せんしゃぶ!

yoshius

文字の大きさ
8 / 11

第3話 つかめ!初勝利 その3

しおりを挟む
「しかし、大丈夫か?」
「ああいうアホそうなの」
「おい、あいつ俺より成績上だぞ!」
「ホントか?」
「中学でも塾でもぶっちぎり1位だった」
「それが追っかけやってるのか」
「追っかけられるのも大変だな」
「ときにサイゴンって」
「まあ芸名みたいなもんだ。紺野 彩(こんの あや)の彩と紺でサイゴンだとよ」
「で、バンド組むの?」
「まずは試合のほうで勝てば、かな」
「なおさら勝たなきゃな」
「で、公式戦は」
「3週間後だな」
「もっと練習試合やろうぜ」
「そういうと思って堺堀に再戦申し込んどいたよ」
「金曜日の夕方だってさ」
ちょうど土曜はみちるや千春と歴史部の方で日帰り旅行だから金曜日試合は都合いい。
「それまで練習しっかりやろうぜ」



堺浜のフィールドで再度練習試合。
向こうも前回と同じメンバーだ。
「いくぜ!」
応援団もみちるに千春に加えて彩が来ている。
松風先生も座っている。
「勝てばカプチーノ、負ければエスプレッソだよ」

また同じように開幕砲撃をしてくる。
しかし、今回は俺たちも開幕砲撃を仕掛けた。
同時に短距離攻撃の俺、守、俊也が発煙弾発射機で煙幕を張る。
守と俊也はその間に右側からAS-90の側面へと回り込む。
俺は左側からだ。
威嚇とばかりに礼介のロケット砲がチャレンジャー2の進行予想ルートを塞ぐ。
馬蹄型の煙幕で敵を包囲する。
AS-90が煙幕内に砲撃をかけてくる。
晴が発射地点から現在の場所を予想する。
「予想地点を包囲しろ」
俊也は後ろから、守と俺が両サイドから砲撃する。
さらに煙幕の途切れたところから俊也の突撃。
チャレンジャー2のうち1人はAS-90の防衛で残っていたが、晴の砲撃でAS-90と分断される。
砲撃をガードするので手一杯のようだ。
「今だ!」
俊也の主砲でまずAS-90の1人が撃破される。
続けて礼介のロケット砲でチャレンジャー2の1人が撃破。
残る2人も小破らしい。
挟み撃ちでAS-90もう1人も大破に追い込む。
が、チャレンジャー2の反撃で守が小破する。
「気にするな!AS-90潰しが先だ!」
俺と俊也の挟み撃ちでAS-90残り1人も撃破。
そこへ晴の砲撃で俺の右横に回り込んだチャレンジャー2も爆風をくらい、撤退する。
やはりスピード差で
「礼介!追い込むぜ!」
「そっちは任せた。俊也、もう1人を探してくれ。」
俊也が反対側、相手が張った煙幕の中に突っ込む。
俺と守は俊也と距離を取って両サイドに迂回。
と、煙の中から機銃掃射してきた。
音からして主砲同軸機銃のようだ。
さっとフェイントでかわして主砲を打ち込む。
チャレンジャー2、中破判定のあと撃破に変わる。
俊也が後ろからも砲撃して撃破したようだ。
最後のチャレンジャー2がそのタイミングで俺の後ろを取った。
「まずい、後ろだ!援護頼む」
「撃、伏せろ」
俺が伏せた瞬間、爆風が飛んだ。
晴と礼介のダブル攻撃が重機関銃側に直撃したらしい。
撃破判定が出た。

「堺丘の勝ち」
「おお!」
「勝利だ!」

「負けたな」
「こっちが今度は完敗だよ」

「いい試合だった」
「胸貸してくれてありがとう」

練習試合とはいえ白星を勝ち取った。
これが伝説の始まりなんて、カプチーノを飲んでる俺たちには気づくはずもなかった。

続く

★解説

☆タンクロック
タンクミュージックの一種でタンキングの装備を楽器にして演奏するロック。
演奏は楽器用の特殊弾を装填して行う。
また発射音や走行音を録音して使用する場合もある。
他にもタンククラシックやタンクジャズなどがある。

☆装備の運搬
装備はケースに収納。
ケースをカートに乗せて運ぶことになる。
なお自走砲など長い車種の場合、電車やバスで別料金になることもある。

☆チャレンジャー2
イギリスの主力戦車。
55口径120mmライフル砲を主砲にしている、

☆AS-90
イギリスの自走砲。

☆主砲の同軸機銃
主砲横にある機銃。
対歩併攻撃が中心で対空用の重機関銃に比べると小型のものが多い。

☆発煙弾発射機
10式戦車やチャレンジャー2などに積まれている。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...