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1stフェーズ 始
No.4 転校生はハラキリしようとする警備の人を止めています
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5階の窓から飛び降りた以外は特に何事もなく新しい家に到着したユキチカ。
今日から世話になる新しい家は高い壁に囲まれていた。監視カメラが等間隔で並ぶその壁は中のものを守るようにも、また監視するようにも見える。
壁の内側に入るために門へと向かう。
「みて!ウルル!赤い車!」
「はい、火災用の消防車ですね、あちらには救急車も鬼丸ユキチカ様に何かありましても遅くとも3分以内に適切な治療を行うことができます」
「鬼丸ユキチカ様、そしてお付きのアンドロイド殿、お帰りなさいませ!この家の鬼丸様の護衛を担当させて頂きます、ケイといいます!」
門についた二人の前に装備を身に着けたケイという者が現れ、敬礼をした。
「私はアンドロイドです挨拶は不要です」
無表情でウルルは返す。
「あ、えっと、失礼しました!ご自宅内の環境は既に整えておりますので、どうぞ!」
相手は緊張しているのだろう、言葉の節々が震えたり上ずったりしている。
「その服いいね!どう作ったの?」
「こ、こちらですか!?すみません配布されたものでして。それとこのような格好でのお出迎え申し訳ありません。ですが鬼丸ユキチカ様をお守りする為に必要なものなので!」
ケイは少し早口で答えた。
門を通り家へと向かう。
大きな家が見えてきた。一人と一体が住むにはあまりにも大きな家だ。
「お城!」
「鬼丸ユキチカ様が快適に過ごせるように整えられています」
玄関まで行くとケイは立ち止まり再び敬礼
「こちらは顔認証システムでドアのロックが解除される仕組みになっています。既にお二人は登録されているのでそのままどうぞ」
ユキチカ達が扉に近づくと扉が自動で開く。
「私達はいつでも対応できるよう門の所で待機しておりますので、何かあればお呼びください!それでは失礼します!」
ケイは再び敬礼をして下がっていった。
ユキチカが部屋に入ると靴を脱ぐ、以外にも靴をきれいに揃える。
「そのようなことは私がいたしますが」
「こういうのはちゃんとするようにって、おとうさんが言ってたから!」
彼はそういって中へと入っていく。
リビングには大きなソファとテレビがあり、他にも様々な高級家具が用意されていた。
部屋の真ん中に箱が、恐らくはユキチカの私物だろう、彼はその箱の中を漁っていた。
「これから夕食をご用意させて頂きますが、何がよろしいですか?」
「オムライス!」
ユキチカは漁りながらそう答えた。
「畏まりました」
ウルルは手際よく見事なスフレオムライスを完成させた。
「なにこれ?たまごがお布団じゃない」
ふわふわのたまごをスプーンで軽く突くユキチカ。
「どうぞ中央から割ってみてください」
言われた通りに割るとトロッとたまごが溢れ出し、下のチキンライスを包んでいく。あっという間に全体が黄色くコーティングされた。
「おお!スゴい!いただきまーす!」
彼は勢いよくオムライスをすくい上げ口に運ぶ。
「んー!おいしい!」
歓喜した彼はスプーンと口をフル稼働させ、瞬く間に完食した。
「ごちそうさまでした!」
両手を合わせてユキチカがそう言った、その時だ。
バチンッ!と音がなり、家中の明かりが消える。
「鬼丸ユキチカ様、ご無事ですか」
ウルルが暗闇の中を見渡す。
「私には暗視モードがあるのでその場を動かずに、すぐにご案内しますので」
彼女がそう話すと後ろで物音が。
ユキチカがそこに居ると考えて咄嗟に振り向くウルル。しかしそこに居たのは全身に武装を施した者たちだった。
「侵入者を確認、直ちに警備に通報し……」
彼女が話し終える前に相手はウルルに電気ショックを与える。
気絶したかのようにウルルはその場に倒れてしまった。
「ー!ウルルー!」
ウルルが目を覚ますとユキチカがそこにいた。
「ユキチカ様!」
バッと跳ね起きるウルル。
ユキチカの他にケイもいた。
「この度はッ!!誠に大変申し訳ございませんでしたッッ!然らば!私の腹を切って詫びる所存!」
泣き崩れながらケイは装備を外し、切腹をしようとする。
「な!?まっ、待ってください!早まらないで!」
ウルルは必死にケイを止めた。
「せっぷくってなに?」
「お腹を切ってしまうことです!ユキチカ様も止めるの手伝って下さい!!」
ユキチカはケイを持ち上げた。
「ひっぐ。このような大役を仰せつかった身で有りながら、このような大失態ッ!!私が私を許せないいい!!お願いします鬼丸様!離してください!」
「わかった」
彼は言われた通りパッとケイを離した。
「だめです!ユキチカ様!離さないでください!しっかり捕まえて!」
「ん、しっかりつかまえる」
ユキチカは今度はケイをガッチリ捕まえる。
