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第一章 未来異星世界
056 未踏破領域と合成獣
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秩序の街・多迷宮都市ラヴィリアを離れ、長距離移動用の装甲車の窓から景色が流れていく様をぼんやりと眺めること約一時間。
数十メートルはある巨大な壁が立ち並ぶ光景が視界に映った。
当然ながら、奥に何があるかは見ただけでは全く分からない。
しかし、この先には鬱蒼とした森が広がっていることは、ASHギルドに所属している者にとっては既知の事実だ。
「あそこから先が未踏破領域か」
少し手前に設けられた駐車場に停車させた装甲車から降り、領域を隔てるように地平線の先まで伸びる高い壁を改めて見渡しながら呟く。
この星の人々が未だ自由に立ち入ることができずにいる領域。未踏破領域。
何故、遥か未来にあってそんな場所が残されているかと言えば……。
「まさか環境コントロールシステムが暴走してるとはね。酷い未来だわ」
若干呆れたようにドリィが言った通り。
本来ならば人間の生活環境を整えたり、自然の保護と維持を行ったりするために作られた制御装置が、異常動作を起こしてしまっているからだ。
その状況は未踏破領域によって異なる。
今回は植物が異常増殖しているが、別の場所ではブリザードや砂嵐が吹き荒れていたり、一帯がマグマ溜まりになっていたりする極限環境の場合もあるそうだ。
しかも、温度や風速などが地球の常識とはかけ離れた数値になっているとか。
もはや一部分だけ異なる星が顕現してしまっているかのようだ。
「しかも、防衛システムまでおかしくなってるんでしょ? 散々ね」
「調べた限りそのようですね。空爆によって環境コントロールシステムの破壊を試みたこともあったそうですが、防空システムによって全て落とされたそうですし」
「その上で地上にはゲリラ兵もかくやっていう外敵、幻想獣がいる、と」
やれやれ、と面倒臭そうに溜息をつくドリィ。
幻想獣とは端的に言えば、時空間転移システムの暴走によって引き起こされた転移に伴って再構成された動物達のことだ。
マグやアテラが超越現象を得たように特殊な能力が発現し、また異常環境に適応するために特殊な進化を遂げて繁殖している。
結果、かつてフィクションにあったモンスターのような外見を有し、自身のテリトリーを侵す人間に対しては敵意しか持ち得ない怪物となった。
それを狩って対価を得ることで生活するのが狩猟者だ。
「今回は低ランクの幻想獣の討伐依頼なのよね?」
「ああ。初心者向けのローリスクローリターンの奴だ。……まあ、何かの拍子にランクの高い凶悪な幻想獣が壁の近くまで来ることはあるらしいけどな」
領域は環境コントロールシステムを中心に円形に広がっていると推測される。
つまるところ中心に行けば行く程、より過酷な環境になっており、それに適応した恐るべき幻想獣がいるということだ。
逆に領域を隔てるこの境界に近ければ近い程、変異の度合いが低い幻想獣が多くなるため、狩猟者に成り立ての新人はここで経験を積む。
基本的に実力に見合った場所で活動していれば危険は大きくない。
とは言え、調子に乗って中心部へ足を進めたり、運悪く奥地にいるはずの幻想獣に遭遇してしまったりして命を落とす者もいる。
狩猟者もまた危険と隣り合わせの職業であることは間違いない。
もっとも――。
「どんな敵が出てきたって、フィアが皆を守ります!」
「ありがとう、フィア」
「その前にアタシがズタズタに切り裂いてあげるわ」
「頼りにさせて貰うよ、ドリィ」
ルクス迷宮遺跡最深部まで容易に到達することができた最大の要因たるフィア。
その彼女のシールドを全開にしてようやく打ち破ることができたドリィ。
この二人がいれば、壁際で幻想獣を狩る分には何の問題もないだろう。
フラグではなく、確固たる事実として。
