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第二十一話
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第二十一話
シャルロット様を起こして、メイド達に着替えをさせて貰った。
シャルロット様は俺と手を繋いで食堂の方に歩いていたが、途中でトイレに入り昨日と同じように魔法『シャワートイレ』で綺麗にして終わらせ、今度こそ食堂に着く事が出来た。
食堂には既にバスケットに入ったパンが幾つかに、何のスープか分からない緑色のスープが置かれていた。
俺は近くにいるメイドの一人に、何のスープかを聞くと薬草のスープだと言うが、シャルロット様のような子供に果たして飲める物なのか?
「これヤー、キラーイ」
やっぱりいつも出ているスープなのか、シャルロット様はパンと紅茶だけを口にしている。
俺も試しに薬草スープを口にすると、不味い、不味すぎる何なんだこれ?薬草?
いや、これは例えるなら食べた事無いけど鶏の糞だ!
確かにこれは子供には飲めないな。
と言うか、俺にもキツイ!
俺が奴隷商人の所で腐った肉のスープを飲んだ時も苦痛だったけど、これを飲むのも苦痛だ。
だってメイドが飲んで欲しいオーラ全開で、スープを手に取っている俺をガン見しているからだ。
もう息を吐き切って、味わわないように一気に飲み干した。だけどそんな姿の俺が気に入ったと勘違いしたのか、飲み切った皿にお代わりのスープを入れられてしまった。
・・・・・・
結局、合計15杯分も飲み干す事になってしまった。そもそも、4歳児の子供にこんなに飲ませるなんてどうかしてる!
これの不味さを知っているメイドは、俺が不味そうに飲んでる姿を見て笑いを堪えている風だ。
良く見れば昨日、俺の事を突き飛ばしたりした、何かと俺に厳しいメイドだ。
仕方ない、これからの料理の問題は俺が厨房に行って口を出すか。
とりあえず、シャルロット様には一言行って厨房に向かおう。
「シャルロット様、僕はシャルロット様に美味しい食べ物を食べて貰いたいですから、昼には美味しい物が食べられる様に厨房の方に向かいますね」
「アーテル、わたちも行く!」
「シャルロット様はお勉強とか、やらなくてもよろしいのですか?」
「いいでしゅ」
「ダメですよ。シャルロット様!
言葉のお勉強に礼儀作法にやる事沢山あるじゃ無いですか!」
そうメイドの一人が厳しめに言って来た。
俺はそのメイドに振り向けば、先程の笑いを堪えていたメイドだった。
何時もは、シャルロット様の世話兼教育係として付いていたんだろうな。
だから、ご主人様が買って来たとはいえ、奴隷に世話係を奪われてムカついていたんだろう。
「ヤなの!わたちアーテルに付いて行くの」
「僕は後でシャルロット様の元に必ず行きますから、シャルロット様の頑張ってる姿を見せて下さい」
俺はそう言いながらシャルロット様の頭を撫でると、シャルロット様は分かってくれた様で、メイドと手を繋いで俺の方をチラチラ振り向きながら、食堂から出て行った。
残った俺も食堂を後にして厨房に向かった。厨房では、美味しそうな匂いがする。
あれ?こんな匂いの食事、あのスープでは匂わなかったぞ?俺は厨房で寛いでいる三人の料理人に見つからない様に、まだ残されている料理に近づいて、良い香りのする物を一口つまみ食いした。
すると、普通に美味い料理だった。
ハーブを使って焼いた鳥料理だ。
何でこの人達が美味しい物を食べて、主人は不味い物を食べさせられているのか?
俺は怒りが込み上げて来て、厨房で寛いでいる奴らのテーブルに、ジャンプして飛び乗った。
「あ?なんだ?このガキ?
ここは食材を切ったり料理をする神聖な場所なんだよ。どけよ!」
そう料理人の一人が俺の足を掴みかかったが、俺はその料理人の手を思いっきり踏みつけた。
「ガッ、ガキなにしやがる!」
「ア、アニキ」
「あ、こいつこの屋敷の旦那の奴隷だ!」
「何で貴方達がこんな美味しい物を食べてて、ご主人様の娘のシャルロット様には、あんな鳥の糞みたいなスープを食べさせているんですか?
薬草使ってるってのも嘘ですよね?
僕が不味い物を食べさせられるのは仕方ないと思いますが、シャルロット様やご主人様に不味い物を食べさせるのは許せません!
