追放されたので千年後に転生しました~その幼女、元転移転生魔術師の再来~

がっきー

文字の大きさ
17 / 75
第一部 転生編

一方のたかし、廃れてしまう 前編

しおりを挟む
「も……申し訳ありません! この子が……生意気な口をきいて!」

 何度も頭を下げる母。
 そんな事で、オレのイライラは止まらない。

「ホラ、アナタも謝って! 女神様がお怒りだわ……」

 母がいくら謝っても、許す気にはなれない。
 けど、それ以上に気になっていた。どうしてアイツの名前が出てきやがったのかを。

「ねぇお母さん、そのデウディーン教団って何かなぁ? 説明してもらえるかなぁ?」

「ヒッ……!」

 オレはできるだけ、優しい声で質問する。
 でないと、関西弁が出てきてしまうもんな。
 何に怯えているか分からないながらも、青ざめた表情で母は話してくれた。

「あ、あの……デウディーン教団は、その、デウディーン様の死後にできた教団なんです……」

 死後……アイツ、死んでやがったんだな。
 まあ無理もねぇか。アイツ、いつ死んでもおかしくないジジイだったもんな。

「皆が注目したのは、デウディーン様が得意としていた転移魔法でした。異世界からあらゆる物を転移する……その有効性に皆が気づき、評価され、支持が集まったのです……」

 怯えながら話す母。
 その内容はまだ続く。

「その評判が人を呼び集まり、デウディーン教団が設立できる程に大きくなりました。デウディーン様の死後百年の間に、人々の支持が支持を呼び、さらに膨れ上がっていったのです」

「……………………」

「これまでも、女神様のように異世界転移者が何人も現れてきました。魔術師複数人で転移魔法を作成したり、巨大な転移施設を数年がかりで何十人にも作らせたり……。しかし、転移魔法を個人で発動できる者は、デウディーン様以外に現れなかったのです!」

 ……この母、最後は目を輝かせとった。
 初めはビクビクしとったのに、デウディーンの名前を出すたびに元気になって、しまいにはオレと面と向かうくらいハキハキ喋っとった。

 何やねん、その表情。オレ拝みに来た時に一回も見せへんかったやんけ。
 何なん、この女。オレの知らん所で一体何しとんねん……。

「あの、女神様……?」

 母が困惑した様子で尋ねてくる。

「……でや」

「え?」

「何で、崇めとんねん。何で、オレじゃなくアイツを崇めとんの……?」

「え、えと……」

 母が戸惑ってオレを見とる。
 どうもオレが何で怒ってるんか、分かってないらしい。
 そんな態度にイライラした。
 そして、不満をぶつけてやった。 

「何でオレに黙って違うとこ行くん!? オレに隠し事するん!? オレに何か不満あるん!? あるんやったら言ってや! 何も相談せえへんとかおかしいやろ! それとも何、オレの事バカにしとるんちゃうん!?」

「い、いえそんな……! 女神様の事は尊敬して……」

「じゃあさっきの何? オレのような異世界転移者が何人も現れたって! それってつまりオレもアイツらと同じ没個性って思ってるんやろ!? 違うやろ! 本当に尊敬してるんやったらデウディーンの名前出したらあかんのちゃうん!? オレに身体ごと全部奉仕するのが筋ちゃうん!?」

「え、えと、その……」

 母は涙目になっていた。
 もう少し押せば、分かってくれるだろう。
 あと一歩だ。そう思っていた所で。

「ねぇママ、何でこんなに怒ってるの? この神様怖いからキライ。デウディーン様の方に行こ?」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

転生したら王族だった

みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。 レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい

夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。 彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。 そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。 しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...