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第十話 進む者、託す者、背負う者
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メレイェ山の麓を離れてどれくらいが過ぎただろう。メナリはポルランに乗りながら後ろを振り返る。
(………………)
そこには疲労の色を濃くした人々がいた。特に病弱な者や老人は限界が近いかもしれない。
時が過ぎるほどに、集団の歩みは遅くなっていた。これでは機動力が自慢の草原の民も形無しだ。
「そろそろカルタの準備をしよう」
長がそう宣言する。
「はあ!?」
若い男が長の言葉に突っかかった。
「まだ、全然進んでねぇじゃねぇか!」
「そうは言っても、年寄りや体の弱い者はもう進めない。仕方がないことだ」
「こっちは命がかかってんだぞ! そんなやつら置いてけよ!」
このようないざこざは最近ますます増える一方だ。メナリは渋い顔をした。
「命は平等だ。嫌なら先に一人で行けば良い」
「クソッ」
集団の食料は厳格に管理されている。一人で出て行ったところで飢え死にするだけだ。男は近くにいた老人を押しのけ自分のカルタを張るために去って行った。
「すまんのう……すまんのう……」
押しのけられた老人、ドゥーイはそう繰り返した。彼は最近腰を痛めたせいで思うように馬を駆れなくなっていたのだ。メナリはドゥーイに寄り添い、励ます。彼女なりのやり方で。
「気にすることないわよ、ドゥーイさん。全く、いい年して駄々をこねるとか終わってるわね。ああいうのは真っ先に敵の矢に刺さるタイプだわ」
「はは、ありがとうメナリ」
「どういたしまして。あ……ドゥーイさんちのカルタ立てるの手伝うよ」
「ありがたいが……自分たちのはええのか?」
「そっちは後でやるわ」
「すまんのう」
「こういう時こそ助け合いでしょ!」
メナリはニカッと笑った。
しかし、この問題はさらに大きく膨らんでいった。
「集団を二つに分ける」
突然そう言い出したのは長にことあるごとに突っかかっていた男だった。
「どう分ける?」
長が男に聞く。
「年寄りや病弱なやつらと健常者だ」
「それでは老人や体の弱い者は敵に追いつかれたら全滅してしまうではないか」
「一緒にいたんじゃ俺たちが割を食っちまう。食料は分けてやるんだ、いいだろう」
「食料があったとしても死んでしまえば終わりだ」
一歩も引かない長と男。しかし、今日は男の方に分があった。
「ここにいるやつらは俺の賛同者だ。ここにいない者も含めて集団の人口の三分の一は賛成している」
男の後ろにいた者たちが頷く。
「逆に言えば三分の二は賛成していないんじゃないか?」
「ふん、その三分の二に何ができる。一応教えてはやったがこれは相談じゃない。決定事項だ。これから賛同者たちで食料や家畜の分配をしていく」
結局、男の側には賛同者たちとそれに流された者たちがついていった。残されたのは長と老人とその家族、病持ちと男に反発した者たちであった。
「まったく、薄情なやつらね」
男たちを見送りながら、メナリが呟いた。ルーアがそれに反応する。
「ほっときゃいいんだよ、ああいうやつらにはいつか報いがくるさ」
しかし、同じく近くにいた長が渋い顔をした。
「だが、物資は多くを持っていかれてしまった。早急に対策を立てないと食料も底をつきてしまう」
「なんとかなるさね」
ルーアは重苦しい空気を吹っ切るようにそう言った。
皆の淡い期待は悪い方の意味で裏切られた。
まず、老人の割合が増えたことによって歩みはさらに遅くなった。そして、カルタの組み立ても倍以上の時間がかかるようになった。歩みが遅くなれば、当然食料の消費も多くなる。
極めつけは先程届いた知らせだ。
「急げ! 敵は馬で五日ほどの距離まで迫っている!」
その知らせを聞き、集団の焦りは大きくなる。
「まずいな……」
長が渋い顔をする。
「すまんのぅ……儂ら足手まといがおるせいで……」
「ドゥーイさん、気にしないでって言ったでしょ? 今までお世話になった分くらい返させてよ」
「そうじゃそうじゃ、年寄りを敬え!」
「ダルさんは態度デカすぎ」