お仕置きします!」
「何でお前みたいな奴隷に、お仕置きされなきゃいけないんだよ!」
そうさっきアニキと叫んだ人が鉈の様な刃物で、俺を斬りかかったけど、俺はすかさず自分で試したから分かる魔法『スタンガン』で斬りかかった奴を気絶させた。
「な、何しやがった!」
俺が手を踏み付けている男が叫び、もう片方の手が伸びてきたが、もう片方の手も思いっきり踏みつけると、男の顔が痛みで歪んだ。
「おい!もう止めろ!奴隷が調子に乗りすぎだ!」
俺が手を踏んでいるのとは別の男が俺に手を伸ばして来たけど、俺は今度は『スタンガン』ではなく手を軽く火傷させる『火傷ファイヤー』を使い、軽度の火傷をさせた。
「次にまた手を伸ばせば、もっと熱い火を使いますよ?」
俺がそう言うと男は、手を厨房内にある小さな井戸の水を汲んで、水の中に手を突っ込んでいる。
「さて、残るは貴方ですね。
どんなお仕置きがされたいですか?
このまま料理が作れない様に、手を踏み付けましょうか?」
「悪かった!俺達が悪かったからもう止めてくれー」
そう男は叫んだ。でも俺は手を踏み付けたまま何故?あんな不味い物を食卓に出したのか、聞きだす為に再び口を開いた。
「今日だけでは無いと思いますが、何故あんな不味い物を、食事として出したんですか?」
「あれは、メイドの一人が作ったんだよ。
朝食だけメイドが作って、ここの主の娘さんに出しているんだよ」
そうなのか、俺に食べてオーラ全開でスープを注いでいたメイドが作った物だったのか?
それにしても、さっきから旦那だの主だの娘さんだのって、この人達はここで雇われている人達ではないのか?
「メイドの一人が作った物だとしても、何故、もう一品貴方達が食べている物を出さなかったんです?
優しいご主人様の事を舐めてるんですか?」
「悪かった!もうメイドの姉ちゃんには作らせないから許してくれ!このまま踏まれ続けたら、料理が作れなくなっちまう!」
「では貴方達は、メイドの作ったスープを味見した事ありますか?」
「あ、ある。滅茶苦茶に不味いスープだった。でも、メイドの姉ちゃんは美味いと言っていたし、栄養が沢山入っているから大丈夫だとも言っていたから、朝食はパンとスープだけで良いんだと思っていたんだ」
成る程、あのメイドも悪いって言いたいのか、でも、料理人ならメイドなんかに作らせないで自分達で美味くて、栄養のあるスープを作るべきだったんじゃないだろうか?
「メイドには今後は作らせないで下さい。
僕の方からも後で厳しく、伝えときますので!シャルロット様の世話係の僕が厳しくメイドにも言っておきます。
先程の朝食ではシャルロット様はパンと紅茶しか口になさってないので、お昼は楽しみにしてますよ?」
「作りたいけどこんな手じゃ、しばらく作れねぇよ!」
あ、それもそうだ。
俺が踏み付けているから、指があらぬ方向に曲がっている。
まぁ、お仕置きって事でこのままにしても良いけど、料理人だし手が使えなかったら今後も料理は作れないし治すとするか!
俺は料理人の手を踏むのをやめて、魔法を唱える事にするけど、何にしようかな?
「エリアヒール」
考えたのち、オードソックスな魔法にしようと思ってそう唱えると、この厨房内の気絶してる男は起き上がり、手を水に浸けている男の手の赤くなっている部分は元に戻り、俺が手を踏み続けた男の指は元に戻って行った。
「治しましたから、今後は美味しい物を食べさせて下さいね。食事の時間に合わせてなるべく温かい物を出すとかも配慮して下さい」
俺がそう言うと、気絶していた男以外の二人が俺の前に、土下座の形でひざまづいた。
「な、アニキ!何でこんな奴隷のガキに頭を下げてんだよ」
「バカ!お前も下げろ!後で説明してやるから」
「良いですよ。下げなくても下げて何て欲しくないですし、貴方達がキチンとした料理を作ってくれさえすれば良いんですからね。
あ、そうだった。そうだった。そう言えば貴方達はご主人様の事を旦那と呼び、シャルロット様の事を娘さんだと言ってますが、貴方達を雇っている人達なんですから、もう少し言葉には気をつけて下さいね?
でないと、またお仕置きに参りますからね?
後は、不味いと思う物は作らない様にお願いしますね?」
俺がそう微笑んで言うと、土下座している二人はガタガタ震えて、「分かりました!」と大声を出して返事してくれたけど、俺の微笑みがそんなに怖かったかな?
