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変人の集い
第19話 生きてますか?
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「う、うぅぅ、まだ耳鳴りがする……」
爆風に吹き飛ばされ、あわや大惨事というところだったが、偶然にも目の前にあった大木に捕まることができ、難を逃れることが出来た。
「えっと……、ユキさんはどこに」
おぼつかない足取りで、辺りを探し回る。
すると、
「あら、ヒカリさん。ご機嫌いかがかしら?」
少し歩いた先で、真っさらになった大地の上一一人ポツンと立っているユキさんを発見した。
「な、なんとか生きてます……」
「ふふ、それは良かったですわ。それで、私の魔法はいかがでしたか?」
「……凄いとしか言い様がないです。あんな威力の魔法、初めて見ました」
「おほほほほほ、でしょう! でしょう! 私の魔法があればどんな魔物でもイチコロですわ~!」
ご機嫌な様子で笑うユキさん。
「そうですね、あの魔法を食らって無事な魔物なんて……って、ちょっと待って下さい! 黒服の人は?! まさか、皆死んじゃったんじゃ……」
「あら、それなら大丈夫ですわよ。ちゃんと手加減もしましたし、それに、私の犬は頑丈さだけが取り柄ですから」
そう言うと、ユキさんは、
ピュー
と口笛を吹いた。
すると次の瞬間、
「わん」
「わん」
「ワオ~~~~ン」
黒服達が鳴き声をあげ、体に積もった土をどかして立ち上がった。
そして、
「へっ、へっ、へっ」
と犬のような息の切らし方をしながら、ユキさんの元へ駆け寄ってきた。
「ポチ、タマ、チビ、デブ、ガリ、ブス、ハゲ、ゴミ……、よし、全員揃ってますわね。あなた達、よく頑張りました。これはご褒美です」
そう言って、ユキさんがポケットからジャーキーのようなものを取り出し、空中に投げ出した。
その瞬間、
「ワオ~ン、わんわんわん」
黒服達はそんな鳴き声を上げ、宙に浮いたジャーキーめがけ、一斉に飛びかかった。
「げ、元気ですね……」
「ふふ、言ったでしょ。頑丈さだけが取り柄だと。あの程度の魔法、私の駄犬達にとってはかすり傷ですわ」
「は、はぁ……。でも、全員無事で良かったです」
……全員?
何だろうこの感じ……。
何か、そう、何か気持ち悪くてうるさいものを忘れているような……。
「……あ! ちょ、ちょっと待って下さい! マツザカさん、マツザカさんが居ませんよ!!」
「ああ、あの豚なら今頃、喜びを噛みしめながら悶えているのではなくて。全く、主人の呼びかけに応じないなんて、呆れてしまいますわ」
マツザカを心配する素振りなど微塵も見せないユキさん。
確かにマツザカなら魔法を受けて、気色の悪いアへ顔を晒すくらいはするかも知れないが、それでも少しは心配だった。
「……はぁ、ヒカリさん。豚の様子が気になるなら見に行ってくればよろしいのでは?」
考えていたことが顔に出てしまっていたのか、ユキさんが私を見て、ため息を付く。
「え、あっ、その……」
「遠慮しなくて、よろしくてよ。私も久々に魔法を使ったせいで少し疲れましたし、ここで休んでいようと思いますわ」
そう言って、黒服の上に座るユキさん。
成り行きとはいえ、ボディーガードになった以上、ユキさんのことが心配だったが、黒服達がいれば、とりあえずは安心出来そうだった。
「すみません、行ってきます」
「ええ、お構いなく」
黒服の鼻をフックで持ち上げて遊んでいるユキさんにそう言い残し、マツザカが居たであろう場所へと向かった。
―そして、5分後
「マツザカさーーん、マツザカさーーん、どこですか――!」
私はまだマツザカを探していた。
おかしい……。
いつもなら「気持ち良かったー」とバカみたいな顔を晒しながら飛び出てくるのに……。
「ま、まさか本当に死んだんじゃ……」
最悪のシナリオが頭をよぎった。
「ま、まさかマツザカさんがそう簡単に死ぬわけ……。ま、マツザカさん! いるなら返事を、ってきゃっ」
走り出そうとしたところ、足下に落ちている石のようなものに躓いた。
「な、なにコレ……、くっっっっっっっさ!!」
足下の黒い固まりは、生ゴミが焼けたような臭いを発しながら、ピクピクと小刻みに震えていた。
そして、その形にはどこか見覚えがあり……。
「こ、これマツザカさん?!」
「はっはっは、そうだとも」
「え? うわぁぁぁぁ出たぁぁぁぁああああ」
うつ伏せだったマツザカが、私の声を聞いて飛び上がった。
「ははは、まるで幽霊でも見たようなリアクションじゃないか」
「え? 生きてる??」
「ああ、生きているとも。久しぶりにユキ嬢の魔法を肌で感じることが出来たからね。感動に打ちひしがれていたんだよ」
「そ、そうですか。まぁ、良かったです」
全裸で決めポーズを取るあたり、元気そうだった。
……ん?
