EX級アーティファクト化した介護用ガイノイドと行く未来異星世界遺跡探索~君と添い遂げるために~

青空顎門

文字の大きさ
58 / 128
第一章 未来異星世界

058 収穫と現状

しおりを挟む
「最後まで問題なかったな」

 未踏破領域を出て、秩序の街・多迷宮都市ラヴィリアに戻る途中。
 装甲車の中で一息つきながら、マグはアテラ達に向けて言った。

「依頼も全く難しくなかったですね」

 それに応じて肯定するように言葉を返したアテラに頷く。
 端末を通じて追加で依頼されたのは、この未踏破領域特有の木のような外見に進化した幻想獣トレントの討伐と、枝や幹のような形状の部位の収集だった。
 木々と植物で入り組んだ道なき道を進んで群生地に至った直後は、根で歩き、枝を触手の如く蠢かすトレントの数の多さに少し圧倒されはしたものの……。

「アタシとフィア姉さんがいれば、あれぐらいものの数じゃないわ」

 やはりと言うべきか、二人の力は頭抜けているようだ。
 恐らく普通の狩猟者だったら四方八方から迫り来る枝に対応し切れず、物量に押されるような形で敗北してしまっていたに違いない。
 そうした難易度の問題に加え、ここは素材が地面に吸収される未踏破領域。
 厄介なその特性もあり、トレントの部位収集依頼がマグ達に追加で来た訳だ。
 フィアとドリィの力を分析し、適していると判断されたのだろう。
 もっとも、主な要因は丁度いいタイミングでここにいたからだろうが。
 いずれにしても。
 本来なら脅威だっただろう枝はフィアのシールドを抜くこともできず、ドリィのレーザーで一瞬の内に細切れにされていた。
 理由はどうあれ、二人にとっては朝飯前の依頼だったことは間違いない。

「……もう少し高難易度の依頼でもいいのかもしれないな」

 最終的な目的は時空間転移システムのコアユニットと、人間を機人にする装置。
 それらの発見を目指すのであれば、いつまでも安全圏にいる訳にもいかない。
 少しずつでも先に進んでいく必要がある。
 その程度の力は既にあるとするのは正常な認識だろう。

「俺達の情報も上方修正されているみたいだしな」

 言いながら空中ディスプレイを出し、自分達のデータを表示させる。
 内容は以下の通り。

マグ・アド・マキナ
種族     :旧人
人格     :やや異質(治安を乱すものではない)
パワー    :E(先史兵装PTアーマメント使用時:C)
スピード   :E(先史兵装PTアーマメント使用時:C)
戦闘レベル  :E-(先史兵装PTアーマメント使用時:B)
超越現象PBPタイプ:干渉・他
判定     :戦闘不可(先史兵装PTアーマメントにて武装した場合は可能)
備考     :超越現象PBPは対象の状態を任意の時点に戻すもの。

アテラ・エクス・マキナ
種族     :機人(アーティファクトランク:EX)
人格     :可(所有者の管理を要する)
パワー    :D
スピード   :D+(先史兵装PTアーマメント使用時:EX)
戦闘レベル  :C+(先史兵装PTアーマメント使用時:A)
超越現象PBPタイプ:干渉・自
判定     :戦闘可(先史兵装PTアーマメントにて武装した場合は推奨)
備考     :超越現象PBPは機械装置の吸収と機能の習得。
        得られた機能によっては戦闘適性が大幅に上昇する可能性有。
        断片フラグメントの保有は確認できず。

フィア・エクス・マキナ
種族     :機人(アーティファクトランク:EX)
人格     :良好
パワー    :D+
スピード   :C
戦闘レベル  :B+
超越現象PBPタイプ:放出
判定     :戦闘推奨
備考     :超越現象PBPは防御シールド形成。
        断片フラグメントを保有。

ドリィ・エクス・マキナ
種族     :機人(アーティファクトランク:EX)
人格     :可(所有者の管理を要する)
パワー    :C
スピード   :C+
戦闘レベル  :S
超越現象PBPタイプ:放出
判定     :戦闘推奨
備考     :超越現象PBPは殺傷性レーザーの照射。
        断片フラグメントを保有。

 どう見ても、低ランクの迷宮遺跡の探索や幻想獣の相手だけをしていたら罵倒の一つも飛んできそうなレベルになってしまっている。
 ここまで来ると、もはや慎重ではなく臆病となるだろう。

「それでも、一歩一歩進んでいきましょう」
「ああ。そうだな」

 方針を再確認するように告げるアテラに、自分に言い聞かせるように応じる。
 急ぎ足でも一段ずつ。
 元々底辺労働者に過ぎなかった凡人には、それこそが最善の道だ。
 マグはそう考えながら、依頼の表示に切り替えた端末へと視線を落とした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...