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第三章 殺人事件について
事実はヒトを気まずくさせる。
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「何が魔王よ!私は旦那が殺されたのよ、いい加減なことはいわないで!」
クリタ婦人が大語で怒鳴る。
「私も少し不謹慎だと思うがね」今まで黙っていたオオクマも皆をにらむ。
オオクマの迫力に押されて、ハナヤマもアラニールも黙る。
「でも、この人が魔王っていうのは本当よ}
いきなり、幽霊みたいな女が我輩を指していう、髪が長く目元まで隠れる様子はまんまである。我輩から見ると、奥にそわそわと見え隠れしているストーカー精霊とあまり大差がない。
予断であるが、前回、幽霊騒ぎがのあと、かかわった精霊に惚れられたらしく、我輩の後を遠くからついてくるようになっていた。
そのため今回の旅行も同席している。今もソファーの隅にちょこんと座っているが少し怖いぞ。
フカガワは我輩の顔を見ながら、「この人の前世は間違いなく魔王よ」と断言する。
そしてノエルを指差して「彼女は神に仕える神官ってところね」
「ちなみにタケダとヤマシタはフランとエリーという幼馴染だったのよ。職業は、えーと」
たしか、二人は戦士と魔法使いだったな、アラニールは勇者と名乗っているがあれは称号であって職業ではない。
こちらの世界でいえば、スーパースターとかハイパーメディアクリエーターとかだな。
「うん、夢見る漁師の一人息子と、やさぐれた農家の一人娘ね」
うん、これも職業ではなく悪口ね。
何か言い返すのかと思って見るが、二人とも若干顔が引きっている。
図星ぽいな、この二人だけなんか力が飛びぬけていた気がする。
確か、即席で勇者に仕立て上げるために精霊王と女神が大量の加護を与えたとは聞いていたが、本気で即席だったのか。
精霊王は確かに極度のめんどくさがりだし、女神も自分磨きで精一杯なやつだったからやりかねないと思っているが、ものには限度というものがある。
神の加護はヒトが一生をかけてもたどり着けない領域にあっさりたどり着くだけでなく、大幅に飛びぬけてしまう。
その反面、加護を受けたものは、自分の努力で得たものなのか、神の影響なのかわからなくなる欠点があり、自分の実力として履き違えたものは根拠のない万能感で無茶な相手に挑んで命を落としたり、迷宮に準備なしで挑んで遭難したり、謎の宗教を開いたりとはた迷惑な存在になりやすい。
こいつらが実力差を見極める力量がなかったのも頷ける。
ノエルの方を見たが彼女も引きつっていた。
無理もない、自分の仲間が即席勇者だと知ったらそうなるよな。
「前世とか今言われても困るだろ、そんなものが関係あるわけないだろ」ハナヤマが苛立ったようにはき捨てる。
「まず現実的な話をしようぜ、あの被害者と知り合いなのは、奥さんだけか?」
皆が頷く
「昨日出会ったばかりだよ」ペンションオーナーのオオクマ夫婦も頷いた。
「じゃあ、動機で言えば奥さんが怪しいね」お菓子を食べながらマエダがクリタ婦人を見る。
「なんでそうなるのよ、私じゃないわ」
「だから前世が動機に関わっているの」ぼそぼそとフカガワが呟いている。
こいつは確かに侮れない
我輩フカガワを見てそう確信した、我輩たちの前世を見抜く力は神の加護を受けたシャーマンクラスである。
ノエルも驚いているようだ。
無理もない、この女が言っていることは正しいのだ。
我輩達4名はあの遺体は素性は知らないが、前世は知っている。
あの微かな魂の名残はアレが元は何者か語っていた。
殺された(?)のは海王シャークスだ。
クリタ婦人が大語で怒鳴る。
「私も少し不謹慎だと思うがね」今まで黙っていたオオクマも皆をにらむ。
オオクマの迫力に押されて、ハナヤマもアラニールも黙る。
「でも、この人が魔王っていうのは本当よ}
いきなり、幽霊みたいな女が我輩を指していう、髪が長く目元まで隠れる様子はまんまである。我輩から見ると、奥にそわそわと見え隠れしているストーカー精霊とあまり大差がない。
予断であるが、前回、幽霊騒ぎがのあと、かかわった精霊に惚れられたらしく、我輩の後を遠くからついてくるようになっていた。
そのため今回の旅行も同席している。今もソファーの隅にちょこんと座っているが少し怖いぞ。
フカガワは我輩の顔を見ながら、「この人の前世は間違いなく魔王よ」と断言する。
そしてノエルを指差して「彼女は神に仕える神官ってところね」
「ちなみにタケダとヤマシタはフランとエリーという幼馴染だったのよ。職業は、えーと」
たしか、二人は戦士と魔法使いだったな、アラニールは勇者と名乗っているがあれは称号であって職業ではない。
こちらの世界でいえば、スーパースターとかハイパーメディアクリエーターとかだな。
「うん、夢見る漁師の一人息子と、やさぐれた農家の一人娘ね」
うん、これも職業ではなく悪口ね。
何か言い返すのかと思って見るが、二人とも若干顔が引きっている。
図星ぽいな、この二人だけなんか力が飛びぬけていた気がする。
確か、即席で勇者に仕立て上げるために精霊王と女神が大量の加護を与えたとは聞いていたが、本気で即席だったのか。
精霊王は確かに極度のめんどくさがりだし、女神も自分磨きで精一杯なやつだったからやりかねないと思っているが、ものには限度というものがある。
神の加護はヒトが一生をかけてもたどり着けない領域にあっさりたどり着くだけでなく、大幅に飛びぬけてしまう。
その反面、加護を受けたものは、自分の努力で得たものなのか、神の影響なのかわからなくなる欠点があり、自分の実力として履き違えたものは根拠のない万能感で無茶な相手に挑んで命を落としたり、迷宮に準備なしで挑んで遭難したり、謎の宗教を開いたりとはた迷惑な存在になりやすい。
こいつらが実力差を見極める力量がなかったのも頷ける。
ノエルの方を見たが彼女も引きつっていた。
無理もない、自分の仲間が即席勇者だと知ったらそうなるよな。
「前世とか今言われても困るだろ、そんなものが関係あるわけないだろ」ハナヤマが苛立ったようにはき捨てる。
「まず現実的な話をしようぜ、あの被害者と知り合いなのは、奥さんだけか?」
皆が頷く
「昨日出会ったばかりだよ」ペンションオーナーのオオクマ夫婦も頷いた。
「じゃあ、動機で言えば奥さんが怪しいね」お菓子を食べながらマエダがクリタ婦人を見る。
「なんでそうなるのよ、私じゃないわ」
「だから前世が動機に関わっているの」ぼそぼそとフカガワが呟いている。
こいつは確かに侮れない
我輩フカガワを見てそう確信した、我輩たちの前世を見抜く力は神の加護を受けたシャーマンクラスである。
ノエルも驚いているようだ。
無理もない、この女が言っていることは正しいのだ。
我輩達4名はあの遺体は素性は知らないが、前世は知っている。
あの微かな魂の名残はアレが元は何者か語っていた。
殺された(?)のは海王シャークスだ。
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