全裸?
「きゃ、キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! なんて格好してるんですか! 気持ち悪い! ゴミ! クズ! 変態変態変態!!」
「アアアン、その罵倒、良い! まぁ、服に関しては仕方ないさ。いくら魔法でもこればっかりは戻せないからね」
「でもでもでも、黒服の人達は全然服装が変わってなかったじゃないですか!」
「彼らが身に付けているのは、ユキ嬢が特別に作らせた対魔法繊維で編まれたオーダーメイドスーツだからね。あの程度の魔法で破れる代物ではないさ」
「なっ、ならマツザカさんも同じのを着ればいいじゃないですか!」
「ははは、それじゃ全身で痛みを感じられないだろ! 俺にそんなものは不要さ!」
そう言って、体を隠す素振りも見せず、ガハハハハとうるさい笑い声をあげるマツザカ。
そんなマツザカの汚い体を見せつけられ、私は『やっぱりこの人、死んでた方が良かったかも』と我ながら辛辣な考えを浮かべるのだった。
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爆風に吹き飛ばされ、あわや大惨事というところだったが、偶然にも目の前にあった大木に捕まることができ、難を逃れることが出来た。
「えっと……、ユキさんはどこに」
おぼつかない足取りで、辺りを探し回る。
すると、
「あら、ヒカリさん。ご機嫌いかがかしら?」
少し歩いた先で、真っさらになった大地の上一一人ポツンと立っているユキさんを発見した。
「な、なんとか生きてます……」
「ふふ、それは良かったですわ。それで、私の魔法はいかがでしたか?」
「……凄いとしか言い様がないです。あんな威力の魔法、初めて見ました」
「おほほほほほ、でしょう! でしょう! 私の魔法があればどんな魔物でもイチコロですわ~!」
ご機嫌な様子で笑うユキさん。
「そうですね、あの魔法を食らって無事な魔物なんて……って、ちょっと待って下さい! 黒服の人は?! まさか、皆死んじゃったんじゃ……」
「あら、それなら大丈夫ですわよ。ちゃんと手加減もしましたし、それに、私の犬は頑丈さだけが取り柄ですから」
そう言うと、ユキさんは、
ピュー
と口笛を吹いた。
すると次の瞬間、
「わん」
「わん」
「ワオ~~~~ン」
黒服達が鳴き声をあげ、体に積もった土をどかして立ち上がった。
そして、
「へっ、へっ、へっ」
と犬のような息の切らし方をしながら、ユキさんの元へ駆け寄ってきた。
「ポチ、タマ、チビ、デブ、ガリ、ブス、ハゲ、ゴミ……、よし、全員揃ってますわね。あなた達、よく頑張りました。これはご褒美です」
そう言って、ユキさんがポケットからジャーキーのようなものを取り出し、空中に投げ出した。
その瞬間、
「ワオ~ン、わんわんわん」
黒服達はそんな鳴き声を上げ、宙に浮いたジャーキーめがけ、一斉に飛びかかった。
「げ、元気ですね……」
「ふふ、言ったでしょ。頑丈さだけが取り柄だと。あの程度の魔法、私の駄犬達にとってはかすり傷ですわ」
「は、はぁ……。でも、全員無事で良かったです」
……全員?
