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第二部 出会いと再会編
元転移転生魔術師、渋々従う 後編
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「こヤツはラスティア。生前のワシを崇拝しておる、教団騎士の一人じゃ。まあ知り合いと言えば知り合いじゃが……はぁ」
「マリー様! どうしたんですか、早く中に入りましょうよ!」
何でこヤツ、こんなにウキウキしとるんじゃ?
ワシなんて、会いたくもないヤツに出会ってしもうて気分ダダ下がりじゃと言うのに……。
ワシの気持ちなど何も分からぬと言った様子で、大きく扉を開け、ワシらを迎え入れようとしておる。
「マリー様! 今日はお菓子を持ってきたのです! 紅茶もありますよ! マリー様のお口に合うかは分かりませんが、多種多様用意しております!」
「うわ……ケーキにマカロン……。マドレーヌにモンブラン……チョコレートまで置いてある……。ケーキスタンドに三段……あんな煌びやかに乗って……」
「ほう、分かってくれるかエルフの子よ。あのテーブルに乗っている物はな、我が教団で用意した、来賓用のお菓子なのだ。そのどれもが高級品。マリー様のご両親方にも提供したら、大層気に入っておられたようだったぞ」
両親?
嫌な予感がしたワシは、扉の奥を覗き込む。
すると、母のリーリエと父のマイケルが、恍惚とした表情でお菓子を食べ、紅茶を飲んでおる。
「マリー様、ご両親方には満足して頂けたようでした。マリー様に用事があると言うと、快く引き受けてくれました」
「……何か、外堀を埋められている気分なんじゃが」
「はははっ、まさかそんな。それに、用事があるのは本当ですし」
「……用事?」
「立ち話も難ですので、どうぞ中に。どうせなら、マリー様の部屋でお話しましょう」
なぜ自分の家なのに、ラスティアに案内されなければいけないのか癪じゃったが、取り敢えず従う事にした。
※※※※※※※※※※※※
「で、何の用? ワシ、ルルとエルフの里に行く用事があるんじゃが」
ワシの部屋。
ワシのベッドの上で、ワシは胡座をかいていた。
ルルは、ワシのイスに姿勢良く座っておる。
ラスティアは……、イスに座ればいいのに、なぜか床に正座し、目を輝かせておった。
「あの、ラスティアさん……ですよね? イスあるので、座った方がいいんじゃ……」
「結構。しかしこれこそ、デウディーン教団教徒として、マリー様に拝聴する正しき姿勢なのだ。あくまで我々は、地を這いつくばる小粒の存在……ソレに相応しい姿勢と自覚を日頃から持ち続ける事が、マリー様への敬意に繋がっていくのだから」
「あー、ルルよ。こヤツの言う事、真に受けんでいいから。ルーランから聞いたじゃろうが、教団の教えとか、デタラメじゃから」
「マリー様~。【デタラメ】はヒドイですよ~。我ら教団は千年かけて、マリー様への崇拝を洗練してきたんです。言わば、千年の重みがあるんですよ~。もう少し私達をリスペクトして下さいよ~」
「やかましいわ! そうじゃ、ルルに伝えておくが……」
ワシは、ルルの方に向き合う。
「ラスティアは、ワシの正体を知っておる。ワシに熱心なのもそのためじゃ。まぁ変なヤツじゃが、仲良うしてやってくれ」
「あっ、うん……。よろしくお願いします」
「何、知っている? 君もか? そう言えばエルフは長命だったな。さては君、もしくは親がマリー様の事を良く知っていて……」
「ああ分かった。ええからええから。それで何じゃ、用事って。さっきも言ったけどワシ、エルフの里に行かないかんから」
「奇遇ですね。私もそちらに用があったのです」
「えっ」
「なので馬車を用意しています。明日にでも出掛けましょう」
ええ……。
何で用意周到なん……。
「いや、ワシら、転移道具で行く予定だから……」
「そうはいきません! マリー様が仰られるエルフの里とは、【ルースターの里】ですよね? あそこまでの道中、冒険者や商人の人通りが増えているんです。モンスターが現れるとの事ですので、護衛をかねているんです!」
「えっ、そうなん?」
「なので、人が多いため転移道具で移動するのはオススメしません! 人に見られ、目立つのは困るのでしょう? ならばこの私と、馬車に乗り、皇陛下、デウディーン世界教皇様らしく優雅に、目立たず、それでいて我らデウディーン教団信者に栄誉ある輝きを指し示して欲しいのです!」
「……………………」
ワシは、溜め息を吐いた。
これ、脅し? それとも、気遣い?
まあ、転移道具が多くの人に見られるのが困るのは分かる。
ワシ、目立ちたくないしね。
けどのぉ……。
ルルにダークアラクネの刻印をつけた輩がいるのなら、転移道具を使ってでも早目に行ってしまった方がいいじゃろうし……。
「ルルよ。お主はどう思う?」
「あの、母の予知魔法で見た日まで、二週間はあるから……。急がなくても大丈夫だと思う」
エルフの里が窮地に陥るのは、即売会当日じゃったな。
「……仕方ない。今回だけじゃぞ」
ワシは溜め息を吐きながら了解した。
ラスティアのヤツ、嬉しそうにガッツポーズを決めておったわい。
************************
【サージャ】≪『第三十七話をお読みいただき、ありがとうございます』
【サージャ】≪『思いがけない、ラスティアとの再会』
【サージャ】≪『マスター、露骨に嫌そうにしていましたね』
【サージャ】≪『やはり、必要以上に持ち上げ、盲信するラスティアの相手をするのは疲れるのでしょうね』
【サージャ】≪『結局、【今回だけ】と言って受け入れましたが』
【サージャ】≪『これって、次以降も受け入れてしまい、やがて沼にはまっていくフラグな気がするのは私だけでしょうか』
【サージャ】≪『それでは、次回をお楽しみに』
「マリー様! どうしたんですか、早く中に入りましょうよ!」
何でこヤツ、こんなにウキウキしとるんじゃ?
