魔王、現代に転生する、そこそこ苦労しながらしっかり適応しています。

第三章 殺人事件について

混沌の目覚め

「ええぇ！！」
　大げさにびっくりするハナヤマ
　「加藤さんあなたも、ファンタジー狂なんですか！」
我輩それには答えず、ただ黙ってハナヤマを見る。
　「えーと本気ですよね」
　
　しばらく沈黙が続く。


　はぁーと大きく、ハナヤマはため息をついた。
「はーい終了！」
　いきなり口調が明るくなる。
「すごい飛躍ですね、どうしてわかったんですか？」
　静かな口調でハナヤマは我輩を見る。
　口調とは裏腹に空気がぴりりと張り詰める。

「単純な話だ、海王が能力が使えている事実、そしてそれを我輩に気づかせないとすると我輩よりも上位の存在が動いていると考えれば良いだろう。」

「うわー思考が単純シンプル！！」

　心底嫌そうにハナヤマは顔をしかめる。
「なんていうかなぁ、サガさんはいつも面白みに欠けますよね、エレルバリールでは本来貴方が混沌に加担しなければいけないのに、貴方が一番まともだから世界が平和で、平和で。」
「いいことじゃないか」
　そう答えると、ハナヤマははぁ～とため息をついて
「それじゃあ、面白くないでしょ、世界はもっと混乱してなきゃ！」
　それはお前の意見だろ
「だから、こっちに皆さん連れてきたんですよ！」

　ハナヤマは恐ろしいことをさらっと言いのけた。

「あのーこっちってペンションのことじゃないですよね」ノエルが恐る恐る聞く。
「ああ、たぶん間違っているぞ、こいつのこっちは、この世界の意味だ」
「当たり前じゃないですか、特にサガさんには正しい魔王像を学習していただく予定でしたが、残念ながら、この世界にもまともな魔王がいなくて」
　再びハナヤマが大きくため息をついた。