93 / 117
89 わたしは苦笑する
しおりを挟む
「………いや。」
「え?」
わたしのぼそっとした言葉に、お耳がびっくりするくらいに良いジェフは目をまん丸にした。わたしは嫌なものは嫌だと言えるすごい子なのだ。
「………ジェフとは離れ離れにならない。絶対に。だから、わたしには熱いお茶に慣れる必要ない。」
「えぇー、」
不満そうな彼の声に、わたしはきゅっと眉間に皺を寄せる。こんな反応をされれば、わたしも普通に傷つく。
「………ジェフは、………ジェフはわたしのこと、嫌い?」
少しだけ思わぬところで声がうわずってしまった。やっぱりわたしは、彼には、彼にだけは少しだけ弱い。
「好きだよ。」
「っ、」
「好きだからこそ、僕は君に熱いお茶に慣れておくべきだと言っている。」
ジェフは間髪入れずに、好きという言葉を連呼した。幼馴染として友達として好きだと言われているのだと分かっていたとしても、どうしてもわたしのお顔は赤く染まってしまう。わたしはお風呂上がりで未だにほかほかしているお手々を頬に当てて、必死になって顔を隠した。目の前の席からくすくすとしたフレイアさまの笑い声が聞こえる。
「ふふふっ、ジェフ、あなた何回レティーに告白するの?」
「へ?」
「『好きだよ、好きだからこそ、』だったかしら?熱烈ねー。」
「っ、」
失態に気がついたジェフもお顔も真っ赤に染まる。そんなに恥ずかしいと感じるのならば、好きという言葉を連呼しなければ良いものを、と、わたしは他人事のように遠い思考で考えた。
「ご、ごめん。レティー。」
「………気にしないで。わたしはあなたが心配してくれてるって思ったら嬉しかったから。それに、わたしもジェフが大好きよ。」
わたしは小さく微笑みを浮かべてアクアマリンの瞳を細めた。首を傾げて微笑むのは、ジェフを見上げる時の癖だ。
「見ました?フレイア様。うちのレティー可愛すぎません!?」
「えぇ、そうね。私のレティーはいつも可愛いわ。」
「そうですよねー。」
「ねー。」
微妙に噛み合っていない会話に、わたしは苦笑した。
これでいて、本人たちは噛み合っていると思っていると思っているこの会話は、本当に傍目から見ると不思議で不思議で仕方がない。どこをどう見たら、これが噛み合っていると言えるのだろうか。
わたしには一生分かることのなさそうな世界のお話だ。
「………平和ね。」
お兄さま訪れないこのお部屋は、馬鹿話ができるくらいにとても平和だ。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
新作、
『仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪』を開始しました。
紹介文は
愛良と晶は仲良しで有名な双子だった。
いつも一緒で、いつも同じ行動をしていた。
好き好みもとても似ていて、常に仲良しだった。
そして、一緒に事故で亡くなった。
そんな2人は転生して目が覚めても、またしても双子でしかも王族だった!?
アイリスとアキレスそれが転生後の双子の名前だ。
相変わらずそっくりで仲良しなハイエルフと人間族とのハーフの双子は異世界知識を使って楽しくチートする!!
「わたしたち、」「ぼくたち、」
「「転生しても~超仲良し!!」」
最強な天然双子は今日もとっても仲良しです!!
です。よろしければご覧ください!!
もう1つ新作です!!
『婚約破棄されたのでお針子になりました。~私が元婚約だと気づかず求婚してくるクズ男は、裸の王子さまで十分ですわよね?~』
を始めました。
紹介文は、
「老婆のような白髪に、ちょっと賢いからって生意気な青い瞳が気に入らん!!よって婚約を破棄する!!せいぜい泣き喚くんだな!!」
「そうですか。わたくし、あなたのことを愛せませんでしたので、泣けませんの。ごめんなさいね」
理不尽な婚約破棄を受けたマリンソフィアは………
「うふふっ、あはははっ!これでわたくしは正真正銘自由の身!!わたくしの夢を叶えるためじゃないとはいえ、婚約破棄をしてくれた王太子殿下にはとーっても感謝しなくっちゃ!!」
落ち込むどころか舞い上がって喜んでいた。
そして、意気揚々と自分の夢を叶えてお針子になって自由気ままなスローライフ?を楽しむ!!
だが、ある時大嫌いな元婚約者が現れて………
「あぁ、なんと美しい人なんだ。絹のように美しく真っ白な髪に、サファイアのような知性あふれる瞳。どうか俺の妃になってはくれないだろうか」
なんと婚約破棄をされた時と真反対の言葉でマリンソフィアだと気が付かずに褒め称えて求婚してくる。
「あぁ、もう!!こんなうっざい男、裸の王子さまで十分よ!!」
お針子マリンソフィアの楽しい楽しいお洋服『ざまあ』が今開幕!!
