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エピローグ
またね
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幾ばくかの犠牲者を出した二袈市の事件の原因はテロリストの撒いた神経ガスが原因で、市民たちが見た奇妙な怪物もガスが原因の幻覚と発表された。
主犯とみられる青白い顔の男の射殺体が見つかるも、誰が殺害したのは不明、そもそも青白い顔の男の身元も判明せず。
市民の中には、あれは幻覚などてははなく、本物の悪魔が現れ、世界を滅ぼそうとした。そこへプラチナブロンドの天使が現れて世界を救ってくれたと言い張るものも少なくない。
☆
こんこん、ノックしてから病室に入る慧とみどり。慧はクレアから返してもらった黄色いリボンでポニーテールにしている。蘇芳夜叉は車の中。
白い壁と床の個室のベットに寝かされた辰夫。その寝顔は無邪気な子供のよう。
その横に座っているのは剛三。
「辰夫の容態はどうなんですか?」
「医者の話だと、記憶がすっかり白紙になっておるとな。生まれたての赤ん坊のように真っ白だそうじゃ」
慧の質問に答える剛三。
「これも報いかのう」
あまりに多くの罪を重ねてしまった辰夫。表ざたには出来ないが、それは、とても重いもの。
「師匠」
「剛三さん」
辰夫の業を共に剛三も背負う覚悟をしている。慧もみどりも、その覚悟を知っている。
「気にせんでよい、これまで、儂は何もできなかったのだからな。また、一からから鍛え直すものよいかもな」
2人を安心させるように、好々爺の顔をする。
「ところで、慧ちゃん。これから、どうするの?」
エレベーターで地下の駐車場に向かう途中、尋ねる。やるべきことはやった。でも、戸籍上、慧は死んでいる。
エレベータが開き、駐車場へ。
「よう、慧、終わったのか」
車の前で待っていたクレアは大きく手を振る。隣にはアーガトン。
「二袈市の魔物はいなくなったけど、まだ、あっちこっちに残っているんだ。それを退治しようと思う」
工場を破壊する前に調べたデータでは、まだ変異魔物と、ブーガと共に来た魔族の生き残りがかなり日本に潜んでいることは間違いない。
「そうだな、あたしたちも、しばらくはこっちにいるつもりだから、手伝うつもりだ」
アーガトンも無言だが、同意を示す。
「私も手伝うわよ、前らも言ったけど、その手の情報が集まりやすい職場にいるのだからね」
彼女にとって、戸籍がどうであれ、タルナファトスであれ、慧は慧。それ以外の何者ではないのだ。
慧、クレア、アーガトンが車に乗ろうとした時、
「ところで、慧ちゃん」
少し迷っていたが、決意を固める。大きな戦いの後なので、みどり自身、気が大きくなっていた。ここで言ってしまえ。
「魔物退治が終わって、あの時の返事がyesなら、私と一緒に世界中のミステリースポットを見て見て回らない」
ほんのり顔が桜色、それは慧にも伝染。
何もしゃべらなくなり、もじもじしている2人を楽しそうに見ているクレア。
普段表情のあまり変わらない、アーガトンさえも楽しそうに見ている。
あの時、体育館裏でみどりがやったように、大きく深呼吸。
「僕でいいなら、一緒に行こう、みどりちゃん」
ぱっとみどりの顔が輝き、抱き着こうとしたけど、慧の方が小柄なので、しゃがんで抱き着く。
「もう二度と、離さないからね、慧ちゃん」
主犯とみられる青白い顔の男の射殺体が見つかるも、誰が殺害したのは不明、そもそも青白い顔の男の身元も判明せず。
市民の中には、あれは幻覚などてははなく、本物の悪魔が現れ、世界を滅ぼそうとした。そこへプラチナブロンドの天使が現れて世界を救ってくれたと言い張るものも少なくない。
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こんこん、ノックしてから病室に入る慧とみどり。慧はクレアから返してもらった黄色いリボンでポニーテールにしている。蘇芳夜叉は車の中。
白い壁と床の個室のベットに寝かされた辰夫。その寝顔は無邪気な子供のよう。
その横に座っているのは剛三。
「辰夫の容態はどうなんですか?」
「医者の話だと、記憶がすっかり白紙になっておるとな。生まれたての赤ん坊のように真っ白だそうじゃ」
慧の質問に答える剛三。
「これも報いかのう」
あまりに多くの罪を重ねてしまった辰夫。表ざたには出来ないが、それは、とても重いもの。
「師匠」
「剛三さん」
辰夫の業を共に剛三も背負う覚悟をしている。慧もみどりも、その覚悟を知っている。
「気にせんでよい、これまで、儂は何もできなかったのだからな。また、一からから鍛え直すものよいかもな」
2人を安心させるように、好々爺の顔をする。
「ところで、慧ちゃん。これから、どうするの?」
エレベーターで地下の駐車場に向かう途中、尋ねる。やるべきことはやった。でも、戸籍上、慧は死んでいる。
エレベータが開き、駐車場へ。
「よう、慧、終わったのか」
車の前で待っていたクレアは大きく手を振る。隣にはアーガトン。
「二袈市の魔物はいなくなったけど、まだ、あっちこっちに残っているんだ。それを退治しようと思う」
工場を破壊する前に調べたデータでは、まだ変異魔物と、ブーガと共に来た魔族の生き残りがかなり日本に潜んでいることは間違いない。
「そうだな、あたしたちも、しばらくはこっちにいるつもりだから、手伝うつもりだ」
アーガトンも無言だが、同意を示す。
「私も手伝うわよ、前らも言ったけど、その手の情報が集まりやすい職場にいるのだからね」
彼女にとって、戸籍がどうであれ、タルナファトスであれ、慧は慧。それ以外の何者ではないのだ。
慧、クレア、アーガトンが車に乗ろうとした時、
「ところで、慧ちゃん」
少し迷っていたが、決意を固める。大きな戦いの後なので、みどり自身、気が大きくなっていた。ここで言ってしまえ。
「魔物退治が終わって、あの時の返事がyesなら、私と一緒に世界中のミステリースポットを見て見て回らない」
ほんのり顔が桜色、それは慧にも伝染。
何もしゃべらなくなり、もじもじしている2人を楽しそうに見ているクレア。
普段表情のあまり変わらない、アーガトンさえも楽しそうに見ている。
あの時、体育館裏でみどりがやったように、大きく深呼吸。
「僕でいいなら、一緒に行こう、みどりちゃん」
ぱっとみどりの顔が輝き、抱き着こうとしたけど、慧の方が小柄なので、しゃがんで抱き着く。
「もう二度と、離さないからね、慧ちゃん」
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