ワシなんて、会いたくもないヤツに出会ってしもうて気分ダダ下がりじゃと言うのに……。
ワシの気持ちなど何も分からぬと言った様子で、大きく扉を開け、ワシらを迎え入れようとしておる。
「マリー様! 今日はお菓子を持ってきたのです! 紅茶もありますよ! マリー様のお口に合うかは分かりませんが、多種多様用意しております!」
「うわ……ケーキにマカロン……。マドレーヌにモンブラン……チョコレートまで置いてある……。ケーキスタンドに三段……あんな煌びやかに乗って……」
「ほう、分かってくれるかエルフの子よ。あのテーブルに乗っている物はな、我が教団で用意した、来賓用のお菓子なのだ。そのどれもが高級品。マリー様のご両親方にも提供したら、大層気に入っておられたようだったぞ」
両親?
嫌な予感がしたワシは、扉の奥を覗き込む。
すると、母のリーリエと父のマイケルが、恍惚とした表情でお菓子を食べ、紅茶を飲んでおる。
「マリー様、ご両親方には満足して頂けたようでした。マリー様に用事があると言うと、快く引き受けてくれました」
「……何か、外堀を埋められている気分なんじゃが」
「はははっ、まさかそんな。それに、用事があるのは本当ですし」
「……用事?」
「立ち話も難ですので、どうぞ中に。どうせなら、マリー様の部屋でお話しましょう」
なぜ自分の家なのに、ラスティアに案内されなければいけないのか癪じゃったが、取り敢えず従う事にした。
※※※※※※※※※※※※
「で、何の用? ワシ、ルルとエルフの里に行く用事があるんじゃが」
ワシの部屋。
ワシのベッドの上で、ワシは胡座をかいていた。
ルルは、ワシのイスに姿勢良く座っておる。
ラスティアは……、イスに座ればいいのに、なぜか床に正座し、目を輝かせておった。
「あの、ラスティアさん……ですよね? イスあるので、座った方がいいんじゃ……」
「結構。しかしこれこそ、デウディーン教団教徒として、マリー様に拝聴する正しき姿勢なのだ。あくまで我々は、地を這いつくばる小粒の存在……ソレに相応しい姿勢と自覚を日頃から持ち続ける事が、マリー様への敬意に繋がっていくのだから」
「あー、ルルよ。こヤツの言う事、真に受けんでいいから。ルーランから聞いたじゃろうが、教団の教えとか、デタラメじゃから」
「マリー様~。【デタラメ】はヒドイですよ~。我ら教団は千年かけて、マリー様への崇拝を洗練してきたんです。言わば、千年の重みがあるんですよ~。もう少し私達をリスペクトして下さいよ~」
「やかましいわ! そうじゃ、ルルに伝えておくが……」
ワシは、ルルの方に向き合う。
「ラスティアは、ワシの正体を知っておる。ワシに熱心なのもそのためじゃ。まぁ変なヤツじゃが、仲良うしてやってくれ」
「あっ、うん……。よろしくお願いします」
「何、知っている? 君もか? そう言えばエルフは長命だったな。さては君、もしくは親がマリー様の事を良く知っていて……」
「ああ分かった。ええからええから。それで何じゃ、用事って。さっきも言ったけどワシ、エルフの里に行かないかんから」
「奇遇ですね。私もそちらに用があったのです」
「えっ」
「なので馬車を用意しています。明日にでも出掛けましょう」
ええ……。
何で用意周到なん……。
「いや、ワシら、転移道具で行く予定だから……」
「そうはいきません! マリー様が仰られるエルフの里とは、【ルースターの里】ですよね? あそこまでの道中、冒険者や商人の人通りが増えているんです。モンスターが現れるとの事ですので、護衛をかねているんです!」
「えっ、そうなん?」
「なので、人が多いため転移道具で移動するのはオススメしません! 人に見られ、目立つのは困るのでしょう? ならばこの私と、馬車に乗り、皇陛下、デウディーン世界教皇様らしく優雅に、目立たず、それでいて我らデウディーン教団信者に栄誉ある輝きを指し示して欲しいのです!」
「……………………」
ワシは、溜め息を吐いた。
これ、脅し? それとも、気遣い?
まあ、転移道具が多くの人に見られるのが困るのは分かる。
ワシ、目立ちたくないしね。
けどのぉ……。
ルルにダークアラクネの刻印をつけた輩がいるのなら、転移道具を使ってでも早目に行ってしまった方がいいじゃろうし……。
「ルルよ。お主はどう思う?」
「あの、母の予知魔法で見た日まで、二週間はあるから……。急がなくても大丈夫だと思う」
エルフの里が窮地に陥るのは、即売会当日じゃったな。
「……仕方ない。今回だけじゃぞ」
ワシは溜め息を吐きながら了解した。
ラスティアのヤツ、嬉しそうにガッツポーズを決めておったわい。
************************
【サージャ】≪『第三十七話をお読みいただき、ありがとうございます』
【サージャ】≪『思いがけない、ラスティアとの再会』
【サージャ】≪『マスター、露骨に嫌そうにしていましたね』
【サージャ】≪『やはり、必要以上に持ち上げ、盲信するラスティアの相手をするのは疲れるのでしょうね』
【サージャ】≪『結局、【今回だけ】と言って受け入れましたが』
【サージャ】≪『これって、次以降も受け入れてしまい、やがて沼にはまっていくフラグな気がするのは私だけでしょうか』
【サージャ】≪『それでは、次回をお楽しみに』
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