です。是非読んでみてください!!
「え?」
わたしのぼそっとした言葉に、お耳がびっくりするくらいに良いジェフは目をまん丸にした。わたしは嫌なものは嫌だと言えるすごい子なのだ。
「………ジェフとは離れ離れにならない。絶対に。だから、わたしには熱いお茶に慣れる必要ない。」
「えぇー、」
不満そうな彼の声に、わたしはきゅっと眉間に皺を寄せる。こんな反応をされれば、わたしも普通に傷つく。
「………ジェフは、………ジェフはわたしのこと、嫌い?」
少しだけ思わぬところで声がうわずってしまった。やっぱりわたしは、彼には、彼にだけは少しだけ弱い。
「好きだよ。」
「っ、」
「好きだからこそ、僕は君に熱いお茶に慣れておくべきだと言っている。」
ジェフは間髪入れずに、好きという言葉を連呼した。幼馴染として友達として好きだと言われているのだと分かっていたとしても、どうしてもわたしのお顔は赤く染まってしまう。わたしはお風呂上がりで未だにほかほかしているお手々を頬に当てて、必死になって顔を隠した。目の前の席からくすくすとしたフレイアさまの笑い声が聞こえる。
「ふふふっ、ジェフ、あなた何回レティーに告白するの?」
「へ?」
「『好きだよ、好きだからこそ、』だったかしら?熱烈ねー。」
「っ、」
失態に気がついたジェフもお顔も真っ赤に染まる。そんなに恥ずかしいと感じるのならば、好きという言葉を連呼しなければ良いものを、と、わたしは他人事のように遠い思考で考えた。
「ご、ごめん。レティー。」
「………気にしないで。わたしはあなたが心配してくれてるって思ったら嬉しかったから。それに、わたしもジェフが大好きよ。」
わたしは小さく微笑みを浮かべてアクアマリンの瞳を細めた。首を傾げて微笑むのは、ジェフを見上げる時の癖だ。
「見ました?フレイア様。うちのレティー可愛すぎません!?」
「えぇ、そうね。私のレティーはいつも可愛いわ。」
「そうですよねー。」
「ねー。」
微妙に噛み合っていない会話に、わたしは苦笑した。
これでいて、本人たちは噛み合っていると思っていると思っているこの会話は、本当に傍目から見ると不思議で不思議で仕方がない。どこをどう見たら、これが噛み合っていると言えるのだろうか。
わたしには一生分かることのなさそうな世界のお話だ。
「………平和ね。」
お兄さま訪れないこのお部屋は、馬鹿話ができるくらいにとても平和だ。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
新作、
『仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪』を開始しました。
紹介文は
愛良と晶は仲良しで有名な双子だった。
いつも一緒で、いつも同じ行動をしていた。
好き好みもとても似ていて、常に仲良しだった。
そして、一緒に事故で亡くなった。
そんな2人は転生して目が覚めても、またしても双子でしかも王族だった!?
アイリスとアキレスそれが転生後の双子の名前だ。
相変わらずそっくりで仲良しなハイエルフと人間族とのハーフの双子は異世界知識を使って楽しくチートする!!
「わたしたち、」「ぼくたち、」
「「転生しても~超仲良し!!」」
最強な天然双子は今日もとっても仲良しです!!
です。よろしければご覧ください!!
もう1つ新作です!!
『婚約破棄されたのでお針子になりました。~私が元婚約だと気づかず求婚してくるクズ男は、裸の王子さまで十分ですわよね?~』
を始めました。
紹介文は、
「老婆のような白髪に、ちょっと賢いからって生意気な青い瞳が気に入らん!!よって婚約を破棄する!!せいぜい泣き喚くんだな!!」
「そうですか。わたくし、あなたのことを愛せませんでしたので、泣けませんの。ごめんなさいね」
理不尽な婚約破棄を受けたマリンソフィアは………
「うふふっ、あはははっ!これでわたくしは正真正銘自由の身!!わたくしの夢を叶えるためじゃないとはいえ、婚約破棄をしてくれた王太子殿下にはとーっても感謝しなくっちゃ!!」
落ち込むどころか舞い上がって喜んでいた。
そして、意気揚々と自分の夢を叶えてお針子になって自由気ままなスローライフ?を楽しむ!!
