八重

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暗がり

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あの日・・やはりカストリを呑んでの帰り道!

暗がりから・・人影が現れた!

少し・・ギョッとした俺!

「お兄さ~ん・・どう・・安くしておく・・けど?」

こんな・・住宅街に・・パン助・・似つかわしく無い!

『オマエ・・こんな場所で・・あとから・・野郎が出てくるんじゃね~のか?』

「違う・・よぉ・・!」

暗がりの電柱下に立って居る女は、若そうだった。

『・・・で・・いくらだよ?』
俺は酔った勢いで、女に一夜の刹那な値段を聴いた。

「お兄さん・・学生さん?」
女は暗がりで、顔が良くわからない!

『・・・嗚呼!』俺は女の問い掛けに、ブッキラボウに答えて居た。

「学生《セイガク》・・かぁ!」女の蓮葉な言い方に、少し苛立った俺!

「時間も時間だから・・半枚《ゴジュエン》で・・いいよ!」

俺は、このな女を滅茶苦茶にしてやりたかったのは、キット酔って居たのも、あるかもしれない・・し!

なにか、日頃の訳の分からない鬱憤晴らしを・・も有ったんだと思う!

『わかった・・半枚《ゴジュエン》だな!!』
俺と女の交渉は成立をした。

俺は、心に・・なにか・・得体の知れない何かがグツグツと湧いていた!

女を連れて・・下宿の離れに招き入れたのは、きっと・・夜10時を回って居たと思う!

部屋に入り・・電球を点けようと、したら!

「・・電球は点けないで!」
女が小声で言った。

『うるせぇ~よ・・テメェは俺に金で買われたんだヨ!』
俺は女の言葉に尚更訳の分からないが腹が立って居た!

パチンと裸電球の根本のスイッチを点けた。

女は顔を隠す様に俯き、俺から身体を背にした。

『なんだよ・・パン助のクセに!』俺は少し攻撃的になっている。

女は、なにも答えずに、服を脱ぎ、下着だけになった。

何故か女の肩が小刻みに震え居る。

『・・・どうした・・寒いのか?』と、冬でも無いのに、俺は、女に問い掛けた。

『まさか・・オボコ・・でも無いだろうが!』

小刻みに震えて居る女は、さっきの蓮葉な様子から一変して、首を小さく横に傾けた。

俺は、女を手荒く抱き寄せて・・畳に押し倒した。

初めて見た・・女の顔!

厚化粧、真っ赤な口紅、濃い眉墨・・そして似つかわしく無い頬紅!

でも・・濃い化粧の下の顔は幼い感じの女だった。

女は、終始俺から、顔を背けて居る。

『・・おい・・そのパン助の顔をよく見せろやぁ~』

俺は女の背けた顔を手で強引に手繰り寄せた。


『アッ』

女が・・仰天《ビックリ》した様子だった!

『・・・なんだよ?』
俺は・・女の顔を見て言った。


俺は・・・!?

もう一度・・女の顔を!

なんだ?

こいつの顔は・・もしか・・?



『・・八重・・?』

『オマエ・・八重・・かぁ!!』

俺は、手拭いで、濃い化粧の女の顔を強く拭いていた。

濃い化粧は薄く・・女の顔に滲み付いて居る!

もう一度・・俺は・・傍のぬれた手拭いで顔を拭う!

『・・・八重・・八重だな!?』
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