
すると……、飛べた。やった成功だ、さっきより遥かに安定している……が、機動性が足りない。上に向かって飛ぶのはいいが、そこから左右への転回ができない。新たに行きたい方向とは逆に風魔法を起こさせるがバランスを崩してしまった。やっぱり難しいな。飛べなくはないけど、戦闘では使い物にならない。
そこから、いろいろ試して日も沈んできたところで成功した。
「できたーー!」
試行錯誤して、辿り着いた方法は、自分を包むように風魔法で作った結界のような魔法障壁を展開し、全方向に常に一定の風力を魔法障壁から発動させ、行きたい方向と逆方向に強めの風力を注いであげれば機動性も良くなり、バランスも崩れなくなった。まさしく私の魔法技術によって可能になった方法だよね。魔力消費が凄いから長時間は無理そうだけど。しかし飛べるだけでなく風魔法での防御結界として利用できているみたいだ。素晴らしい魔法ができた。
私はウキウキ気分で宿へと戻った。
宿の机で魔法書をさらに読み進めた。するとさらに興味を惹かれる記述があった。なんと混合魔法というものがあるらしい。2種類の魔法を同時に発動させて混合させることで起きる固有魔法だ。例えば、水と火を混合させることですぐにお湯を作ることができるとか。やった、お風呂ができる!森で作ったマイホームのお風呂は水魔法で水を張ってから火球を放り込んでいたからね。
明日は混合魔法をやってみよう。私はワクワクしながら眠るのであった。
翌朝、目覚めるとすぐに支度をして森へと向かった。
まずお湯を試してみよう。
えーと、どういうイメージだろう。混合魔法ではないけど2種類の魔法を同時に展開させることはすでに可能だから、魔法を発動させるときに、火球を覆うように水球を発動させれば案外いけるかも。早速やってみよう。
「あちちちっ!」
うん、できたにはできたけど温度調節が難しいな。もう少し、火球を小さくしてみよう。
「あ~、温かい……」
成功だ。
これで浴槽さえあればいつでもお風呂に入れる。便利な魔法を覚えたぞ。
さて次は、混合魔法を使って敵をオーバーキルできそうな攻撃魔法を昨日思いついたのだ。
その名も『岩石嵐』。
ネーミングセンスがないのは気にしないで。
これは水・風・土の3種類を使った混合魔法で、通常の嵐だと水と風で再現できそうだが、それに加えて土魔法で作った小さめの岩石も嵐の中に同時に作っちゃえば、オーバーキルできるんじゃねって考えたわけだ。ということで早速試してみよう。出力は多少抑えてね。
「ロックストーム!」
目の前に高さ10mくらいの竜巻ができた。水が吹き荒れものすごい勢いで薙ぎ倒された木々がボロボロになって上空へと舞い上がった。
「これは、危険だ……」
岩石嵐が発動された場所は更地になっていた。魔法の威力は抑えたつもりだけどかなりの威力だ。これは魔物の大群が来た時にでも使おうかな。
試したい魔法が成功したので街に帰ろう。
街に着くと衛兵や冒険者たちが何やら騒いでいた。
どうやら森の奥ですごい音がしてボロボロになった木が空に舞い上がっていたのをみたそうだ。
私も森から帰ってきたため、衛兵から聞かれたが気が付きませんでしたとシラを切った。
ごめんなさいね。
30
あなたにおすすめの小説
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる