おねえちゃんはそんなこと教えてない!

小村辰馬

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「ねえちゃんのおっぱいをさわらせてください!!!!!!」
「ぶほっっっ」

盛大に吹き出した紅茶を拭いながら、私は思わず痛む頭を押さえた。

最近やんちゃと反抗期を拗らせに拗らせ可愛げの無くなってきた15も歳下の愛しい我が弟が、久々に相談事があると部屋を訪ねてきたものだから何事かと思えば……

「……今回は一体何を言われたの?」
「うっ」

何故バレたという顔をしているが逆に何故バレないと思ったのか。
私の問い掛けに暫く神妙な面持ちを見せると、彼はひどく言い難そうな様子で口を開いた。

「……カーソン家の奴らに馬鹿にされたんだよ。庶民の出の奴はどうせおんなの味も知らねーんだろって」
「ンぐふぅッ」

今度は紅茶を喉に詰まらせた。

あ、あのクソ餓鬼どもめ~~またうちのレイにイチャモン付けやがったんだな。

我がバームスタイン家には男児が生まれなかった。この国では原則家督を継ぐのは男と決まっている。新たな命を授かるより前に母様は数年前に病死し、しかしいつまで経っても後妻を迎えようとしなかった父様は結局養子を迎えるという選択をした。
なんでも、亡くなったレイの父は庶民の出でありながらも嘗て戦場で名を馳せた武人であったらしく、父様も若かりし頃権力争いのいざこざでとても世話になったそうな。そんな嘗ての恩人であり友人が妻と共に不慮の事故で亡くなったと知り、是非一人息子のレイを自身が引き取りたいと申し出たのだそうだ。
 
しかしそこそこに大きな家であるバームスタイン家の血筋を引いていない者が家督を継ぐことに異論を唱える者も少なくはなく、そんな者達の子息もまたよく分からないまま刷り込みにより何も落ち度の無いレイに度々嫌がらせをしているようであった。貴族の子ならこの川を橋など使わず渡れるだろうだの、貴族の子ならそこの家の果実を誰にも気付かれることなく取って来られるだろうだの本当に貴族の子かという野蛮な試練を課しては成功しようと失敗しようとレイを馬鹿にするのだ。
レイはそのことを私達に告げ口しようとはしなかったけれど、見つける度に私が怒りの制裁を与えてやるのが常だった。子供同士の喧嘩に大人げ無いとでも何とでも言ってくれたまえ。影で鬼婆とあだ名が付いているらしいけどどこ吹く風である。

しかし今回のはちょっと頂けないな。尻の青い小僧どもが女の味って……何をぬかしてやがるんだ。なんていったってレイはまだ今年で9歳。それぐらいの歳の男の子といえば鼻なんて垂らしながら勇者ごっこなどに明け暮れ、ママの腕の中で冒険活劇を読み聞かせてもらうそんな歳でしょうに。

「あのさ、レイ。間違いなく言ってきたカーソン家のクソ餓鬼達もそんなその……女性のあれそれなんて知らないから、無視しちゃっていいんだよ……?」
「でもおんなはおっぱいを触られたらよろこぶって! オレはおんなのおっぱいをどう触ればおんなが喜ぶか知ってるって! そう言ってたぞ!!」
「んん゛っ! げふんげふんっ!」

またも紅茶が変なとこに入って咽せてしまった。
カーソン家め……一体どういった教育してやがるんだ……それかそういう類の書籍はしっかりと隠して生活して頂きたい。うちのレイにまで間違った知識が刷り込まれてしまったらどうしてくれる。

「無闇におんなのおっぱい触ったら怒られるのは知ってる。カーソン家にいつも付いて回ってるヒッグス家の奴が前茶会にいた同い年のご令嬢のおっぱい触って盛大に叩き返されてるの見たから」
「ああ~」

そんなこともあったな。
この年頃の男の子は女の子のスカートをめくったり性器を触ったり、意識するがあまり話せなくなる前の段階はそういったちょっかいを掛けることによって女の子の気を引こうとするものだ。ありふれた光景ではあるものの貴族男児として見苦しいことこの上なかったし、ご令嬢の見事なビンタは茶会が催されていた中庭中に響き渡っていた。実によくやったという気持ちであった。

「学校の同級生は勿論、メイドの人達にも頼めるわけないし、こんなこと頼めるのねえちゃんしか……」

もじもじ視線を泳がせ、頰を赤らめながら見上げてくるレイ。
甘い顔立ちというよりはきつめの顔立ちのレイではあるけれど、やはり年端のいかない少年は少年。言い辛そうにしながらも勇気を振り絞って懸命に、しかも上目遣いでお願いしてくる様はたまらなく愛らしかった。
何より初めて出会ってから4年。当初は警戒心を剥き出しにしてなかなか懐かなかったレイを我が子のように大切に世話をし(実際親子ほどの歳が離れているが)、時には共に蹴鞠に興じ時には共に木登りなどをして窓ガラスや美しく剪定された木の枝を破壊しては父様の雷を落とされながらも私はレイの心を開いていった。ちょっと予想を上回ってやんちゃに育ちすぎた感は否めないけれども、レイは血は繋がらずとも手塩にかけて育てた我が子同然の可愛い可愛い大切な弟なのだ。
そんな弟が私にしか頼めないと、最近は学校で新たにできた友達と遊んでばかりで私に然程構ってくれなくなった弟が姉である私だけを頼って、恥ずかしがりながらもお願いをしてくれている……! こんなに嬉しいことはない。
なに、これでレイが満足するのなら乳の一揉みやふた揉み安いもんだ。むしろレイが私以外の誰かを頼っておっぱいを触る事の方が避けたい。もし口外されでもしたらバームスタイン家の威信にもレイ自身の今後にも差し支えるし、何より私がいやだった。既に自覚はしているが、私は重度のブラコンなのだ。

