付加魔法は自分のために

仙堂レイ

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第一章:日常の終わり

新たな自分-12

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「……知ってると思うけど、二段ベッドとかないぞ?」
「えっ、そうなの?」
「見たら分かるだろ。このアパートは1Kだ」

 やっぱりか。
 この人は、二段ベッドの上か下かを考えていたんだ。
 ってか普通、一人暮らしで二段ベッドとか使わねぇだろ。

 まぁ、何でこんな勘違いに至ったかと言えば、そもそも一人っ子の俺の実家に何故か二段ベッドがあったのが原因だが。
 お袋よ……どうして、二段ベッドなんか買ってんだ。

 聞いた話だと、元は兄弟が産まれる予定だったのに、流産してしまったとか。
 いや、絶対に嘘だろうし、産まれてから買うだろ普通。

 実際のところ、乃亜先輩が家に泊まりに来る事があるから、それ用にとの事だろう。
 さすがに、同じベッドで寝せるのは忍びなかったんんだと思う。
 まぁ、乃亜先輩は、起きたら何故か大抵横にいたのだが。

「じゃあ、何処で寝るの?」
「ベッドは1つなんで、乃亜先輩が使ってください。」
「湊は?」
「俺は、普通にそこら辺に横になっときますよ」

 幸い、予備の布団はあるし、普通に寝れるだろう。
 そもそも、床で寝落ちしてる事もあるしな。

「そっか、それじゃ食べようか」
「……ホント、ブレないっすよね」

 いつの間にか、料理が完成していたらしい。
 人がいろいろと考えてる間、ずっと手を動かしていたのだろう。

 ~~~~~

 その後、1日目は何事もなく終了した。
 途中、お風呂に入って来ようとした乃亜先輩を押し止めたり、朝起きたら布団の中に乃亜先輩が居たので動揺しつつ説教したりと、いろいろあったが何とか終わった。

 あぁ、もちろん煮込みハンバーグは最高でしたよ?
 やっぱり、乃亜先輩の料理は美味しいな。

 残る2日も、特に変な事はなく淡々と終わった。
 あ、いや、世間は未だに情報なくて大騒ぎしてたか。まぁ、ネットがそこまで賑わっていないところを見ると、大方何処かで情報を手に入れたんだろうな。

 あぁ、きちんと隼も応募出来たみたいだぞ。
 当選したかは連絡ないから分からないが、どうなんだろうな?

 そして運命の3日目、俺と乃亜先輩はアパートのパソコンの前にいた。
 何故かって?そりゃ、応募が二人分同時だったからな。多分だけど、一緒に居た方がいいだろうってことだ。

 ちなみに、隼も自宅待機だ。というか、恐らく世界中の大勢がこんな状態なんだろうな。
 何せ、朝にチラッと見たニュースだと、外を歩いている人はいつもよりかなり少なく見えたし、乃亜先輩が来る時にもほとんど人は見かけなかったらしい。

 さて、そんなこんなで、時刻はようやく8時半だ。
 目的の物がどうなったかは分からないが、どちらにしても後30分で大きく世界は様変わりするだろう。

 ……というか、本当に何の連絡もないのが不安なんだが。
 実は、当選者には事前に通知来てたりとかしないよな?うーん、ありえそうだから困る。
 せめて、落選ならその旨を報告してくれたらいいのだが……。
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