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第1章 アルテ
「クリーン」の可能性
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アルテは夜中といわず、検証をしていたら朝方までスキル検証をしていた。
アルテの進化した複合スキルはユニークスキルの可能性が高かった。
しかもユニークスキルには珍しく、レベルアップが可能なスキルであった。
アルテは一通り検証を終えて寝ると、お昼頃まで寝てしまい、宿のオッチャンに起こされた。
あわててギルドに行って、短時間で終わる依頼がないか確認すると、ブルーブルの討伐依頼があった。
アルテがその依頼を受付に持って行くと、女性職員さんが対応してくれて
''この依頼は期限付きだけど大丈夫?''
とまで心配してくれる状況だった。
アルテが
「大丈夫です」
と答えると、
「気をつけてね。」
と心配され、見送ってくれた。
アルテは依頼のあったブルーブルの生息地については、かつてのクランで行ったことがあったので知っていた。
アルテは今回の依頼の最中に自分のスキル「クリーン」についても更なる検証をしようと思っていたので、出発前に宿に向かい、
一週間ほど帰って来ないこと
2週間を越えても帰って来なかった場合は、 荷物を引き払ってもらうようにお願いした
ところ、宿のオッチャンが、
「1カ月までは待ってやるから、無事に帰
って来い」
と言って送り出してくれた。
アルテは宿のオッチャンに感謝しながら、ブルーブルの生息地へと向かう為、乗り合い馬車を予約した。
アルテが馬車の待機場所で待っていると、同じクランにいた魔法使いのミカサが現れ
「君、見たことある。さては僕のファンなの?」
と言って話し掛けてきた。
アルテはミカサが他人の名前や顔を覚えない不思議ちゃんということを知っていたので、
「ファンじゃない。君とは顔見知りなだけだ。指輪の調子はどう?」
とミカサの魔法発動媒体について話しを振ってみた。
するとミカサは、
「そのことを知っているってことは、整備士の人だね。」
と言ってミカサは勝手に納得し、アルテは以前ミカサの指輪をスキル「クリーン」でキレイにしたことを思い出した。
アルテはミカサの指輪、おそらくアーティファクトを整備できるほどの技術は無かったのでそこはさらりと否定して更に話しをしようとしたところ、乗り合い馬車の出発時間になったので、馬車に乗り込んだ。
馬車はアルテやミカサを含んで8人が乗り動き始めた。
アルテがミカサと今のクランについての話しや魔法の修得条件等について話していると、馬車が止まり、御者がアルテ達乗客に対して
「ブラックファングの群れが前方にいる。退治か追い払えるやつはいないか」
と聞いてきた。
アルテ達乗客が何も答えなかった為、御者が
「誰もいないなら、魔物の数も多いから強硬突破する。幸い、ここから3キロほどいったところに村があるからそこに逃げこむ。スピードを出すから皆放り出されないようにどこかにつかまっていてくれ。」
と言って馬車を先ほどとは違い、急速に動き出した。
アルテが馬車につかまっていると、馬車の後ろのほうで縮こまっていた親子が馬車の振動や魔物からの攻撃により、幌から落ちてしまった。
アルテがそれに気付き、幌から飛び出し、親子の前で魔物達と向かい合っていると、馬車は速度を更に上げてその場から見えなくなってしまった。
アルテが身構え、襲いかかってくる魔物と戦っていると、どこからか
「ダイヤショット」
という声が聞こえ、氷の刃が魔物達に降り注いだ。
その魔物の後からミカサが現れ、アルテに
「話している最中にいなくなるのはダメだろ。手伝うからこれが終わったら話しの続きをしよ」
と言って更に魔物に対して魔法を放った。
ミカサの登場により、魔物はアルテ達を警戒し、距離をとっていたが、ブラックファングの群れからブラックファングよりも大きい牛位の大きさの灰色の狼が現れた。
そして、馬車から投げ出された親子に飛びかかり、アルテがその前に滑りこむように間へ割って入ると、灰色狼はアルテの左肩に思い切り噛みついた。
アルテが激痛に耐えながら、灰色狼の眼に剣を刺すと鳴き声を上げながらアルテから距離を取った。
アルテが更に剣を構えながら灰色狼に立ち向かっていると、アルテの背後からもう一匹灰色狼ぎ現れ、アルテの頭に噛みつこうとした。
アルテが咄嗟に身体を反らし、反撃しようとすると、頭に
''魔物から攻撃を受けました。
対象の魔物に「クリーン」を使用しますか''
と聞こえてきたので、アルテは少しでも魔物を動揺させれればと思い「クリーン」を発動した。
すると、アルテに噛みつこうとしていた灰色狼が噛みつくのをやめ、アルテと被さるように地面を転げた。
アルテが地面から起き上がり、その灰色狼に対して剣を構えたが、灰色狼は襲いかかってこず、お腹をアルテに見せながら鳴いていた。
アルテが困惑していると、ブラックファングをあらかた倒したミカサがその灰色狼のお腹にダイブして
「これはたまりませんなぁ。ここがええんか。」
等と言ってジャレ始めた。
アルテは訳が分からず、残っているもう一匹の灰色狼に剣を向けると、灰色狼はアルテ達から距離を取って森の中に消えて行った。
アルテが尚も灰色狼とジャレているミカサを見ながら、
魔物にはどういう「クリーン」が発動したんだ?
