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もし〜もし〜

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「ヤッホ~お元気⤴︎
  たまには会いましょうよぉ~」

それは、やけに明るい声で残された留守電でした。

通勤電車の中・・マナーモードにしていた芳雄のスマホに入っていたのです。

発信元は知らない番号。
「間違い電話だろう」と軽く放置しました。

ところが一週間後。
またしても朝の通勤電車で着信。
留守電を再生すると・・!

「冷たいぃなぁ~返事くらいしてくれても良くな⤴︎い?」

耳元で弾む声。
やはり同じ番号。
もちろん無視です。

こんな明るすぎる声色こそ、詐欺電話にありがちなパターン。

・・そう思っていたのに。

さらに一週間後の朝。

またバイブが震え・・また留守電へ!

「もう~怒っちゃうぞぉ~♡ 芳くんってば・・紀子・・ノリちゃんだよぉ~」

その瞬間・・芳雄の指が凍りつきました。
・・・紀子?!

学生の頃に一年足らず付き合って・・そして別れた女。

別れた後に、別の男に騙され、
・・・自ら命を絶った・・と聞いていた女。

慌てて番号を変え、キャリアすら変更した芳雄。

しかし・・その夜・・新しい携帯の電源を入れた瞬間。

明るすぎる着信音と共に留守電が一件。

「やっほ~芳くん♡ 新しい番号もすぐわかっちゃったぁ~」

そこには、底抜けに楽しげな、死んだはずの紀子の声が・・逃げられない恐怖!



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