おちゃらけた老人に目を細めて一蹴したメナリは長の方を向き直った。
「でも、どうにかしないとまずいわよね」
「と言ってもなあ……」
「いっそ道を逸れて隠れてみるってのは?」
「一か八かだが、ただ、敵の軍勢に呑まれるのを待つよりはいいかもしれんな」
「決断は早い方がいいわよね」
「ああ、腹をくくるか。明日、日が昇った頃から進路を変えよう」
「分かった。みんなに伝えてくる」
「頼む」
メナリが長の補佐的な役割をしている理由は三つほどある。一つは彼女の父親が長と親しかったから。二つ目はこの状況で動ける若い者がほとんどいないからだ。そして三つ目。それは彼女がそういう性分だからだった。
集団が道を逸れて二日後の朝。
「ねぇ、おばあちゃん知らない?」
「息子がいないの! 体が弱いから遠くへは行っていないと思うんだけど……」
カルタでは家族を探す者たちの喧噪で溢れかえっていた。
「いったいどういうことだ?」
男性が疑問の声を上げた。
「おじさん! いなくなったのって誰!?」
メナリも駆けつけた。
「いなくなったのは年寄りや病気がちの者が多いな……っておい! どこ行くんだ?」
メナリは男性の話を聞くや否や、良くない予感がして進んできた道を引き返した。
早足で進む彼女の胸騒ぎは大きくなる一方だ。
カルタを出て少しした所で、メナリは嫌な臭いをかいだ。それは家畜を屠(と)殺(さつ)するときの臭いに似ていた。
心臓の鼓動がうるさい。
前方に見えたくぼ地。彼女はその先に待つものを心のどこかで理解しつつ、けれど間違いであって欲しいと願った。
重い、重い一歩を進めた。
彼女はそれを見た瞬間、膝から崩れ落ちた。
「そんな……」
くぼ地に横たわる数十人の亡(な)骸(きがら)。その様子から、メナリは分かってしまった。
突き刺さる短剣、そこから滴り落ちる血。折り重なるように倒れている同胞。
「そんなの、みんな望んでないわ……」
愕然とそう呟くメナリ。
「すまんのぅ」
すぐ近くで聞き覚えのある声がした。
「ドゥーイ……さん?」
呼びかけてみたがその焦点は定まっていない。
「良かった、ドゥーイさんは無事―」
「こうするしかなかったんじゃ……」
まるでメナリの言葉は聞こえていないかのようだ。
「皆の分も生きとくれ……」
よろよろと歩くドゥーイを視線で追いかける。
「危ない……!」
よろけたドゥーイを支えるメナリ。
「大丈夫!? しっかりして!」
メナリがドゥーイを軽く揺すったとき。
ゴフッ。
ドロリと口元から血がこぼれた。
「え……」
驚いてドゥーイを見つめたが、すでに彼の目に生気はなくなっていた。
「どうして……どうして!」
なぜ、彼らは死ななければならなかったのか。頭では分かっている。でも、メナリはそれを望んでいなかった。
「皆、未来ある者に行く末を託したんだ」
背後からしたのは、長の声だった。
「……知ってたの?」
顔だけを長に向け、質問をする。
「相談……というより決意を聞かされたよ。未来ある若者たちの足を引っ張る訳にはいかないとな。全員了解した上でのことだ」
「全員……」
そこでメナリは倒れている者たちを見て、ハッとした。
「ダンさんたちは!?」
カルタからいなくなった者たちの何人かは見てとることができなかった。
「この者たちが死んだところで敵に見つかってしまえば無駄死にだ。だから、年寄りの中でも動けるダンたちは囮になると言って出て行った」
長の言葉を聞いてメナリはドゥーイをそっと横たえ、カルタの方へ踵(きびす)を返そうとした。
長は語気を強めて言う。
「お前が行ったところで何も変わらん!」
「みんなを連れ戻す!」
「間に合わん!」
「馬で行けば間に合う!」
「百歩譲って間に合ったとして、お前はここに倒れている者たちの死を無駄にするのか!?」
「じゃあ!」
メナリの声に嗚咽が混じった。
「じゃあ私はどうすればいいのよっ!!」
爪が食い込むまで拳を握りしめるメナリに、長は言った。
「生きろ。それがこの者たちの願いであり、死する者たちの唯一の希望だ。ドゥーイは言っていた。『こんな状況でも弱き者の側に立てる人間はそうそういない。メナリは草原の民の光だ』とな」
「何で……何でみんなで一緒に生きようって選択肢がないのよ……!」
メナリは心の奥から気持ちを絞り出すかのように、そう言った。
(………………)
そこには疲労の色を濃くした人々がいた。特に病弱な者や老人は限界が近いかもしれない。
時が過ぎるほどに、集団の歩みは遅くなっていた。これでは機動力が自慢の草原の民も形無しだ。
「そろそろカルタの準備をしよう」
長がそう宣言する。
「はあ!?」
若い男が長の言葉に突っかかった。
「まだ、全然進んでねぇじゃねぇか!」
「そうは言っても、年寄りや体の弱い者はもう進めない。仕方がないことだ」
「こっちは命がかかってんだぞ! そんなやつら置いてけよ!」
このようないざこざは最近ますます増える一方だ。メナリは渋い顔をした。
「命は平等だ。嫌なら先に一人で行けば良い」
「クソッ」
集団の食料は厳格に管理されている。一人で出て行ったところで飢え死にするだけだ。男は近くにいた老人を押しのけ自分のカルタを張るために去って行った。
「すまんのう……すまんのう……」
押しのけられた老人、ドゥーイはそう繰り返した。彼は最近腰を痛めたせいで思うように馬を駆れなくなっていたのだ。メナリはドゥーイに寄り添い、励ます。彼女なりのやり方で。
「気にすることないわよ、ドゥーイさん。全く、いい年して駄々をこねるとか終わってるわね。ああいうのは真っ先に敵の矢に刺さるタイプだわ」
「はは、ありがとうメナリ」
「どういたしまして。あ……ドゥーイさんちのカルタ立てるの手伝うよ」
「ありがたいが……自分たちのはええのか?」
「そっちは後でやるわ」
「すまんのう」
「こういう時こそ助け合いでしょ!」
メナリはニカッと笑った。
しかし、この問題はさらに大きく膨らんでいった。
「集団を二つに分ける」
突然そう言い出したのは長にことあるごとに突っかかっていた男だった。
「どう分ける?」
長が男に聞く。
「年寄りや病弱なやつらと健常者だ」
「それでは老人や体の弱い者は敵に追いつかれたら全滅してしまうではないか」
「一緒にいたんじゃ俺たちが割を食っちまう。食料は分けてやるんだ、いいだろう」
「食料があったとしても死んでしまえば終わりだ」
一歩も引かない長と男。しかし、今日は男の方に分があった。
「ここにいるやつらは俺の賛同者だ。ここにいない者も含めて集団の人口の三分の一は賛成している」
男の後ろにいた者たちが頷く。
「逆に言えば三分の二は賛成していないんじゃないか?」
「ふん、その三分の二に何ができる。一応教えてはやったがこれは相談じゃない。決定事項だ。これから賛同者たちで食料や家畜の分配をしていく」
結局、男の側には賛同者たちとそれに流された者たちがついていった。残されたのは長と老人とその家族、病持ちと男に反発した者たちであった。
「まったく、薄情なやつらね」
男たちを見送りながら、メナリが呟いた。ルーアがそれに反応する。
「ほっときゃいいんだよ、ああいうやつらにはいつか報いがくるさ」
しかし、同じく近くにいた長が渋い顔をした。
「だが、物資は多くを持っていかれてしまった。早急に対策を立てないと食料も底をつきてしまう」
「なんとかなるさね」
ルーアは重苦しい空気を吹っ切るようにそう言った。
皆の淡い期待は悪い方の意味で裏切られた。
まず、老人の割合が増えたことによって歩みはさらに遅くなった。そして、カルタの組み立ても倍以上の時間がかかるようになった。歩みが遅くなれば、当然食料の消費も多くなる。
極めつけは先程届いた知らせだ。
「急げ! 敵は馬で五日ほどの距離まで迫っている!」
その知らせを聞き、集団の焦りは大きくなる。
「まずいな……」
長が渋い顔をする。
「すまんのぅ……儂ら足手まといがおるせいで……」
「ドゥーイさん、気にしないでって言ったでしょ? 今までお世話になった分くらい返させてよ」
「そうじゃそうじゃ、年寄りを敬え!」
「ダルさんは態度デカすぎ」
おちゃらけた老人に目を細めて一蹴したメナリは長の方を向き直った。
「でも、どうにかしないとまずいわよね」
「と言ってもなあ……」
「いっそ道を逸れて隠れてみるってのは?」
「一か八かだが、ただ、敵の軍勢に呑まれるのを待つよりはいいかもしれんな」
