闇に飲まれた謎のメトロノーム

八戸三春

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第一章

24話 二人の力

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敵の攻撃を完全に防御できており、何度撃っても破壊することができないことは間違いなかったからだ。
はどうすれば破壊できるのか考えていると、突然アリスが話しかけてきた。
「敵のコアを壊すために、空気圧を使えばいいと思うわ」
それを聞いた空はハッとした表情を見せた。そして、アリスに現在の能力で可能かどうか聞いてみたが、答えはすぐに帰ってきた。
「分からない。でも空気で伝えれば、コアを攻撃することができるかもしれない」
彼女はそう言うと、両手を前に出して拳を構えるような体勢になった。空はその姿を見て、何かに気づいた様子を見せた。
「アリス、もしかしてそれ、振動か?」
彼が問いかけると、彼女は頷いた。すると空も真似をして、拳を構えた。
「パンチすると空気の分子が振動するでしょ? それを空気圧で伝えれば、敵のコアを破壊することができるかもしれない」
それを聞いた空は、納得したような表情を見せた。
それから空とアリスは、それぞれの手に力を込め、神経を研ぎ澄ます。

――そして、一気に解放すると、空気を圧縮して打ち出した。その威力は凄まじく、高速で放たれた衝撃によって地面を削りながら進んでいった。
やがてその衝撃波は敵兵器のコアに到達し、そして粉々に砕け散った。その瞬間、敵兵器は動きを停止した。
その様子を見守った空は、深く息を吐いて安堵したような表情を浮かべた。
「ふう……やっと終わったか」
空が呟くと、アリスもホッとしたような表情を見せた。そして二人は手を取り合って微笑みあった。
彼女は空に抱きつき、喜びを露わにした。
すると丁度、無線からレナの声が聞こえる。
『お疲れ様でした、二人とも! ここから帰還できますよ!』
その言葉に、空とアリスはホッとしたような表情を浮かべた。

「やったよー! 空!」
彼女はそう言って、無邪気な笑顔を見せていた。その表情を見たレナ、胸が温かくなるのを感じていた。
こうして、化物の任務は終了した。無事に戦闘を終えた空は、再びヘリコプターに乗り込んだ。
空とアリスは、ヘリコプターに乗って研究所へ戻ることになった。その間、アリスは嬉しそうに、空に話しかける。
「空! 私たち、強くなったんだね!」
その言葉に、空は照れ臭そうに笑いながら答える。
「そうだな……でも、まだまだだよ」
しかし、彼は心の中では達成感を感じていたのだった。それから、空はアリスと会話を続けた。
――その中で、ふと思い出したことがあったので、彼女に問いかけることにした。
「そういえばさ、最後のところで空気の塊を発射させたじゃん?」
それに対して、アリスは笑顔で頷く。

「うん! あの攻撃、すごかったね!」
そう言う彼女の姿を見て、空も笑顔を見せる。それから、空は真剣な表情になると彼女に問いかけた。
「その能力って……もしかして、武器になるんじゃないか?」
その言葉を聞いたアリスは、首を傾げて聞き返した。「どういうこと?」
それに対して、空は自分の手を指を差しながら答える。「例えば……そうだな……手から空気の弾丸みたいなやつが出るだろ?あれを応用すれば、遠距離攻撃できるんじゃないか?」
その言葉を聞いたアリスは、ハッとしたように目を見開いた。それから、彼女は目を輝かせながら同意する。「確かに! それいいかも!」
そう言って、アリスは自分の手を見つめながら黙り込んでしまった。
しばらくすると、彼は再び口を開いた。
「例えば……空気の塊を筒状に形成して、その中に弾丸を入れるとかどうかな? そうすると銃弾みたいに連射できるようになるよね?」そんな彼の言葉を聞いたアリスは、嬉しそうに手を叩いていた。
「確かに、それはいいアイデアだな! それなら、遠距離攻撃もできるし、接近戦にも対応できるかもしれないな!」
 この時間は、彼女にとって何よりも楽しかったのだろう。不安や恐怖など、様々な感情が入り混じっていたが、
ようやく笑顔を見せるようになってきたのだ。そんな彼女を見て、空は安堵した表情を浮かべていた……。


荒らされた街、ひび割れた道路、その中で逃げ惑う人々。死体や負傷者、焼け野原など、目を覆いたくなるような光景が広がっている。
塵と灰が舞い上がり、夜の明かりは炎の赤で煌々と照らされている。揺らめく炎と煙、そして轟音が響き渡る。静けさの中で吹き荒ぶ風の音は、まるで悲鳴のように聞こえる。
その風は、チラシやビラを、地面を、高く高く舞い上げ、この街の無惨な姿を描き出す。
こんな状況下で見る景色は、一つの作品が出来上がるほどの光景だろう。
そしてそのアスファルトに落ちてる明るく花の装飾を施された本は、吹き荒れる風にページが煽られ、パラパラと捲れ上がる。
捲れるページの音は、空中に舞った紙を、風が巻き上げる光景と重なって、それは音までもが風の中に閉じ込められていく。
その本を伝えたい存在は、もうこの世界にはいない。それは死んでいった人々や街の姿を表現する唯一のものだった。
……柱に花を添えた墓標に、夜風は吹き抜けていく。
そこに眠る全ての者たちから、未来への希望と明日への願いを託されるかのように。
そしてその花の上に舞い落ちる1枚の紙切れが、この物語の結末を示すように、物語を静かに終わらせる……。
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