異世界成り上がり奮闘記

千耀

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28-1 カトレアの恋1

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 王宮正面の庭園に集結した、数百人の敵が進軍を開始した。
 助平根性を丸出しにした野郎どもが、我先にと迫ってくる。
 アドルフ王によると、王都には超音波について知る者はいないという。
 それを裏付けるように、およそ1/3の敵がグリプスに乗って上空から接近してくる。
 グリプスの大半が超音波の有効範囲に入ると、僕はルビナスに魔法の指示を出した。
 一斉に空中ロデオが始まり、敵は10m程の高さから次々と振り落とされていく。
 その下にいた地上部隊の何人かが巻き添えを食らい、一気に1/3近くの敵が戦闘不能になった。
 敵のグリプス隊は全滅し、味方が制空権を掌握。

 敵の地上部隊が、10体のゴーレムを出現させて、王宮の正面玄関に向けて突進させてきた。
 こちらも2体のゴーレムを出現させ、敵の先陣を切る2体の敵ゴーレムを手四つで食い止める。
 ゴーレムは土属性魔法の使い手が出現させて操ることができる5m程の泥人形だ。
 すぐさま他の敵ゴーレムが、僕たちのゴーレムに襲い掛かるも、寸前で電池が切れたように動きを止めた。
 カトレアがゴーレムを操る敵の魔法を封印したのだ。
 土の塊となった敵の泥人形を、僕たちのゴーレムがぶち壊していく。

 仲間のグリプス隊が、上空からファイアボールを撃ち込むも、敵は防御魔法を張って防いだ。
 防御魔法は、相手の攻撃を防ぐが、同時に自分たちの攻撃も通さない。
 僕はグリプス隊に攻撃を止めるように指示した。
 すると敵は防御魔法を解除して、上空のグリプス隊に反撃を開始。
 その隙に敵の防御魔法の使い手を特定して、カトレアに魔法を封印させた。
 グリプス隊に攻撃を再開させると、敵は防御魔法を張れずに、次々とファイアボールを被弾して炎に包まれる。
 防御と土属性の魔法を封じられ、上空からはファイアボールの雨、前方からは2体のゴーレムが迫り、パニック状態になった敵は一目散に逃げ出した。
 無駄な血を流すつもりはないので、追い討ちはしない。
 これだけ痛い目を見れば、当面は大人しくしているだろう。
 蓋を開けてみると、僕の予想に反して、圧倒的な勝利を収めることが出来た。
 嬉しい誤算というやつである。
 あるじの仇討ちを忘れて、色欲にかられた奴らには、統率も何もあったもんじゃないからな。
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