まあ、これで改善してくれれば言う事ないな。
後はちょくちょく此処に遊びに来るついでに料理のアドバイスをしてやろう。
そう思い厨房を後にした。
シャルロット様を起こして、メイド達に着替えをさせて貰った。
シャルロット様は俺と手を繋いで食堂の方に歩いていたが、途中でトイレに入り昨日と同じように魔法『シャワートイレ』で綺麗にして終わらせ、今度こそ食堂に着く事が出来た。
食堂には既にバスケットに入ったパンが幾つかに、何のスープか分からない緑色のスープが置かれていた。
俺は近くにいるメイドの一人に、何のスープかを聞くと薬草のスープだと言うが、シャルロット様のような子供に果たして飲める物なのか?
「これヤー、キラーイ」
やっぱりいつも出ているスープなのか、シャルロット様はパンと紅茶だけを口にしている。
俺も試しに薬草スープを口にすると、不味い、不味すぎる何なんだこれ?薬草?
いや、これは例えるなら食べた事無いけど鶏の糞だ!
確かにこれは子供には飲めないな。
と言うか、俺にもキツイ!
俺が奴隷商人の所で腐った肉のスープを飲んだ時も苦痛だったけど、これを飲むのも苦痛だ。
だってメイドが飲んで欲しいオーラ全開で、スープを手に取っている俺をガン見しているからだ。
もう息を吐き切って、味わわないように一気に飲み干した。だけどそんな姿の俺が気に入ったと勘違いしたのか、飲み切った皿にお代わりのスープを入れられてしまった。
・・・・・・
結局、合計15杯分も飲み干す事になってしまった。そもそも、4歳児の子供にこんなに飲ませるなんてどうかしてる!
これの不味さを知っているメイドは、俺が不味そうに飲んでる姿を見て笑いを堪えている風だ。
良く見れば昨日、俺の事を突き飛ばしたりした、何かと俺に厳しいメイドだ。
仕方ない、これからの料理の問題は俺が厨房に行って口を出すか。
とりあえず、シャルロット様には一言行って厨房に向かおう。
「シャルロット様、僕はシャルロット様に美味しい食べ物を食べて貰いたいですから、昼には美味しい物が食べられる様に厨房の方に向かいますね」
「アーテル、わたちも行く!」
「シャルロット様はお勉強とか、やらなくてもよろしいのですか?」
「いいでしゅ」
「ダメですよ。シャルロット様!
言葉のお勉強に礼儀作法にやる事沢山あるじゃ無いですか!」
そうメイドの一人が厳しめに言って来た。
俺はそのメイドに振り向けば、先程の笑いを堪えていたメイドだった。
何時もは、シャルロット様の世話兼教育係として付いていたんだろうな。
だから、ご主人様が買って来たとはいえ、奴隷に世話係を奪われてムカついていたんだろう。
「ヤなの!わたちアーテルに付いて行くの」
「僕は後でシャルロット様の元に必ず行きますから、シャルロット様の頑張ってる姿を見せて下さい」
俺はそう言いながらシャルロット様の頭を撫でると、シャルロット様は分かってくれた様で、メイドと手を繋いで俺の方をチラチラ振り向きながら、食堂から出て行った。
残った俺も食堂を後にして厨房に向かった。厨房では、美味しそうな匂いがする。
あれ?こんな匂いの食事、あのスープでは匂わなかったぞ?俺は厨房で寛いでいる三人の料理人に見つからない様に、まだ残されている料理に近づいて、良い香りのする物を一口つまみ食いした。
すると、普通に美味い料理だった。
ハーブを使って焼いた鳥料理だ。
何でこの人達が美味しい物を食べて、主人は不味い物を食べさせられているのか?
俺は怒りが込み上げて来て、厨房で寛いでいる奴らのテーブルに、ジャンプして飛び乗った。
「あ?なんだ?このガキ?
ここは食材を切ったり料理をする神聖な場所なんだよ。どけよ!」
そう料理人の一人が俺の足を掴みかかったが、俺はその料理人の手を思いっきり踏みつけた。
「ガッ、ガキなにしやがる!」
「ア、アニキ」
「あ、こいつこの屋敷の旦那の奴隷だ!」
「何で貴方達がこんな美味しい物を食べてて、ご主人様の娘のシャルロット様には、あんな鳥の糞みたいなスープを食べさせているんですか?
薬草使ってるってのも嘘ですよね?
僕が不味い物を食べさせられるのは仕方ないと思いますが、シャルロット様やご主人様に不味い物を食べさせるのは許せません!
