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20.いくらとすじこに思うこと

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生まれも育ちも津軽のせいか、私の場合、いくらよりすじこの方が親しみが有りますし頻繁に頂いてました。それにしても最近の魚卵の高騰で今迄みたいに食べることも出来なくて、寂しい思いをしております。ちなみに津軽ですじこは「すづこ」的な発音をします。

★★★

ここ最近、スーパーの鮮魚売り場を眺めて思うんです、『いくら』がべらぼうに高いって。軍艦巻きに乗せると寂しいくらいの量で500円以上の値段がついてることがって、いくらは完全に私の手を擦り抜けて、異世界の存在になってしまったんだなって思う今日この頃でございます。

ご存じの通りで、いくらとすじこ、原料は全く同じで、鮭から取り出した卵を卵巣膜に入ったまま味付したものがすじこで、取り出して味付したものがいくらです。だからいくらの高騰と同時にすじこもべらんめぇな値段で販売されてて、切ってあるもの4切れくらいでこれまた500円以上の値が付いてます。涙がちょちょぎれてしまいます。

なんでこんなことになっているかと言うと、2020年の水揚げがもう凶作と言っていいくらい、絶望的に水揚げ量が少なかったんですよ。ただ、2021年、ロシア、アラスカ共に鮭は豊漁でよかったよかっただったんですが、もともと鮭の水揚げ量って減少傾向、加工業者さんがひょっとしたら2021年はまぐれで豊漁だっただけでこれからは安定した漁獲量は望めないんじゃないかって思った訳ですよ。

そうなれば、原材料の出荷を絞って在庫を確保しておかないと大変なことになっちゃうねって言うことで流通量が減って値段が高騰してる、と言うと、図式なのですって。

それに、魚の生食文化が広がる一方で魚介類の消費量は世界的にうなぎ上りで水産資源は不足気味、海で捕れるものは全体的に値上がりしているそうです。海外では海藻も食べ始めてるみたいで、ひょっとしたら今度はわかめや昆布が高騰するなんてぇ事が、無いとは言えない、そんな気がしてなりません。

私はいくらよりもすじこが好きです。とくにご飯と合わせるならいくらよりも絶対すじこ、ガツンとしょっぱくて磯の味がして、すじこ一切れでごはん一膳食べられます。おにぎりの具材にしてもいいんですよね~~、海苔とすじことご飯の組み合わせは日本茶ともよく合って、もう、和食パワー炸裂です。おにぎりの具がすじこだったら午後の暮らしはどんなに辛い状況が待っていたとしても絶対に乗り越えられますよ、私の場合ですけどね。

コンビニのおにぎりの具材は圧倒的にいくらですよね。関東ですじこおにぎりは年に一回発売されるかされないか、今年はまだ巡り合っておりません、というか、いくらのおにぎりも減りつつあるように感じてなりません。レギュラーで売ってるのはローソンだけじゃないですか?ファミリーマートもセブンイレブンもスリーエフもホームページ見た感じだといくらおにぎりはこの文章を書いてる時点では取り扱ってないみたいです。

水産資源は農業に比べて養殖の技術が発達してないから殆どの物を自然からいただくしかないんですね、だから乱獲は厳禁、資源は守りながらありがたくいただく、これが大切なんでしょうね。計画的な捕獲を推進して安定した供給、いくらやすじこを安価に手軽に頂くには、今のところそれしかないのかもしれませんね。ああ、すじこ食べたい・・・
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