何だろうこの感じ……。
何か、そう、何か気持ち悪くてうるさいものを忘れているような……。
「……あ! ちょ、ちょっと待って下さい! マツザカさん、マツザカさんが居ませんよ!!」
「ああ、あの豚なら今頃、喜びを噛みしめながら悶えているのではなくて。全く、主人の呼びかけに応じないなんて、呆れてしまいますわ」
マツザカを心配する素振りなど微塵も見せないユキさん。
確かにマツザカなら魔法を受けて、気色の悪いアへ顔を晒すくらいはするかも知れないが、それでも少しは心配だった。
「……はぁ、ヒカリさん。豚の様子が気になるなら見に行ってくればよろしいのでは?」
考えていたことが顔に出てしまっていたのか、ユキさんが私を見て、ため息を付く。
「え、あっ、その……」
「遠慮しなくて、よろしくてよ。私も久々に魔法を使ったせいで少し疲れましたし、ここで休んでいようと思いますわ」
そう言って、黒服の上に座るユキさん。
成り行きとはいえ、ボディーガードになった以上、ユキさんのことが心配だったが、黒服達がいれば、とりあえずは安心出来そうだった。
「すみません、行ってきます」
「ええ、お構いなく」
黒服の鼻をフックで持ち上げて遊んでいるユキさんにそう言い残し、マツザカが居たであろう場所へと向かった。
―そして、5分後
「マツザカさーーん、マツザカさーーん、どこですか――!」
私はまだマツザカを探していた。
おかしい……。
いつもなら「気持ち良かったー」とバカみたいな顔を晒しながら飛び出てくるのに……。
「ま、まさか本当に死んだんじゃ……」
最悪のシナリオが頭をよぎった。
「ま、まさかマツザカさんがそう簡単に死ぬわけ……。ま、マツザカさん! いるなら返事を、ってきゃっ」
走り出そうとしたところ、足下に落ちている石のようなものに躓いた。
「な、なにコレ……、くっっっっっっっさ!!」
足下の黒い固まりは、生ゴミが焼けたような臭いを発しながら、ピクピクと小刻みに震えていた。
そして、その形にはどこか見覚えがあり……。
「こ、これマツザカさん?!」
「はっはっは、そうだとも」
「え? うわぁぁぁぁ出たぁぁぁぁああああ」
うつ伏せだったマツザカが、私の声を聞いて飛び上がった。
「ははは、まるで幽霊でも見たようなリアクションじゃないか」
「え? 生きてる??」
「ああ、生きているとも。久しぶりにユキ嬢の魔法を肌で感じることが出来たからね。感動に打ちひしがれていたんだよ」
「そ、そうですか。まぁ、良かったです」
全裸で決めポーズを取るあたり、元気そうだった。
……ん?
全裸?
「きゃ、キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! なんて格好してるんですか! 気持ち悪い! ゴミ! クズ! 変態変態変態!!」
「アアアン、その罵倒、良い! まぁ、服に関しては仕方ないさ。いくら魔法でもこればっかりは戻せないからね」
「でもでもでも、黒服の人達は全然服装が変わってなかったじゃないですか!」
「彼らが身に付けているのは、ユキ嬢が特別に作らせた対魔法繊維で編まれたオーダーメイドスーツだからね。あの程度の魔法で破れる代物ではないさ」
「なっ、ならマツザカさんも同じのを着ればいいじゃないですか!」
「ははは、それじゃ全身で痛みを感じられないだろ! 俺にそんなものは不要さ!」
そう言って、体を隠す素振りも見せず、ガハハハハとうるさい笑い声をあげるマツザカ。
そんなマツザカの汚い体を見せつけられ、私は『やっぱりこの人、死んでた方が良かったかも』と我ながら辛辣な考えを浮かべるのだった。
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