だが、ある時大嫌いな元婚約者が現れて………
「あぁ、なんと美しい人なんだ。絹のように美しく真っ白な髪に、サファイアのような知性あふれる瞳。どうか俺の妃になってはくれないだろうか」
なんと婚約破棄をされた時と真反対の言葉でマリンソフィアだと気が付かずに褒め称えて求婚してくる。
「あぁ、もう!!こんなうっざい男、裸の王子さまで十分よ!!」
お針子マリンソフィアの楽しい楽しいお洋服『ざまあ』が今開幕!!
です。是非読んでみてください!!
0
あなたにおすすめの小説
次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
触れると魔力が暴走する王太子殿下が、なぜか私だけは大丈夫みたいです
ちよこ
恋愛
異性に触れれば、相手の魔力が暴走する。
そんな宿命を背負った王太子シルヴェスターと、
ただひとり、触れても何も起きない天然令嬢リュシア。
誰にも触れられなかった王子の手が、
初めて触れたやさしさに出会ったとき、
ふたりの物語が始まる。
これは、孤独な王子と、おっとり令嬢の、
触れることから始まる恋と癒やしの物語
好きすぎます!※殿下ではなく、殿下の騎獣が
和島逆
恋愛
「ずっと……お慕い申し上げておりました」
エヴェリーナは伯爵令嬢でありながら、飛空騎士団の騎獣世話係を目指す。たとえ思いが叶わずとも、大好きな相手の側にいるために。
けれど騎士団長であり王弟でもあるジェラルドは、自他ともに認める女嫌い。エヴェリーナの告白を冷たく切り捨てる。
「エヴェリーナ嬢。あいにくだが」
「心よりお慕いしております。大好きなのです。殿下の騎獣──……ライオネル様のことが!」
──エヴェリーナのお目当ては、ジェラルドではなく獅子の騎獣ライオネルだったのだ。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
下賜されまして ~戦場の餓鬼と呼ばれた軍人との甘い日々~
イシュタル
恋愛
王宮から突然嫁がされた18歳の少女・ソフィアは、冷たい風の吹く屋敷へと降り立つ。迎えたのは、無愛想で人嫌いな騎士爵グラッド・エルグレイム。金貨の袋を渡され「好きにしろ」と言われた彼女は、侍女も使用人もいない屋敷で孤独な生活を始める。
王宮での優雅な日々とは一転、自分の髪を切り、服を整え、料理を学びながら、ソフィアは少しずつ「夫人」としての自立を模索していく。だが、辻馬車での盗難事件や料理の失敗、そして過労による倒れ込みなど、試練は次々と彼女を襲う。
そんな中、無口なグラッドの態度にも少しずつ変化が現れ始める。謝罪とも言えない金貨の袋、静かな気遣い、そして彼女の倒れた姿に見せた焦り。距離のあった二人の間に、わずかな波紋が広がっていく。
これは、王宮の寵姫から孤独な夫人へと変わる少女が、自らの手で居場所を築いていく物語。冷たい屋敷に灯る、静かな希望の光。
⚠️本作はAIとの共同製作です。
破滅したくない悪役令嬢によって、攻略対象の王子様とくっつけられそうです
村咲
恋愛
伯爵令嬢ミシェルは、第一王子にして勇者であるアンリから求婚されていた。
しかし、アンリが魔王退治の旅から帰ってきたとき、旅の仲間である聖女とアンリの婚約が宣言されてしまう。
原因はここが乙女ゲームの世界であり、ヒロインである聖女が旅の間にイベントを進めたためである――と、ミシェルは友人である王女アデライトから教えられる。
実はアデライトは、悪役令嬢というゲームの敵役。アンリと聖女が結婚すれば、アデライトは処刑されてしまうらしい。
処刑を回避したいアデライトは、どうにかミシェルとアンリをくっつけようと画策するが……。
アンリの方にも、なにやら事情があるようで?
カクヨムにも転載しています。
ドラゴンに攫われた聖女ですが、このドラゴン、めちゃくちゃ過保護でイケメンです
夏見ナイ
恋愛
聖女アリアは、魔王討伐後は用済みとされ、国から冷遇される日々を送っていた。心も体も疲れ果て、聖女という役割に絶望していたある日、伝説の「終焉の黒竜」が彼女を攫っていく。
誰もが生贄になったと嘆く中、アリアが連れてこられたのは雲上の美しい城。そこで竜は絶世の美青年カイザーへと姿を変え、「お前を守る」と宣言する。
待っていたのは死ではなく、豪華な食事に癒やしの魔法風呂、そして何より不器用で真っ直ぐなカイザーからの過保護すぎるほどの溺愛だった。
これは、全てを諦めた聖女が、世界最強のイケメンドラゴンに愛され、本当の自分と幸せを取り戻していく、極甘ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる