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さくらはチェシャ猫に命じられる
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さくらはもかの言葉で、もかが少しずつ記憶を取り戻してきていることに気がついた。言動が、さくらの知っているもかにどんどん近くなってきているのだ。さくらはすこしだけ嬉しくなって、にこっと笑いながら考え込んで頭をぐりぐりと押さえているもかに話しかける。
「さあ、ここで悩んでいても、お話は進まないわ。アリスの世界を進めなくっちゃ」
「うん!!」
決してよくは分かっていないであろうもかは、元気よく頷く。
さくらはそれをころころと笑って見つめながら、森を歩いていく。
「ねえ、さくらはどんな物が好き?」
「そうね~、………カフェモカかな」
「知ってる!!コーヒーなんだよね?」
「そう。………もかのお名前も、カフェモカから取ったんだよ」
最後の方の言葉は決してもかに聞かれないように、さくらは呟いた。
本当は、もかに教えてあげたかった。でも、教えてあげられない。だって、教えてしまえば、この楽しい旅の時間が終わってしまうから。さくらは、親友との時間を欲求よりも優先させる。
「こんにちは、」
「「!?」」
唐突に、頭上の樹の上にチェシャ猫が出現し、さくらともかは飛び上がった。
「3月うさぎと一緒に帽子屋の家へゆけ」
「3月、うさぎ?」
「………道を教えて」
不思議そうに首を傾げているもかの可愛らしい姿を目に焼き付けながら、さくらは唐突に現れたチェシャ猫に質問する。
「真っ直ぐ行けば、すぐに見つかる。すぐにわかる。3月うさぎは、特徴的だから」
ーーーにゃははははははっ!!
行く道を教えたあと、チェシャ猫は消えた。
「笑わない猫」ならぬ「猫のない笑い」を残して。
****************************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「さあ、ここで悩んでいても、お話は進まないわ。アリスの世界を進めなくっちゃ」
「うん!!」
決してよくは分かっていないであろうもかは、元気よく頷く。
さくらはそれをころころと笑って見つめながら、森を歩いていく。
「ねえ、さくらはどんな物が好き?」
「そうね~、………カフェモカかな」
「知ってる!!コーヒーなんだよね?」
「そう。………もかのお名前も、カフェモカから取ったんだよ」
最後の方の言葉は決してもかに聞かれないように、さくらは呟いた。
本当は、もかに教えてあげたかった。でも、教えてあげられない。だって、教えてしまえば、この楽しい旅の時間が終わってしまうから。さくらは、親友との時間を欲求よりも優先させる。
「こんにちは、」
「「!?」」
唐突に、頭上の樹の上にチェシャ猫が出現し、さくらともかは飛び上がった。
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不思議そうに首を傾げているもかの可愛らしい姿を目に焼き付けながら、さくらは唐突に現れたチェシャ猫に質問する。
「真っ直ぐ行けば、すぐに見つかる。すぐにわかる。3月うさぎは、特徴的だから」
ーーーにゃははははははっ!!
行く道を教えたあと、チェシャ猫は消えた。
「笑わない猫」ならぬ「猫のない笑い」を残して。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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