「わかった。準備するから待ってて」
「えっ!」

ブラジャーを外すためにレイに背を向けかけた私は彼の声に再び振り返る。
顔面を紅潮させながら私の顔を見つめるレイ。普段と比べて年相応のあどけなさが強く見えて可愛い。吊り目気味のアーモンド型の瞳で私の顔から胸元まで視線を滑らせるとカッと頬を赤らめてまた私を見上げてきた。

「ほんとに、いいの……?」
「? うん。別に減るもんじゃないし、私にしか頼めないんでしょ?」
「う、……うん」
「じゃあなにも気にしないで、お姉さまに任せなさい。レイが満足するまで付き合うから」
「まんぞく……」

また顔面を真っ赤にしているレイに背を向けると夜着であるブラウスのボタンを外して脱ぎ落とし、更にそこそこ豊かに実った双丘を守るブラジャーも外す。

「ね、ねえちゃん」
「ん? 下着があったら触りにくいでしょう?」

そう言って再び手早くブラウスを身に纏ってレイの方に向き直ると、呆けたような顔をされた。
生乳を差し出すとでも思っていたのだろうか。いやさすがにそれはちょっとね……レイは可愛い弟だし、私は生乳でも別段構わないけれど。お年頃のレイは恥ずかしがってしまうかもしれないもの。
レイの座る数人掛けのソファに腰掛け、拳一つ分ほどに距離を詰める。

「おまたせ。さ、どうぞ」

シャツ一枚に包まれたおっぱいをレイに向かってずいと差し出すと、支えを失った二つの果実はちょっとの振動でふるんと大げさに揺れた。
しかし待てども待てどもレイはちっとも私のおっぱいに触れてこようとしない。

「レイ? どしたの、触らないの?」
「ぁ……う……だ、だって……」

視線をうろつかせながら、そのくせ両手はこちらへ持ち上げ度々私の携えるおっぱいへと確実に視線を注いでいる。お顔はしっかり紅潮させながら。これはーーそう、触りたくて触りたくてたまらないものの、身内が見ている手前(しかもその身内の性器を触ろうとしている)そのような行為を見られる引け目が彼なりのプライドを繋ぎ止めているといったところだろう。
年相応のこの葛藤はたいへんいじらしくて可愛らしいけれど、いつまでもこうして私とレイと私の乳とで睨めっこをしている訳にもいかない。

「えい」
「?!」

痺れを切らしてレイの手首を掴むと、私は彼の手のひらを自身の胸元へ押し付けてやった。
むにゅぅ、とレイの小さな手が私の柔肉に沈み込む。ちらりとレイの方を見やると彼は顔面を真っ赤に染めながら、驚いたように口をはくはくと開閉させている。その初心な反応があまりにも可愛くて、腰の辺りをなんだかいけない快感がくすぐった。

「ほら、レイ。私のことは気にしなくていいから。お姉ちゃんのおっぱい揉んでみて?」
「う……」
「ここで経験したことをきちんと伝えないと、カーソン家の奴らにまた馬鹿にされちゃうよ?」
「ッ……!」

レイは暫く逡巡したのち、意を決したように私のおっぱいに向き直った。そこまでしてバームスタイン家の嫡男としての威厳を保ちたいと思ってくれているなんて……お姉様は感動のあまり涙がこぼれそうだよ。

改めておっぱいを掴み直すと、控えめながらもレイは私の片乳を揉みしだき始めた。恐る恐るもう片方の乳房にも手を伸ばしてくると、両手で私のおっぱいを揉み始める。
むに、むに、もにゅ、むにゅ、

「すげ……ねえちゃんのおっぱい、やーらかい……」

そこそこにたわわな私のおっぱいはレイの小さなお手手のキャパを遥かに超えており、柔乳を掬い上げ、掴み直される度に歪に形を変え、彼の指の間から溢れ落ちる。
我が乳ながらその様子はたまらなくえっちで、なんていうか、背徳感がすごい。自分で勧めておきながら15も年の離れた弟におっぱいを揉みしだかれている様子は非現実的で、居たたまれなく、今度は私の方が視線を逸らしてしまった。
ふとレイを見下ろすと真っ赤になりながらもめちゃくちゃおっぱいを凝視していた。レイの手によって踊るように形を変える私のおっぱい達。初めての生命体との接触に興味津々なのだろう。愛おしさと気恥ずかしさに私まで頰が熱くなった。

私の視線に気付いたのか、私を見上げたレイと視線が交わる。

「ねえちゃん、きもちいい?」
「えっ」
「相手をきもちよくさせないと、女を知ったことにはならないから……」
「あぁ……」

本当にカーソン家の奴らは碌なことを吹き込まない。
正直言うと、快感は鈍い。感度は低くはない方だが乳房を揉みしだかれた程度では然程の快感は得られなかった。時たま頂にレイの指や手のひらが擦れると刺激は走るけれど、絶頂に至るまでの快感かと言われるとそうでもない。
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