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さくらは公爵夫人の家を歩く
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公爵夫人の家であるという家は、かつて異世界ものの小説で読んだ公爵家という華々しい家には似ても似つかないほどに簡素だった。金箔が貼られているわけでも、ゴテゴテした飾りが飾られているわけでもない。とても上品なのだ。それでいて、全部が異常に高価な品物であると素人目にもわかるのだから、とても怖い。
奥の部屋に入ると、そこには赤ん坊を抱いた無愛想な公爵夫人がいた。
「………………」
にこりとも笑わない豪奢なドレスを身に纏った女性を、さくらはなぜ公爵夫人であると定義したのかは、自分自身でも分からない。けれど、彼女が公爵夫人であると、脳は理解していたのだ。
さくらはこの気持ちの悪い感触にゾッと寒気がして、足早に公爵夫人のいる部屋から立ち去った。
「いいにおい!!」
部屋の廊下を歩き始めて少しすると、もかがいきなり叫び始めた。くんくんと周りの匂いを嗅いでみたが、確かにいい匂いがする気がする。けれど、どこかくしゃみをしてしまいそうな匂いで、さくらはちょこんと首を傾げる。
そんな不思議な感覚に浸っていると、唐突に叫び声が聞こえた。
「なんでこんなに胡椒を入れるんだ!?お前は馬鹿なのか!?」
叫び声を上げているのは、声からしておそらくお魚さんだ。
さくらともかは一瞬顔を見合わせると、ととっと走ってキッチンらしき場所に急いで向かう。鮮やかな食材が所狭しにたくさん並んでいるキッチンには、やたらとコショウを使う料理人、それに茶トラのニヤニヤと歯を見せて笑っている“チェシャ猫”がいた。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
奥の部屋に入ると、そこには赤ん坊を抱いた無愛想な公爵夫人がいた。
「………………」
にこりとも笑わない豪奢なドレスを身に纏った女性を、さくらはなぜ公爵夫人であると定義したのかは、自分自身でも分からない。けれど、彼女が公爵夫人であると、脳は理解していたのだ。
さくらはこの気持ちの悪い感触にゾッと寒気がして、足早に公爵夫人のいる部屋から立ち去った。
「いいにおい!!」
部屋の廊下を歩き始めて少しすると、もかがいきなり叫び始めた。くんくんと周りの匂いを嗅いでみたが、確かにいい匂いがする気がする。けれど、どこかくしゃみをしてしまいそうな匂いで、さくらはちょこんと首を傾げる。
そんな不思議な感覚に浸っていると、唐突に叫び声が聞こえた。
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