それから幾度かこのやり取りがラリーされた。
あの襲撃者達はなんだったのか。
そしてユキチカ達はケイを止められるのか。
今日から世話になる新しい家は高い壁に囲まれていた。監視カメラが等間隔で並ぶその壁は中のものを守るようにも、また監視するようにも見える。
壁の内側に入るために門へと向かう。
「みて!ウルル!赤い車!」
「はい、火災用の消防車ですね、あちらには救急車も鬼丸ユキチカ様に何かありましても遅くとも3分以内に適切な治療を行うことができます」
「鬼丸ユキチカ様、そしてお付きのアンドロイド殿、お帰りなさいませ!この家の鬼丸様の護衛を担当させて頂きます、ケイといいます!」
門についた二人の前に装備を身に着けたケイという者が現れ、敬礼をした。
「私はアンドロイドです挨拶は不要です」
無表情でウルルは返す。
「あ、えっと、失礼しました!ご自宅内の環境は既に整えておりますので、どうぞ!」
相手は緊張しているのだろう、言葉の節々が震えたり上ずったりしている。
「その服いいね!どう作ったの?」
「こ、こちらですか!?すみません配布されたものでして。それとこのような格好でのお出迎え申し訳ありません。ですが鬼丸ユキチカ様をお守りする為に必要なものなので!」
ケイは少し早口で答えた。
門を通り家へと向かう。
大きな家が見えてきた。一人と一体が住むにはあまりにも大きな家だ。
「お城!」
「鬼丸ユキチカ様が快適に過ごせるように整えられています」
玄関まで行くとケイは立ち止まり再び敬礼
「こちらは顔認証システムでドアのロックが解除される仕組みになっています。既にお二人は登録されているのでそのままどうぞ」
ユキチカ達が扉に近づくと扉が自動で開く。
「私達はいつでも対応できるよう門の所で待機しておりますので、何かあればお呼びください!それでは失礼します!」
ケイは再び敬礼をして下がっていった。
ユキチカが部屋に入ると靴を脱ぐ、以外にも靴をきれいに揃える。
「そのようなことは私がいたしますが」
「こういうのはちゃんとするようにって、おとうさんが言ってたから!」
彼はそういって中へと入っていく。
リビングには大きなソファとテレビがあり、他にも様々な高級家具が用意されていた。
部屋の真ん中に箱が、恐らくはユキチカの私物だろう、彼はその箱の中を漁っていた。
「これから夕食をご用意させて頂きますが、何がよろしいですか?」
「オムライス!」
ユキチカは漁りながらそう答えた。
「畏まりました」
ウルルは手際よく見事なスフレオムライスを完成させた。
「なにこれ?たまごがお布団じゃない」
ふわふわのたまごをスプーンで軽く突くユキチカ。
「どうぞ中央から割ってみてください」
言われた通りに割るとトロッとたまごが溢れ出し、下のチキンライスを包んでいく。あっという間に全体が黄色くコーティングされた。
「おお!スゴい!いただきまーす!」
彼は勢いよくオムライスをすくい上げ口に運ぶ。
「んー!おいしい!」
歓喜した彼はスプーンと口をフル稼働させ、瞬く間に完食した。
「ごちそうさまでした!」
両手を合わせてユキチカがそう言った、その時だ。
バチンッ!と音がなり、家中の明かりが消える。
「鬼丸ユキチカ様、ご無事ですか」
ウルルが暗闇の中を見渡す。
「私には暗視モードがあるのでその場を動かずに、すぐにご案内しますので」
彼女がそう話すと後ろで物音が。
ユキチカがそこに居ると考えて咄嗟に振り向くウルル。しかしそこに居たのは全身に武装を施した者たちだった。
「侵入者を確認、直ちに警備に通報し……」
彼女が話し終える前に相手はウルルに電気ショックを与える。
気絶したかのようにウルルはその場に倒れてしまった。
「ー!ウルルー!」
ウルルが目を覚ますとユキチカがそこにいた。
「ユキチカ様!」
バッと跳ね起きるウルル。
ユキチカの他にケイもいた。
「この度はッ!!誠に大変申し訳ございませんでしたッッ!然らば!私の腹を切って詫びる所存!」
泣き崩れながらケイは装備を外し、切腹をしようとする。
「な!?まっ、待ってください!早まらないで!」
ウルルは必死にケイを止めた。
「せっぷくってなに?」
「お腹を切ってしまうことです!ユキチカ様も止めるの手伝って下さい!!」
ユキチカはケイを持ち上げた。
「ひっぐ。このような大役を仰せつかった身で有りながら、このような大失態ッ!!私が私を許せないいい!!お願いします鬼丸様!離してください!」
「わかった」
彼は言われた通りパッとケイを離した。
「だめです!ユキチカ様!離さないでください!しっかり捕まえて!」
「ん、しっかりつかまえる」
ユキチカは今度はケイをガッチリ捕まえる。
それから幾度かこのやり取りがラリーされた。
あの襲撃者達はなんだったのか。
そしてユキチカ達はケイを止められるのか。
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