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第一章
15話 謎の本
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その後、ソラは色々な店を回ってみたが、結局どの店もソラの関心を引くものはなかったようだ。もう日が暮れて夜になろうとしていたので、そろそろ帰ろうかと思っていると、ソラが急に足を止めた。
どうやらある店の前で立ち止まっているようだ。そこは古本屋のようで、棚には古い本やポスター、レコードなどが所狭しと並んでいた。
店主は無愛想で客を寄せ付けない雰囲気だったが、ソラはその店に興味を持ったようで、じっくり眺めていた。どうやらソラの目には、何か気になるものがあったようだ。
それは一冊の小説だった。タイトルは書かれていないが、表紙には制服を着た少女のイラストが描かれている。
空は小説を手に取って、中を開いてみるとページは装飾などが施されて見た目は明るく、内容は元気で楽しい少女4人の学校生活を綴った物語だった。
「へぇー、生徒の雰囲気も良さそうだし、青春って感じだね」
ソラがそう言っていると、後ろから店員が現れて声をかけられた。
「お兄さん、その本を気に入るなんて、なかなか目が鋭いね。誰もその本を話題にしないから、びっくりだよ」店員は愛想良く笑いかけてきたが、どこか不気味な雰囲気が漂っていた。
確かにこの本屋は全然人の気配を感じなかったが、もしかして誰も店の商品を買わないのか?そう聞くと、店員は首を振った。
「いやいや、むしろ逆だよ。他の店よりかはずっと繁盛してるし、売り上げもそこそこいいほうさ。もちろんその本も、売り上げは一番良かったよ。でも、誰もその本に目を向けなかった。みんな、本の存在すら知らないだろうね」
そう言って店員は意味深な笑みを浮かべた。確かにその小説の帯には、ベストセラー作品という表記があるが、肝心の本のタイトルは書かれていない。
つまりこの店では、この小説だけが売れ残っていたようだ。それにしてもどうして、誰も話題にしなかったのだろうか?もしかして、この小説に出てくる少女達は実在しないとか?そんな疑問を抱いていると、店員はその本をを指差した。
「この小説を買うのかい? 特別に半額で売ってあげるよ」店員はそう言って、その本を差し出した。税込みが1300円から半額で55円、つまりかなり値引きしてくれるようだ。
だが、空はこの小説にはそれほど興味はない。値段が安いので買うことにはしたのだが、どうしようか迷った末ソラに渡した。
すると、ソラは一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐに笑顔になった。どうやらソラもこの小説に興味を持ったようだ。
その後、ソラはその小説を大切そうに抱えて、レジに向かった。
店員は会計を済ませると、その本をソラに手渡した。ソラはその本を受け取って、カバンの中にしまった。帰り道、ソラは嬉しそうに鼻歌を歌いながら歩いていた。
空はそんなソラの姿を見つめながら、今日の事を思い返した。
最初はあまり反応がなかった本屋も、偶然見つけたあの小説によって盛り上がったし、ある程度期待通りの結果だったと言えるだろう。
それにしても、あの小説のタイトルは一体何だったのだろうか?結局、最後まで名前が分からなかった。
そんなことを考えながら歩いていると、真っ暗の曇り空から雪が降ってきた。そういえば天気予報で今夜は雪が降ると言っていたことを、空は思い出した。
そして、ソラが寒そうに体を震わせているのが見えたので、空は自分の上着を脱いでソラに渡した。ソラは嬉しそうに礼を言い、すぐに羽織った。
冷たい空気にさらされていたソラの体が、少し温まったような気がした。ソラの吐息が白い煙となって、夜の闇へと溶け込んでいく。
手を擦り合わせながら歩くソラは、どことなく嬉しそうだ。ただ寒いだけなのかもしれないが、おそらくそれだけではないのかもしれない。
暫く歩くと、街に一つの牛丼屋が目に付いた。もうすっかり日も暮れているので、外には数人しか客がいないようだ。
何か温かい牛丼で体を温めたいので、二人は牛丼屋に入った。
カウンター席に並んで座ると、ソラはメニュー表を開いて何を注文するか悩み始めた。
財布の中身は400円で、空は水を飲んでメニュー表を見なかった。
ソラはしばらくメニューとにらめっこしていたが、結局一番安い牛丼を注文することにしたようだ。店員を呼び出して注文すると、店員は無愛想な態度で応えた。
やがて出てきた牛丼を見て、ソラは思わず感嘆の声を上げた。
大きめの茶碗に山盛りされたご飯の上に牛肉が乗っかっており、その脇に味噌汁とお新香がついているというシンプルな内容である。
最近、貧相化してきて需要と供給が合わなくなっているので、低価格帯にシフトチェンジしたのだろうか。400円で牛丼大盛りにありつけるのは、かなり良心的な価格設定である。しかしコーラでも250円に値上がりしている現代社会で、400円という価格帯も十分に高額なのだから、今の国というのはなんとも懐事情が厳しい世界になってしまったものだ。ソラは牛丼を食べている間、一言も言葉を交わさなかった。
別に仲が悪いわけでもないのだが、二人の間に会話はほとんどないのだ。
もしかしたら、お互いが気を使っているのかもしれない。
空はというと、水を少しながら口に含みスマホを操作していた。
本当は食事をしているときにスマホを弄るのはあまり良くないのだが、どうせ食事が済んだらすぐ帰るだけなので、食事中にもスマホを操作する。
ソラは牛丼を食べ終わると、静かに席を立った。代金を支払って店を出ると、二人は並んで歩き出した。