「よし。行こうか」
だからマグ達は変に気負うこともなく、頑強な扉の手前にあるリーダーに端末をかざして壁の中への足を踏み入れたのだった。
数十メートルはある巨大な壁が立ち並ぶ光景が視界に映った。
当然ながら、奥に何があるかは見ただけでは全く分からない。
しかし、この先には鬱蒼とした森が広がっていることは、ASHギルドに所属している者にとっては既知の事実だ。
「あそこから先が未踏破領域か」
少し手前に設けられた駐車場に停車させた装甲車から降り、領域を隔てるように地平線の先まで伸びる高い壁を改めて見渡しながら呟く。
この星の人々が未だ自由に立ち入ることができずにいる領域。未踏破領域。
何故、遥か未来にあってそんな場所が残されているかと言えば……。
「まさか環境コントロールシステムが暴走してるとはね。酷い未来だわ」
若干呆れたようにドリィが言った通り。
本来ならば人間の生活環境を整えたり、自然の保護と維持を行ったりするために作られた制御装置が、異常動作を起こしてしまっているからだ。
その状況は未踏破領域によって異なる。
今回は植物が異常増殖しているが、別の場所ではブリザードや砂嵐が吹き荒れていたり、一帯がマグマ溜まりになっていたりする極限環境の場合もあるそうだ。
しかも、温度や風速などが地球の常識とはかけ離れた数値になっているとか。
もはや一部分だけ異なる星が顕現してしまっているかのようだ。
「しかも、防衛システムまでおかしくなってるんでしょ? 散々ね」
「調べた限りそのようですね。空爆によって環境コントロールシステムの破壊を試みたこともあったそうですが、防空システムによって全て落とされたそうですし」
「その上で地上にはゲリラ兵もかくやっていう外敵、幻想獣がいる、と」
やれやれ、と面倒臭そうに溜息をつくドリィ。
幻想獣とは端的に言えば、時空間転移システムの暴走によって引き起こされた転移に伴って再構成された動物達のことだ。
マグやアテラが超越現象を得たように特殊な能力が発現し、また異常環境に適応するために特殊な進化を遂げて繁殖している。
結果、かつてフィクションにあったモンスターのような外見を有し、自身のテリトリーを侵す人間に対しては敵意しか持ち得ない怪物となった。
それを狩って対価を得ることで生活するのが狩猟者だ。
「今回は低ランクの幻想獣の討伐依頼なのよね?」
「ああ。初心者向けのローリスクローリターンの奴だ。……まあ、何かの拍子にランクの高い凶悪な幻想獣が壁の近くまで来ることはあるらしいけどな」
領域は環境コントロールシステムを中心に円形に広がっていると推測される。
つまるところ中心に行けば行く程、より過酷な環境になっており、それに適応した恐るべき幻想獣がいるということだ。
逆に領域を隔てるこの境界に近ければ近い程、変異の度合いが低い幻想獣が多くなるため、狩猟者に成り立ての新人はここで経験を積む。
基本的に実力に見合った場所で活動していれば危険は大きくない。
とは言え、調子に乗って中心部へ足を進めたり、運悪く奥地にいるはずの幻想獣に遭遇してしまったりして命を落とす者もいる。
狩猟者もまた危険と隣り合わせの職業であることは間違いない。
もっとも――。
「どんな敵が出てきたって、フィアが皆を守ります!」
「ありがとう、フィア」
「その前にアタシがズタズタに切り裂いてあげるわ」
「頼りにさせて貰うよ、ドリィ」
ルクス迷宮遺跡最深部まで容易に到達することができた最大の要因たるフィア。
その彼女のシールドを全開にしてようやく打ち破ることができたドリィ。
この二人がいれば、壁際で幻想獣を狩る分には何の問題もないだろう。
フラグではなく、確固たる事実として。
「よし。行こうか」
だからマグ達は変に気負うこともなく、頑強な扉の手前にあるリーダーに端末をかざして壁の中への足を踏み入れたのだった。
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