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1 突然の辞令と失恋
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これから出張所へ行くのならば着替える必要はないだろうと、制服のまま私物を抱えて、営業所へ顔を出す。
五、六人いるパートやアルバイトの人たちは、すでにみんな、私の移動の話を知っていた。
「瑞穂ちゃん、山の上に行くんだって? たいへんだねえ」
「さみしいねー、たまにはこっちにも顔を出してね」
次々と声をかけてくるパートのおばさんたちに混じり、この春アルバイトで入ったばかりの理加ちゃんが、笑顔で手を振る。
「芦原さん、がんばってくださーい」
その顔を見た瞬間、脳裏に蘇ることがあった。
(ああっ!)
昨夜、飲みに行った居酒屋で、私にたくさんの料理とお酒を勧め、いい気分にさせたのち、雅司がとっても言いにくそうに切り出した話――。
「俺、バイトの上原さんとつきあうことにしたから……瑞穂とはその……もう終わりってことで……」
(あーーーーーっ!!)
心の中だけで絶叫し、雅司がいる奥の扉をギンと一回睨んでから、私は営業所をあとにした。
(そうだった……そうだった……!)
思い出すだけではらわたが煮えくり返りそうだ。
怒りに任せて大股でずんずん進み、駐車場の奥に停めている愛車に乗りこむ。
営業所の敷地内を出て、おおかたの車が進んでいるのと逆の方向――山へと行き先を定めながら、声を大にして叫んだ。
「もう一発ぶん殴ってやればよかった!! くっそーーーっ!」
進行方向には青い空と白い雲、新緑も鮮やかな大きな山が、どこまでも裾野を広げていた。
五、六人いるパートやアルバイトの人たちは、すでにみんな、私の移動の話を知っていた。
「瑞穂ちゃん、山の上に行くんだって? たいへんだねえ」
「さみしいねー、たまにはこっちにも顔を出してね」
次々と声をかけてくるパートのおばさんたちに混じり、この春アルバイトで入ったばかりの理加ちゃんが、笑顔で手を振る。
「芦原さん、がんばってくださーい」
その顔を見た瞬間、脳裏に蘇ることがあった。
(ああっ!)
昨夜、飲みに行った居酒屋で、私にたくさんの料理とお酒を勧め、いい気分にさせたのち、雅司がとっても言いにくそうに切り出した話――。
「俺、バイトの上原さんとつきあうことにしたから……瑞穂とはその……もう終わりってことで……」
(あーーーーーっ!!)
心の中だけで絶叫し、雅司がいる奥の扉をギンと一回睨んでから、私は営業所をあとにした。
(そうだった……そうだった……!)
思い出すだけではらわたが煮えくり返りそうだ。
怒りに任せて大股でずんずん進み、駐車場の奥に停めている愛車に乗りこむ。
営業所の敷地内を出て、おおかたの車が進んでいるのと逆の方向――山へと行き先を定めながら、声を大にして叫んだ。
「もう一発ぶん殴ってやればよかった!! くっそーーーっ!」
進行方向には青い空と白い雲、新緑も鮮やかな大きな山が、どこまでも裾野を広げていた。
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