外はすっかり暗くなっており、吹き付ける風が空の体温を奪っていくようだった。
でもこれで、今日の活動も終わりである。
どうやらある店の前で立ち止まっているようだ。そこは古本屋のようで、棚には古い本やポスター、レコードなどが所狭しと並んでいた。
店主は無愛想で客を寄せ付けない雰囲気だったが、ソラはその店に興味を持ったようで、じっくり眺めていた。どうやらソラの目には、何か気になるものがあったようだ。
それは一冊の小説だった。タイトルは書かれていないが、表紙には制服を着た少女のイラストが描かれている。
空は小説を手に取って、中を開いてみるとページは装飾などが施されて見た目は明るく、内容は元気で楽しい少女4人の学校生活を綴った物語だった。
「へぇー、生徒の雰囲気も良さそうだし、青春って感じだね」
ソラがそう言っていると、後ろから店員が現れて声をかけられた。
「お兄さん、その本を気に入るなんて、なかなか目が鋭いね。誰もその本を話題にしないから、びっくりだよ」店員は愛想良く笑いかけてきたが、どこか不気味な雰囲気が漂っていた。
確かにこの本屋は全然人の気配を感じなかったが、もしかして誰も店の商品を買わないのか?そう聞くと、店員は首を振った。
「いやいや、むしろ逆だよ。他の店よりかはずっと繁盛してるし、売り上げもそこそこいいほうさ。もちろんその本も、売り上げは一番良かったよ。でも、誰もその本に目を向けなかった。みんな、本の存在すら知らないだろうね」
そう言って店員は意味深な笑みを浮かべた。確かにその小説の帯には、ベストセラー作品という表記があるが、肝心の本のタイトルは書かれていない。
つまりこの店では、この小説だけが売れ残っていたようだ。それにしてもどうして、誰も話題にしなかったのだろうか?もしかして、この小説に出てくる少女達は実在しないとか?そんな疑問を抱いていると、店員はその本をを指差した。
「この小説を買うのかい? 特別に半額で売ってあげるよ」店員はそう言って、その本を差し出した。税込みが1300円から半額で55円、つまりかなり値引きしてくれるようだ。
だが、空はこの小説にはそれほど興味はない。値段が安いので買うことにはしたのだが、どうしようか迷った末ソラに渡した。
すると、ソラは一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐに笑顔になった。どうやらソラもこの小説に興味を持ったようだ。
その後、ソラはその小説を大切そうに抱えて、レジに向かった。
店員は会計を済ませると、その本をソラに手渡した。ソラはその本を受け取って、カバンの中にしまった。帰り道、ソラは嬉しそうに鼻歌を歌いながら歩いていた。
空はそんなソラの姿を見つめながら、今日の事を思い返した。
最初はあまり反応がなかった本屋も、偶然見つけたあの小説によって盛り上がったし、ある程度期待通りの結果だったと言えるだろう。
それにしても、あの小説のタイトルは一体何だったのだろうか?結局、最後まで名前が分からなかった。
そんなことを考えながら歩いていると、真っ暗の曇り空から雪が降ってきた。そういえば天気予報で今夜は雪が降ると言っていたことを、空は思い出した。
そして、ソラが寒そうに体を震わせているのが見えたので、空は自分の上着を脱いでソラに渡した。ソラは嬉しそうに礼を言い、すぐに羽織った。
冷たい空気にさらされていたソラの体が、少し温まったような気がした。ソラの吐息が白い煙となって、夜の闇へと溶け込んでいく。
手を擦り合わせながら歩くソラは、どことなく嬉しそうだ。ただ寒いだけなのかもしれないが、おそらくそれだけではないのかもしれない。
暫く歩くと、街に一つの牛丼屋が目に付いた。もうすっかり日も暮れているので、外には数人しか客がいないようだ。
何か温かい牛丼で体を温めたいので、二人は牛丼屋に入った。
カウンター席に並んで座ると、ソラはメニュー表を開いて何を注文するか悩み始めた。
財布の中身は400円で、空は水を飲んでメニュー表を見なかった。
ソラはしばらくメニューとにらめっこしていたが、結局一番安い牛丼を注文することにしたようだ。店員を呼び出して注文すると、店員は無愛想な態度で応えた。
やがて出てきた牛丼を見て、ソラは思わず感嘆の声を上げた。
大きめの茶碗に山盛りされたご飯の上に牛肉が乗っかっており、その脇に味噌汁とお新香がついているというシンプルな内容である。
最近、貧相化してきて需要と供給が合わなくなっているので、低価格帯にシフトチェンジしたのだろうか。400円で牛丼大盛りにありつけるのは、かなり良心的な価格設定である。しかしコーラでも250円に値上がりしている現代社会で、400円という価格帯も十分に高額なのだから、今の国というのはなんとも懐事情が厳しい世界になってしまったものだ。ソラは牛丼を食べている間、一言も言葉を交わさなかった。
別に仲が悪いわけでもないのだが、二人の間に会話はほとんどないのだ。
もしかしたら、お互いが気を使っているのかもしれない。
空はというと、水を少しながら口に含みスマホを操作していた。
本当は食事をしているときにスマホを弄るのはあまり良くないのだが、どうせ食事が済んだらすぐ帰るだけなので、食事中にもスマホを操作する。
ソラは牛丼を食べ終わると、静かに席を立った。代金を支払って店を出ると、二人は並んで歩き出した。
外はすっかり暗くなっており、吹き付ける風が空の体温を奪っていくようだった。
でもこれで、今日の活動も終わりである。
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