と考えながら、震える親子を立たせて近くの村へと歩いて向かって行った。
アルテの進化した複合スキルはユニークスキルの可能性が高かった。
しかもユニークスキルには珍しく、レベルアップが可能なスキルであった。
アルテは一通り検証を終えて寝ると、お昼頃まで寝てしまい、宿のオッチャンに起こされた。
あわててギルドに行って、短時間で終わる依頼がないか確認すると、ブルーブルの討伐依頼があった。
アルテがその依頼を受付に持って行くと、女性職員さんが対応してくれて
''この依頼は期限付きだけど大丈夫?''
とまで心配してくれる状況だった。
アルテが
「大丈夫です」
と答えると、
「気をつけてね。」
と心配され、見送ってくれた。
アルテは依頼のあったブルーブルの生息地については、かつてのクランで行ったことがあったので知っていた。
アルテは今回の依頼の最中に自分のスキル「クリーン」についても更なる検証をしようと思っていたので、出発前に宿に向かい、
一週間ほど帰って来ないこと
2週間を越えても帰って来なかった場合は、 荷物を引き払ってもらうようにお願いした
ところ、宿のオッチャンが、
「1カ月までは待ってやるから、無事に帰
って来い」
と言って送り出してくれた。
アルテは宿のオッチャンに感謝しながら、ブルーブルの生息地へと向かう為、乗り合い馬車を予約した。
アルテが馬車の待機場所で待っていると、同じクランにいた魔法使いのミカサが現れ
「君、見たことある。さては僕のファンなの?」
と言って話し掛けてきた。
アルテはミカサが他人の名前や顔を覚えない不思議ちゃんということを知っていたので、
「ファンじゃない。君とは顔見知りなだけだ。指輪の調子はどう?」
とミカサの魔法発動媒体について話しを振ってみた。
するとミカサは、
「そのことを知っているってことは、整備士の人だね。」
と言ってミカサは勝手に納得し、アルテは以前ミカサの指輪をスキル「クリーン」でキレイにしたことを思い出した。
アルテはミカサの指輪、おそらくアーティファクトを整備できるほどの技術は無かったのでそこはさらりと否定して更に話しをしようとしたところ、乗り合い馬車の出発時間になったので、馬車に乗り込んだ。
馬車はアルテやミカサを含んで8人が乗り動き始めた。
アルテがミカサと今のクランについての話しや魔法の修得条件等について話していると、馬車が止まり、御者がアルテ達乗客に対して
「ブラックファングの群れが前方にいる。退治か追い払えるやつはいないか」
と聞いてきた。
アルテ達乗客が何も答えなかった為、御者が
「誰もいないなら、魔物の数も多いから強硬突破する。幸い、ここから3キロほどいったところに村があるからそこに逃げこむ。スピードを出すから皆放り出されないようにどこかにつかまっていてくれ。」
と言って馬車を先ほどとは違い、急速に動き出した。
アルテが馬車につかまっていると、馬車の後ろのほうで縮こまっていた親子が馬車の振動や魔物からの攻撃により、幌から落ちてしまった。
アルテがそれに気付き、幌から飛び出し、親子の前で魔物達と向かい合っていると、馬車は速度を更に上げてその場から見えなくなってしまった。
アルテが身構え、襲いかかってくる魔物と戦っていると、どこからか
「ダイヤショット」
という声が聞こえ、氷の刃が魔物達に降り注いだ。
その魔物の後からミカサが現れ、アルテに
「話している最中にいなくなるのはダメだろ。手伝うからこれが終わったら話しの続きをしよ」
と言って更に魔物に対して魔法を放った。
ミカサの登場により、魔物はアルテ達を警戒し、距離をとっていたが、ブラックファングの群れからブラックファングよりも大きい牛位の大きさの灰色の狼が現れた。
そして、馬車から投げ出された親子に飛びかかり、アルテがその前に滑りこむように間へ割って入ると、灰色狼はアルテの左肩に思い切り噛みついた。
アルテが激痛に耐えながら、灰色狼の眼に剣を刺すと鳴き声を上げながらアルテから距離を取った。
アルテが更に剣を構えながら灰色狼に立ち向かっていると、アルテの背後からもう一匹灰色狼ぎ現れ、アルテの頭に噛みつこうとした。
アルテが咄嗟に身体を反らし、反撃しようとすると、頭に
''魔物から攻撃を受けました。
対象の魔物に「クリーン」を使用しますか''
と聞こえてきたので、アルテは少しでも魔物を動揺させれればと思い「クリーン」を発動した。
すると、アルテに噛みつこうとしていた灰色狼が噛みつくのをやめ、アルテと被さるように地面を転げた。
アルテが地面から起き上がり、その灰色狼に対して剣を構えたが、灰色狼は襲いかかってこず、お腹をアルテに見せながら鳴いていた。
アルテが困惑していると、ブラックファングをあらかた倒したミカサがその灰色狼のお腹にダイブして
「これはたまりませんなぁ。ここがええんか。」
等と言ってジャレ始めた。
アルテは訳が分からず、残っているもう一匹の灰色狼に剣を向けると、灰色狼はアルテ達から距離を取って森の中に消えて行った。
アルテが尚も灰色狼とジャレているミカサを見ながら、
魔物にはどういう「クリーン」が発動したんだ?
と考えながら、震える親子を立たせて近くの村へと歩いて向かって行った。
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