ドラえ堂のポポポン祓い

solidsmoke

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ドラえ堂のポポポン祓い

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「ドラえもん、呪いってあるのかな」
「バカだなのび太くん、あるにきまってるじゃないか」
「ええっ。」
「世の中にはふしぎな事など何もないのだよのび太くん。」
「実はスネ夫が珍しくぼくにお土産をくれてさ。ポポポ島に旅行に行ったからって。でも昨日急に、のび太大変だ。アレは呪いの人形だ、おまえはしんじゃうぞ!って言ってきたんだ」
「スルーしたのかのび太くん。その人形はどれだ」
「これだよ。初めはかわいいなと思ってたけど、それから不気味に見えてきてさ。」
「なるほ…ど。それはたしかに呪いの人形だな…」
「ええっ、やっぱりそうなの。」
「そうだ。これには今現在で確認できるだけでも最低3つの呪いがかかっている」
「今現在?確認?」
「バカなのび太くんは呪いの何が怖い?」
「今のバカ必要?ええと、夜中に動き出して首をしめてくるとか、目から怪光線を出して心臓を止めちゃうとか…ああ怖い…」
「やはり本当にバカだな。木彫りの人形がどうやって動くんだ。腕なんかくっついてるぞ。どう見ても無垢材なのにどこに光源があるんだ。光を当てるときみの心臓は止まるのか?」
「なんだよ、じゃあやっぱり呪いはないってこと?」
「きみはバカなのでついさっき言った事も忘れるんだな。呪いはあるって言っただろ。しかもぼくがちょっと祓っても、きみが勝手に呪いを強化するから始末におえない」
「強化なんてしてないよ」
「きみは最初は人形をかわいいと思ったんだろ?」
「そうだよ。でも今は不気味で怖く見える」
「それが確認できる中で3番目の呪いだ」
「えっそれが3番目なの」
「そうだ。呪いは絡み合っていて、ほどくにも順番が重要だ。1番目がほんとは1番厄介なんだが…まずは2番目だ。スネ夫は数日経ってから、きみに呪いの話をしたんだな?」
「そうだよ。休み前にお土産って言ってくれて、月曜日に言い出したんだ。」
「土曜日の夜にたしか、世界の呪いのオカルト番組やってたよね。ぼくは寝てたけどのび太くんは見たかい?」
「ううん、お風呂入ってたから見なかった」
「バカだからそういうの見たかった?」
「バカじゃないし怖いから興味ないよ!」
「そうか。なら祓いやすい。憑き物を落とそう。この人形を呪っているのはポポポンだ」
「ポポポ島のポポポン?」
「そうだ。あの島はポポポン信仰が深い。ポポポンは豊漁をもたらす神であり、軽んじれば津波を起こす恐怖の存在でもあった。
人々は日々生活の折に触れポポポンの像に幸せを祈り、海が荒ぶれば己が罪を懺悔し平穏を乞うてきた。島の掟を破る者には呪いがふりかかり、身体中から海水が湧いて溺れ死ぬという」
「口調が別人だよドラえもん」
「スネ夫はポポポ島から帰ってすぐやっていた、昨日の呪いの番組でポポポンについて観たんだ。厳密にはこの像はポポポンじゃない。だが仮にのび太くんが土曜日の番組を観ていたとしても、観ていなくても、怖がらせる事はできると考えたんだろう」
「なんだ、スネ夫がぼくを怖がらせようとしてうそをついたのか」
「ちょっと違う、これが2番目の呪いとして機能してしまっている証拠に、きみはまだこの人形が不気味な筈だ」
「あれ…そうだね…」
「その理由は、その像が実際にポポポ島で歳月を経てきた実物だからだ。スネ夫の出まかせはいつもの事でも、もしかしたら今度こそ本当かもしれない。旅行という本当の行動と、ポポポン信仰という実際に存在する脅威を、怖がらせという悪意に結びつけてしまった事で、スネ夫の意図自体は薄くなってしまった。だが、」
「だが?」
「スネ夫の拙い悪意のせいで祓える目がある。ポポポ島の観光地区は北側でね。ポポポン信仰が盛んで、文化も発展した都市部だ。でもこの像は北側のものじゃないんだ」
「どうしてそんな事がわかるのさ」
「ポポポンは本来石像なんだよ。これは南側文化だから木彫りなのだ」
「スネ夫がこれに呪いがあるって言ったのはポポポンの呪いがあるかもって思ったからで、でもこれはポポポンの像じゃないしポポポン信仰とも関係がないんだね」
「そうだ。バカで胡乱なきみはスネ夫が迂闊に持ち込んだ祓いにくい呪いに、さらに「怖がった」という事実をのっけた上で杜撰に裏山にでも埋めるつもりだっただろう。もしも不運が重なったら、バカなだけじゃなくてのび太くんが加害者になっちゃう可能性だってあったんだ」
「そうだね…じつはドラえもんの言う通り裏山にでも埋めるつもりでいたけどやめたよ。かわいいし、気にしないで飾っておけばいいのかな?」
「んー、大切にするなら飾っててもいいだろうけど、悪くならないように箱に入れてしまっておくと…価値が出るかもなあ」
「ちゃんとした箱買ってくるね!!」




「のび太くんもスネ夫も、何も知らないから助かった」
「1番目の呪いは、これがpopo宗教戦争のトロフィーだって事だよ…
南北で別れた文化と宗教。酸鼻を極めた戦禍は老若男女関係なく30年もの間殺戮が続いた。
スネ夫がどこから持ってきたか知らないけど、こんなものが裏山なんかで日本にいる関係者に泥まみれで見つかったら…最悪ここ日本でpopoの悲劇が繰り返されるぞ…」
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