「決断は早い方がいいわよね」
「ああ、腹をくくるか。明日、日が昇った頃から進路を変えよう」
「分かった。みんなに伝えてくる」
「頼む」
メナリが長の補佐的な役割をしている理由は三つほどある。一つは彼女の父親が長と親しかったから。二つ目はこの状況で動ける若い者がほとんどいないからだ。そして三つ目。それは彼女がそういう性分だからだった。
集団が道を逸れて二日後の朝。
「ねぇ、おばあちゃん知らない?」
「息子がいないの! 体が弱いから遠くへは行っていないと思うんだけど……」
カルタでは家族を探す者たちの喧噪で溢れかえっていた。
「いったいどういうことだ?」
男性が疑問の声を上げた。
「おじさん! いなくなったのって誰!?」
メナリも駆けつけた。
「いなくなったのは年寄りや病気がちの者が多いな……っておい! どこ行くんだ?」
メナリは男性の話を聞くや否や、良くない予感がして進んできた道を引き返した。
早足で進む彼女の胸騒ぎは大きくなる一方だ。
カルタを出て少しした所で、メナリは嫌な臭いをかいだ。それは家畜を屠(と)殺(さつ)するときの臭いに似ていた。
心臓の鼓動がうるさい。
前方に見えたくぼ地。彼女はその先に待つものを心のどこかで理解しつつ、けれど間違いであって欲しいと願った。
重い、重い一歩を進めた。
彼女はそれを見た瞬間、膝から崩れ落ちた。
「そんな……」
くぼ地に横たわる数十人の亡(な)骸(きがら)。その様子から、メナリは分かってしまった。
突き刺さる短剣、そこから滴り落ちる血。折り重なるように倒れている同胞。
「そんなの、みんな望んでないわ……」
愕然とそう呟くメナリ。
「すまんのぅ」
すぐ近くで聞き覚えのある声がした。
「ドゥーイ……さん?」
呼びかけてみたがその焦点は定まっていない。
「良かった、ドゥーイさんは無事―」
「こうするしかなかったんじゃ……」
まるでメナリの言葉は聞こえていないかのようだ。
「皆の分も生きとくれ……」
よろよろと歩くドゥーイを視線で追いかける。
「危ない……!」
よろけたドゥーイを支えるメナリ。
「大丈夫!? しっかりして!」
メナリがドゥーイを軽く揺すったとき。
ゴフッ。
ドロリと口元から血がこぼれた。
「え……」
驚いてドゥーイを見つめたが、すでに彼の目に生気はなくなっていた。
「どうして……どうして!」
なぜ、彼らは死ななければならなかったのか。頭では分かっている。でも、メナリはそれを望んでいなかった。
「皆、未来ある者に行く末を託したんだ」
背後からしたのは、長の声だった。
「……知ってたの?」
顔だけを長に向け、質問をする。
「相談……というより決意を聞かされたよ。未来ある若者たちの足を引っ張る訳にはいかないとな。全員了解した上でのことだ」
「全員……」
そこでメナリは倒れている者たちを見て、ハッとした。
「ダンさんたちは!?」
カルタからいなくなった者たちの何人かは見てとることができなかった。
「この者たちが死んだところで敵に見つかってしまえば無駄死にだ。だから、年寄りの中でも動けるダンたちは囮になると言って出て行った」
長の言葉を聞いてメナリはドゥーイをそっと横たえ、カルタの方へ踵(きびす)を返そうとした。
長は語気を強めて言う。
「お前が行ったところで何も変わらん!」
「みんなを連れ戻す!」
「間に合わん!」
「馬で行けば間に合う!」
「百歩譲って間に合ったとして、お前はここに倒れている者たちの死を無駄にするのか!?」
「じゃあ!」
メナリの声に嗚咽が混じった。
「じゃあ私はどうすればいいのよっ!!」
爪が食い込むまで拳を握りしめるメナリに、長は言った。
「生きろ。それがこの者たちの願いであり、死する者たちの唯一の希望だ。ドゥーイは言っていた。『こんな状況でも弱き者の側に立てる人間はそうそういない。メナリは草原の民の光だ』とな」
「何で……何でみんなで一緒に生きようって選択肢がないのよ……!」
メナリは心の奥から気持ちを絞り出すかのように、そう言った。
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