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アステリア編

第10話 二つのスキルの鍛錬

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訓練中の出来事。

 「『武器生成ヴァース』は自分の魔力量によって、大きさや量が決まる。
武器交換テンソー』は魔力制御と精神力によって決まる。魔力量はOKだ。今はひとまず魔剣を作りまくって慣れるしかない。」

魔力制御はイメージと練習が肝心らしい。

俺は三時間魔剣を作りまくった。
時々剣以外にナイフや双剣クロスセイバー、ガントレットに槍も作っていた。だいたい300本作ったあたりで魔力が尽きた。

ヴィットリーさんがきた時に剣の数を見てふらついていたがポーションをもらい今度は魔力制御に取り組んだ。

これがなかなかむずかしい。さっきまではゼロからイメージして作るだけだったが、剣をから槍と元の形を変換するイメージが少し厳しかった。1日目はそこで終了した。

成果としては10秒で変えれるようになった。その様子をヴィットリーさんに見せたら、またふらついた。後日談ではあるが平均8秒らしく、一日では最悪1分も切れないらしい。

そんなわけで頭がパンクしそうだった。ずっと考え続けないといけなかったからだ。

2日目は『武器交換テンソー』の鍛錬をした。最終的に、2時間で2秒まで短縮した。もう少し頑張ろうとしたが、ヴィットリーさんが「もうスキルは大丈夫だ、それよりも扱い方を教えよう。」と言ったのでそこで切り上げた。なぜか焦ってたけど。

まず握り方から教わった。持ち方にムラができると力が変に分散して剣が手から抜けるらしい。

そんなこんなで振り方を一日かけて降っていた, 。手が豆だらけになっていたが、プルムに頼んだら「お任せください」と一瞬にして消えた。さすがだと撫でたらとても嬉しそうに震えていた。可愛いなー。

次の日は動きながら二つのスキルを使う練習をした。

キツイねー。魔力は貯めれても正確に作るとなると、また話は違ってくる。仮に作れても歪んだり、長さが変わったりととても魔剣とは言えないものしか作れずその日も終わった。

そして次の日になってまた動きながらの練習。昼頃にはようやく魔剣は作れたが、ほかの種類を作ることは厳しかった。
なんとか夕方に剣、ナイフ、双剣クロスセイバーは作れるようになった。

そして5日目は実戦になった。俺は誰と戦うのか気になって闘技場にやってきたが、そこには絶望があった。
 「残り二日間は私が相手だ。」

そう。中央にヴィットリーさんが立っていた。
その日はとにかくコテンパン。最初に不意打ちで倒され、魔剣を作ってる途中で斬られ、鍔迫り合いになった時にパワー負けして倒され、とにかく倒されまくった。

そして6日目の昼にようやくまともになってきた。昨日は1分も持たなかったが、もう15分はついてこれるようになった。でも倒せるわけがなかった。何より殺気がすごい。少し硬直してしまうほどの凄みがあった。これが元S級の実力と悟った。

そして夜になって、「これで訓練は終わりだ。よく頑張った。」

やっと解放される。俺はとにかく疲れた。この日はとにかく疲れた。

そして次の朝俺はシルヴィさんと相対することになった。
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