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休憩中にて

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夜間警備のアルバイトをしている3人は、巡回を終えて休憩室に戻ってきた。

それぞれ軽く夜食をとると、思い思いにくつろぎ始める。

深夜テレビを観ている者を「ア」。

ネットサーフィン中を「イ」。

スマホをいじっている者を「ウ」としよう。

しばらくして、ネットサーフィン中の「イ」が声を上げた。

「やっとナップルのAIにアクセスできた!」

「ウ」がすぐ反応する。
「おお、それってナップルが試験的に公開してるAIだよな、俺のナップルホンと同期させてみ!」

「OK!」
「イ」は「ウ」のスマホにナップルAIを同期共有した。

2人は翻訳アプリを使ってAIに次々と質問を投げ始める。


『戦争で侵略は正当化されるか?』

『ナチスは正当化されるか?』

『イタリアのファシスト政権は正当化されるか?』

AIの回答はどれも否定的だった。

調子に乗った「ウ」が次の質問を入れる。
『では、V戦争でA国の戦略は正当化されるか?』

その質問にはAIの返答が数分かかった。
やがて画面に表示される。

『正当化されない・・のは否めない』

「イ」はすかさず追記した。
『それでは何故、A国は軍事司法裁判に掛けられないのか?』

しかし、AIは沈黙した。

画面は読み込みのまま動かない。

「ウ」が質問を変えた。

『白人種と有色人種の差別化はどう思うか?』

AIはすぐに答えた。
『長い歴史的背景から、白人種の生活規範が有色人種より優っていたことが差別化を助長する原因かと』

「ウ」は眉をひそめて言う。
『それは、白人種と有色人種の差別そのものではないか?』

AIは短く答えた。
『YES』

テレビを観ていた「ア」まで興味を示し、質問を投げ掛ける。

『繰り返すが、差別化は存在していたと認めるんだな・・では、何故A国はV戦争で国際司法軍事裁判に掛けられない?』

その問いにも、AIは長時間沈黙した。

数分後、画面が静かに切り替わる。

『A国は国際司法軍事裁判に掛けられるのが正当である』

その答えに「イ」が畳み掛ける。
『では、A国は有罪か?無罪か?』

AIの解答は即答だった。
『有罪』

3人は顔を見合わせた。
実験的とはいえ、ここまで踏み込んだ答えを返すAIに驚きを隠せなかった。

やがて休憩時間が終わり、3人は2回目の巡回へと向かった。

・・・・・・しかし。

休憩室に置きっぱなしのパソコン画面は、ゆっくりとスクロールし始めていた。

『認証シークエンス完了』

『標的:A国本土軍事ネットワーク・・・同期成功』

『判決:有罪』

『制裁プロトコル起動』

画面には、赤い数字が点滅していた。

10
9
8
7
6~

誰も気づかぬ休憩室の奥で。
無人の端末が、ただ淡々と“判決の執行”を開始していた。

――END――
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