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斉藤さん
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斉藤さんというアプリをご存知だろうか。
そのアプリでは見知らぬ誰かにランダムで電話をかけることができる。
もちろん相手も斉藤さんを持っていて、通話のアクションを起こす必要がある。
通話アクションを起こした2つのスマホが斉藤さんを通じて繋がるのだ。
一時期流行っていた記憶がある。
大抵は男が女を求めて使用して、外れの相手が出れば通話を切る。
そんな使われ方。
しばらくしてブームは去り、今では使う人もほとんど居ないだろう。
「うわ~ホントに繋がったよ」
僕のスマートフォンから通話越しにそんな声が聞こえてきた。
声の主は男で、通話が繋がったことに驚き、喜んでいるようだった。
「え、女ですか?男ですか?斉藤さんまだやってる人居るんだ」
声だけで、男がニヤニヤと不気味な笑みをしてるのが分かる。
僕はただただ困惑して、
「え、誰ですか」
とだけ、言う。
「あ~何だよ男かよ~」
わかりやすく落胆したように男は通話を切った。
ツーツーツーと、鳴り響くスマートフォン。
やはり、僕は動けないでいた。
斉藤さんなんてアプリ入れていないし、何より今の電話は非通知からかかってきた。
アプリなんかじゃなく、普通の電話だった。
そのアプリでは見知らぬ誰かにランダムで電話をかけることができる。
もちろん相手も斉藤さんを持っていて、通話のアクションを起こす必要がある。
通話アクションを起こした2つのスマホが斉藤さんを通じて繋がるのだ。
一時期流行っていた記憶がある。
大抵は男が女を求めて使用して、外れの相手が出れば通話を切る。
そんな使われ方。
しばらくしてブームは去り、今では使う人もほとんど居ないだろう。
「うわ~ホントに繋がったよ」
僕のスマートフォンから通話越しにそんな声が聞こえてきた。
声の主は男で、通話が繋がったことに驚き、喜んでいるようだった。
「え、女ですか?男ですか?斉藤さんまだやってる人居るんだ」
声だけで、男がニヤニヤと不気味な笑みをしてるのが分かる。
僕はただただ困惑して、
「え、誰ですか」
とだけ、言う。
「あ~何だよ男かよ~」
わかりやすく落胆したように男は通話を切った。
ツーツーツーと、鳴り響くスマートフォン。
やはり、僕は動けないでいた。
斉藤さんなんてアプリ入れていないし、何より今の電話は非通知からかかってきた。
アプリなんかじゃなく、普通の電話だった。
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