お仕置きします!」
「何でお前みたいな奴隷に、お仕置きされなきゃいけないんだよ!」
そうさっきアニキと叫んだ人が鉈の様な刃物で、俺を斬りかかったけど、俺はすかさず自分で試したから分かる魔法『スタンガン』で斬りかかった奴を気絶させた。
「な、何しやがった!」
俺が手を踏み付けている男が叫び、もう片方の手が伸びてきたが、もう片方の手も思いっきり踏みつけると、男の顔が痛みで歪んだ。
「おい!もう止めろ!奴隷が調子に乗りすぎだ!」
俺が手を踏んでいるのとは別の男が俺に手を伸ばして来たけど、俺は今度は『スタンガン』ではなく手を軽く火傷させる『火傷ファイヤー』を使い、軽度の火傷をさせた。
「次にまた手を伸ばせば、もっと熱い火を使いますよ?」
俺がそう言うと男は、手を厨房内にある小さな井戸の水を汲んで、水の中に手を突っ込んでいる。
「さて、残るは貴方ですね。
どんなお仕置きがされたいですか?
このまま料理が作れない様に、手を踏み付けましょうか?」
「悪かった!俺達が悪かったからもう止めてくれー」
そう男は叫んだ。でも俺は手を踏み付けたまま何故?あんな不味い物を食卓に出したのか、聞きだす為に再び口を開いた。
「今日だけでは無いと思いますが、何故あんな不味い物を、食事として出したんですか?」
「あれは、メイドの一人が作ったんだよ。
朝食だけメイドが作って、ここの主の娘さんに出しているんだよ」
そうなのか、俺に食べてオーラ全開でスープを注いでいたメイドが作った物だったのか?
それにしても、さっきから旦那だの主だの娘さんだのって、この人達はここで雇われている人達ではないのか?
「メイドの一人が作った物だとしても、何故、もう一品貴方達が食べている物を出さなかったんです?
優しいご主人様の事を舐めてるんですか?」
「悪かった!もうメイドの姉ちゃんには作らせないから許してくれ!このまま踏まれ続けたら、料理が作れなくなっちまう!」
「では貴方達は、メイドの作ったスープを味見した事ありますか?」
「あ、ある。滅茶苦茶に不味いスープだった。でも、メイドの姉ちゃんは美味いと言っていたし、栄養が沢山入っているから大丈夫だとも言っていたから、朝食はパンとスープだけで良いんだと思っていたんだ」
成る程、あのメイドも悪いって言いたいのか、でも、料理人ならメイドなんかに作らせないで自分達で美味くて、栄養のあるスープを作るべきだったんじゃないだろうか?
「メイドには今後は作らせないで下さい。
僕の方からも後で厳しく、伝えときますので!シャルロット様の世話係の僕が厳しくメイドにも言っておきます。
先程の朝食ではシャルロット様はパンと紅茶しか口になさってないので、お昼は楽しみにしてますよ?」
「作りたいけどこんな手じゃ、しばらく作れねぇよ!」
あ、それもそうだ。
俺が踏み付けているから、指があらぬ方向に曲がっている。
まぁ、お仕置きって事でこのままにしても良いけど、料理人だし手が使えなかったら今後も料理は作れないし治すとするか!
俺は料理人の手を踏むのをやめて、魔法を唱える事にするけど、何にしようかな?
「エリアヒール」
考えたのち、オードソックスな魔法にしようと思ってそう唱えると、この厨房内の気絶してる男は起き上がり、手を水に浸けている男の手の赤くなっている部分は元に戻り、俺が手を踏み続けた男の指は元に戻って行った。
「治しましたから、今後は美味しい物を食べさせて下さいね。食事の時間に合わせてなるべく温かい物を出すとかも配慮して下さい」
俺がそう言うと、気絶していた男以外の二人が俺の前に、土下座の形でひざまづいた。
「な、アニキ!何でこんな奴隷のガキに頭を下げてんだよ」
「バカ!お前も下げろ!後で説明してやるから」
「良いですよ。下げなくても下げて何て欲しくないですし、貴方達がキチンとした料理を作ってくれさえすれば良いんですからね。
あ、そうだった。そうだった。そう言えば貴方達はご主人様の事を旦那と呼び、シャルロット様の事を娘さんだと言ってますが、貴方達を雇っている人達なんですから、もう少し言葉には気をつけて下さいね?
でないと、またお仕置きに参りますからね?
後は、不味いと思う物は作らない様にお願いしますね?」
俺がそう微笑んで言うと、土下座している二人はガタガタ震えて、「分かりました!」と大声を出して返事してくれたけど、俺の微笑みがそんなに怖かったかな?
まあ、これで改善してくれれば言う事ないな。
後はちょくちょく此処に遊びに来るついでに料理のアドバイスをしてやろう。
そう思い厨房を後にした。
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