おいでませ!花嫁様

みーさん

文字の大きさ
2 / 2

謁見

しおりを挟む
アレクの言葉通り30分程で城へとついた。
ザワザワバタバタと慌ただしい音が馬車の外から聞こえてくる
先に降りたアレクさんの声が聞こえ、扉を開ける

「失礼致します。
準備が整いましたので、お手をどうぞ」

「あ、ありがとうございます‥!」

アレクさんの手を取り、ゆっくり馬車から降りるとレッドカーペットがひかれ左右にはメイドや執事、第3騎士団の皆さんがズラリと並んでいて驚き息が一瞬とまる

「足元にお気をつけ下さい。」

「は、はい。」

緊張感から震える手足、アレクがいなければ三咲はロボットのように手足が一緒に動くかそのまま倒れてしまっただろう。
アレクに誘導されるまま、歩くと大きな扉がある部屋へと着いた

「こちらが王の間です。中には国王と王子がいらっしゃいます。
いくつか質問されるかと思いますが、ゆっくり焦らずに答えれば大丈夫です。」

三咲を安心させるように、ゆっくりと話す

「アレクさんは一緒に入りますか?」

「はい、報告がありますから。
ですが、少し後ろに下がっていなければなりません。」

「そう、ですか」

せめて隣にいてくれればまだもう少し安心できたのに、と思いながら扉を見つめる

「どうしても不安なら、コレを」

三咲の右手に青い石のついた金ブレスレットをつける

「これは?」

「私のお守りです。これがあれば何も怖くありませんよ」

壊れ物を扱うように、優しくブレスレットを撫でるアレク。
おそらくアレクにとって凄く大切な物だろうに、会ってまだ間もない私を安心させる為に貸してくれるなんて。
アレクの優しさに涙が出そうになるが、これ以上心配かけないように笑う

「アレクさん、ありがとうございます!
なんだが急に元気になりました!」

「良かった、では行きましょうか」

アレクは扉の前にいた門兵に合図を送る
ギギギ、と重厚感のある大きな扉が鈍い音を立てながら開く

「第3騎士団団長、アレク・エドワーズ様と本日召喚されました第3花嫁候補様が御入場です!!」

門兵のよく通る大きな声に驚きながらも、ゆっくりと前に進む

「よくぞこの国に参られた花嫁候補殿。
月の神ルクアの名の下、其方を歓迎する。
名を名乗るがいい。」

「ありがとうございます、国王様。
私坂田三咲と申します、三咲が名前になります」

ゆっくりと頭を下げる。

「第3騎士団団長アレク、報告を。」

「はっ!!信託通り、城から北東の位置にある森に召喚されました。
黒髪黒目の女性であり右手の甲に月の神ルクア様の印をお持ちです。」

「神官殿」

「はい」

白い髭を蓄えた優しそうなお爺さんが三咲の右手をじっくりと見る

「間違いなく、これは月の神ルクア様の印でございます。そして満月でございます」

「そうか‥、ミサキ嬢其方には私の息子ウィルの花嫁候補としてこの城に滞在してもらう。
滞在期間中は何をしようと構わない、叶えられる範囲でこちらも協力しよう。
ただし、週に一度王子との面会がある。余程の理由がない限り出席するように。」

キラキラと輝く金髪に、アレクさんとは異なる深海のような濃い青の瞳を持つウィルと呼ばれた男は美しく凛々しい顔立ちをしていた。
一瞬視線が合った気がしたが、無表情でどこかを見つめる姿に違和感を感じた。

「はい!」

「其方の護衛役として第3騎士団団長アレクをつける。部屋は北東にある離れを使うが良い」

「はっ、仰せつかりました!」

「ありがとうございます」

2人で頭を下げて、王の間を後にする

「ミサキ様、お疲れ様でした。
お部屋にご案内いたします」

「はい、よろしくお願いします」


しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~

marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」 「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」 私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。 暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。 彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。 それなのに……。 やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。 ※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。 ※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

処理中です...