2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件

後藤蓮

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1章

54話 狩りDAY

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 この世界に来てから、五日が経った。
 初日と二日目はとても濃ゆい生活を送っていたが、その後の三日間は只管商品作りを行った。

 指輪やネックレスに始まり、ブレスレット、髪飾り、ピアス等のアクセサリ類。
 シャンプー、トリートメント、ボディーソープ等の地球の知識から創造した日用品。

 主にこれら二種類の商品を大量に作った。

 三日三晩を費やして作った甲斐もあって、在庫はそれぞれ千は軽く超えている。もちろんアイテムボックスに保存しているので劣化する心配はない。後はもう陳列棚やショーケースに並べて開店するだけだ。

 ただ、その三日間で俺は贅沢な暮らしをしすぎてた。
 一日朝昼晩三回の入浴。しかも、その一回一回の入浴時のオプションを弄って、最高級の温泉にも劣らないレベルの風呂に仕上げた。そんな風呂を堪能した結果、一回の入浴にかかるポイントが100を越え、既に入浴だけで900ポイント以上のエネルギーポイントを消費していた。

 これは由々しき事態だ。このままでは俺の一番の楽しみである入浴を制限しなければいけなくなってしまう。

 そんな問題を解決する方法は1つ。

 狩りに出て魔石を集めることだ。

 そうと決まれば話は早い。俺は素早く準備して、家を出る。

 デルの街を出入りするのには、身分証が必要だ。この世界に来た当初は俺は身分証なんて持っていなかったが、今は違う。
 俺はべルート公爵から直接身分証を貰ったためか、他の人よりも高待遇で街を出入りすることが出来る。まあ、高待遇とはいっても、街の出入り時に混雑していた場合、優先的に対応してもらえるというだけなんだけどね。ちょっと目立ってしまうかもしれないが、長く待たされるかちょっと注目されるかなら、俺は迷わず後者を選ぶ。

 門前に着くと、誰も並んでいる人はいなく、そもそも高待遇を受ける必要もなかった。
 手続きを手早く進め、街の外に出ると、俺は暫く人の目が届かない場所まで歩きで移動する。

  10分程街道を逸れて歩いたことで、周りに人の気配は感じられなくなる。俺はそれを確認すると、マップを起動する。

 目的地は最初に俺が転移した森の予定で、ここからは20キロ程離れている。まあ、全力を出せば恐らく数秒程で着くはずだ。
 
 てことで、全力で地を蹴り、森へと向け駆け出し、一瞬で森の入口前まで到着した。

「うん、俺って既に人間やめてないか?」

 そんなことを思うくらいには人間離れしすぎた速さだった気がしたが、これくらい出来なきゃフェルとラーナの主人としては恥ずかしいだろう。なんせ、あの二人は神の弟子みたいものだからな。

 ああ、早く二人にあって思う存分愛でたいな..........。


 そんなことを考えながら、森の中を歩くこと数十秒程で、早くも森に巣食う魔物とエンカウントする。
 出会った魔物は、この世界で最初に出会った魔物のゴブリンだ。
 数は四匹。それぞれが棍棒を武器として装備している。

 この世界に来た当初ならば、あれを見ただけで身が竦んだが、今となっては動揺することすら無くなっている。
 思えば、ワイバーンと戦った時だって、俺との余りのステータス差に怖さを感じなかったからな。ゴブリンに恐怖するような俺でなくなってるのも当然のことだ。

 ゴブリンは俺の存在に気がつくと「ゲギャゲギャ」騒いで、一斉にこちらに向かって駆けてくる。
 今となってはその速度がカメレベルに遅く感じるが、俺は油断せずに構え、同時に遠当てを四匹に向かって放つ。

 俺が放った遠当ては、狙い通りそれぞれの頭部に被弾し、四匹全て頭部を失って絶命する。何ともグロテスクな光景だった。

 そんな頭部の無くなったグロテスクなゴブリンの死骸に動揺することがなかったのを不思議に思ったが、これも慣れたということなのだろうと思うことにし、魔石と牙に変わったことを確認してから、それをアイテムボックスに仕舞う。

 経験値取得のアナウンスが流れてきたが、どうやら今のではレベルは上がらなかったようだ。

 まあ、まだまだ魔石は集めなければいけないので、どうせそのうちレベルアップするだろうと考え、俺は森の奥へと歩みを進めた。
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